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根城へと

ヘイロンから聞いた盗賊団の情報。

それをあえて信じるアフィは国の様子を見つつ、夜のうちに行動を開始する。

シエスタもそれに同行し、メルクには内緒にしたままの隠密行動。

一方でカイトと流もそれを見送った後行動を開始した。


「別について来なくてもよかったのに」


「アフィには恩義もありますからね」


「律儀だなぁ、ならさっさと終わらせちゃおうか」


そう言ってアフィとシエスタは森の中を進む。


夜の森は暗く、盗賊団も視認出来る範囲は狭くなっているはずだ。


「こっちだね」


「視界は私が確保しています、今のところ人の気配はしません」


「ありがと」


「急ぎましょう」


「だね、そのために貴重な霊薬のストックを持ってきたんだから」


その一方でカイトと流もそれを追う。

流は有給休暇をもらって一緒に来ている。


二人も気配を消しつつその後を追う。


「人の気配がします」


「盗賊団かな?」


「そのようですね、どうしますか」


「スニーキングミッションといえば気絶でしょ」


「了解です」


そう言うとシエスタは音もなく見張りと思われる盗賊の背後を取り気絶させる。

こういうところは機械仕掛けの錬金術士といったところか。


廃墟が近づくにつれ人の数が増えているとシエスタは言う。


「えげつないですね」


「シエスタってすげぇのな」


「僕達は極力争いは避けますよ、いいですね」


「了解、任せろ」


「では追いかけますよ」


カイトと流もそのままアフィ達を追いかける。

一方のアフィ達は見張りを気絶させつつ廃墟の前に到着する。


ここからはどうするかというと。


「お前ら…どうしてここに…」


「あたし達は敵じゃないよ、あなた達の親分に会わせて」


「武器は持っていないのか?それだけの覚悟で来たっていう事か」


「通していただけますか」


「なら見張りをつけた上で通す、いいな」


アフィとシエスタもそれを了承する。

その前に念入りにチェックをされる。


かばんの中から身辺の隅々まで確認され、無抵抗だと分かり中へと通される。


「僕達はどうしますか?」


「俺達も行く、今回はカイトも剣は持ってきてないんだろ」


「まあ何かあったら格闘でなんとかしますよ」


「頼もしい限りだ」


「では行きましょう」


カイトと流も盗賊団に無抵抗を証明した上で中へと入る。

そこでアフィ達はようやくその存在に気づいた様子。


盗賊団のボスにも話を聞く事に。


「怖いもの知らずだな、お前達」


「医者として来たんだ、とりあえず診察させてくれるか」


「いいだろう、変な真似をしたら即座にその腕を切り落とすぞ」


「あたしもいい?それ次第で分かると思うし」


「余計な真似をしたらその場で斬るぞ」


とりあえずは流がその眠り続けているという少女の診察を開始する。

アフィも同じように、その少女を触診していく。


錬金術士として相手の状態を把握する方法はアカデミーで学んでいるのだ。


「…これは難病とかの類じゃないな、どちらかと言うと奇病の類だ」


「この子はどこで見つけたの?」


「過去に調査に行った先の遺跡の中だ」


「だとしたら遺跡自体が何かしらの…?現代の医者になんとか出来るか?」


「心臓は動いてるから、生きてる、流、どう?」


流曰く、難病なら身体的な特徴か内部に何かしらの症状があるはずだという。

それがないという事からしても、奇病の線が正しいとの事。


だが診察は出来るが流もこんな症例は初体験だという。


「生きているのに眠ったまま、つまり人為的に眠らされている可能性がある」


「でも病気なんだよね?」


「俺はそう思ってる、だからずっと方法を探してたんだ」


「…身体的な問題がないとしたら考えられるのは、精神的な事か?」


「一応霊薬は持ってきてる、使うべきかな?」


流も診察はやれる限りはやったが、物理的な事でもないのなら難しいという。

医者としても研究テーマには出来そうだが、医学による治療は研修生には難しいと。


流はアフィに霊薬を使うように言う。


「アフィ、頼めるか」


「分かった、これを飲ませてみる、行くよ」


「本当にその薬が効くのか?」


アフィが口移しでその薬を少女に飲ませる。

反応がないようで、やはり駄目かと思った。


しかしその時少女のまぶたが動く。


そして少女が声を発し、目を開いたのだった。

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