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春の悩み

旅行に出発する準備をすすめるアフィ達。

そんな中季節はすっかり春に入り始めている。

準備を進めつつ少し休もうと街に出るとカイトに遭遇する。

何やら辛そうにしているようだが。


「あれ?カイト、そんなところでどうしたの?」


「ああ、アフィですか」


「なんか涙目だよ?」


カイトが珍しく涙を浮かべていた。


とはいえ何か悲しい事などがあったようではなく。


「もしかしてだけど、花粉症?」


「ええ、この国ならスギやヒノキがないと思って油断していました」


「それってカイトの国の植物だっけ」


「はい、それでさっき流に相談して薬をもらってきたんですよ」


「花粉症か、そういえば花粉症って特定の植物の花粉ってわけじゃないって聞いたね」


花粉症になる植物はスギやヒノキが原因とは限らない。

国によって様々な植物から引き起こされるのが花粉症だ。


カイトはスギやヒノキがないこの国でも花粉症に悩んでいるらしい。


「大丈夫?あたしでいいなら薬作ってもいいけど」


「大丈夫です、これぐらいなら」


「ならいいんだけど」


「そもそも僕は自分の国でも花粉症に悩まされていたので、もう慣れました」


「慣れていいものじゃないと思うけど」


花粉症は酷い時にはティッシュを一箱軽く使ってしまう程度には酷くなる。

それこそ一日に二箱とか使うのも珍しくないのが花粉症だ。


カイトもそれには苦しめられているようで。


「僕の国には花粉症で引退したスポーツ選手とかいるんですよ」


「マジ?そんな凄いんだ」


「なにせ僕の国はこの季節になると花粉が大量に飛散するので、もう辛いものでした」


「それでこの国に来てもよくならなかった、と?」


「みたいです」


今でこそその症状などが解明されている花粉症。

とはいえカイトの言うスポーツ選手は昔の人だろう。


花粉症で引退に至る程度には認知されていなかった時代の話か。


「旦那様が言ってたけど、花粉症ってアレルギー系の病気なんだって」


「それは僕も知ってます、ただまさか外国でまで花粉症になるとは」


「マスクとかはしないの?」


「この国だとマスクとか手に入りにくいんですよ、ティッシュ配りとかも珍しいですし」


「でも薬局に行けば流石にあるでしょ」


カイトもそれは分かっている。

とはいえカイトの国に比べるとマスクは奇異の目で見られる事もあるという。


それもあってかこっちでマスクを付けるのには躊躇いがあるとか。


「うーん、でもマスクがあるなら買えばいいのに」


「それは分かってるんですけどね」


「そこはお国柄かな」


「でしょうね、目は口ほどに物を言うという事です」


「でも確かに花粉症の知り合いとかいるけど、マスクしてる人は少ないかも」


そこはまさにお国柄と言うべきか。

カイトの国ではマスクは当たり前だが、サングラスが奇異の目で見られるらしい。


そしてこっちの国ではサングラスは普通だが、マスクは奇異の目で見られるという。


「ティッシュ買い込んで少し大人しくしてるべきでしょうか」


「そうだなぁ、花粉になるべく触れない事じゃないの?」


「これは引きこもりですかね」


「でも花粉症は国に関係なくなる、カイトも大変だね」


「全くです、とにかく花が辛くて辛くて」


それだけ重症という事なのか。

他のアレルギーが出ていないだけマシだとはカイトも分かっている。


国をまたいでの花粉症は流石に辛そうだが。


「この国だと花粉症はイネ科の植物だって病院の先生は言ってたよ」


「イネ科ですか、僕の国だとスギ花粉でしたし、国の主な植物という事ですかね」


「カイトの国だとスギ花粉なんだよね?」


「そうですよ、北と南の地域以外は大体がそれです」


「なんにしても無理はしないでね」


カイトも薬はもらっているので、それを使ってなんとか凌ぐ予定らしい。

花粉症の辛さを国をまたいで味わっているカイト。


見るからに辛そうなのはアフィにも伝わる。


「それじゃ僕は部屋に引きこもります、旅行に行く前には挨拶ぐらいしてくださいね」


「カイトも花粉に苦しめられてるのは大変なんだろうな」


国をまたいで花粉症に苦しめられるカイト。

この国ではイネ科の植物の花粉なのだが、体質的な問題なのか。


鼻水と戦いながらカイトは引きこもるようだ。


春は花粉症の人には辛い季節である。

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