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聖騎士と司祭

エロイドの刀の一件も片付きまた自由な暮らしを送るアフィ。

そんな今日はメルクに頼み事をされる。

それは聖騎士の隊長に届けものらしい。

それは彼女の好物の甘いものらしいが。


「アフィ、これを頼まれてもらえますか」


「ん?これってココアクッキーだよね」


「ええ、聖騎士団のアクルス殿に」


メルクは家事全般が得意で、お菓子などもよく作ってくれる。


これはそんなお菓子の一つで、聖騎士団のアクルスの好物らしい。


「分かった、仕事での納品のついでに渡してくるよ」


「すみませんね、僕も仕事があるので」


「気にしなくていいよ、それじゃいってきまーす」


そんなわけで国の聖騎士団の宿舎に向かう。

聖騎士団はこの国の正規軍のようなもので、主に国防の要である。


そんな聖騎士団は最近は何やら調べ物をしているそうだが。


「それにしても聖騎士団の小隊長殿が旦那様のお菓子が好きとは」


「教会と騎士団は仲が悪いって聞いてるんだけどねぇ」


「まあいいや、さっさと終わらせよう」


そうして聖騎士団の宿舎に到着する。

そこは城内の西側にある建物だ。


主に常駐する騎士達が利用している。


「失礼しまーす、アクルスいる?」


「アフィですか、少しお待ちください」


「相変わらず生真面目だなぁ」


それから少ししてアクルスが出てくる。

アフィはメルクに渡されたココアクッキーを渡す。


「これ、うちの旦那様から」


「ああ、すまない、たまに作ってもらっているんだが、やはりこれに限る」


「それにしてもアクルスがうちの旦那様のココアクッキーが好きなんて、意外だよね」


「本来は教会と騎士団は険悪な仲なのだがな、まあ神殿騎士団と聖騎士団は昔からだ」


そんな険悪な関係の中でもアクルスはメルクを好いているらしい。

それもあってかココアクッキーをたまに頼んでいるという。


アクルスは甘党ではあるものの、ビターなココアクッキーが好きらしい。


このココアクッキーも甘さ控えめの味になっている。

コーヒーを飲む際にも砂糖を入れずにミルクのみの無糖カフェオレで飲むらしい。


なおクリーム系の甘いものには目がないのがアクルスの好みだ。


「失礼する」


「お前は…こんなところまでなんの用だ」


「ありゃ、メリヌじゃん、こんなところに来るなんて珍しいね」


「仕方ないでしょう、今は神殿騎士団も仕事に協力しなきゃならないのよ」


メリヌがいう協力しなくてはいけないという仕事。


それについても気になる話ではある。

普段は険悪な聖騎士団と神殿騎士団が協力しないていけない仕事とは。


「その仕事ってなんなの」


「アフィなら構わないかしらね、盗賊団のアジトを調べているのよ」


「それで仕方なく協力をしている、盗賊団の規模からしても下手には動けんからな」


「そんな大規模なの?」


盗賊団、それは街の近くで頻繁に出没する小悪党だ。


だが盗賊団というには相手もかなりの手練らしいとアクルスは言う。

下手な冒険者よりずっと強く、統率も取れているらしい。


この前も貴族が襲われ金品を奪われているらしい。


しかもその場にいた全員が殺されたという。


「あいつらはそれこそ組織としての統率が取れているのよ、だから手強いのよね」


「ふーん、そんな凄いんだ」


「それこそ我々と同等の指揮系統があると思っていいだろうな」


「それでそれを討伐するのに仕方なく手を組んでるのよ」


本来は手を組む事は珍しい神殿騎士団と聖騎士団。

今回は相手が相手だけに油断はならないと考えているのだろう。


「あとこれ、盗賊団の今までに強奪した金品の大体の額よ」


「すまないな、アジトに関してはこっちもまだ掴めていなくて」


「盗賊団かぁ、あいつら結構隠密行動が得意みたいだね」


そんな盗賊団についても今は調査の途中らしい。

アジトの位置が掴めないと言うからには、移動でもしているのか。


「それとアフィ、爆弾を頼んでいい?5個ぐらいでいいのだけど」


「分かった、ならそれは近いうちに作って持っていくよ」


「我々としても民の平和を守らねばならんしな」


盗賊団についてはまだ時間がかかりそうな話だ。

それでも国を守る立場としてはお互い手を尽くすらしい。


「ココアクッキーはすまなかったな、またそのうち頼むと伝えてくれ」


「分かった、伝えておくよ」


「それじゃ私は戻るわよ、お互いしっかりやりましょ」


「腕は認めてるのにねぇ」


「そればかりは仕方ないさ」


騎士団の仕事、今は盗賊団の調査。


国を守る仕事というのも楽ではなさそうである。

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