表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/65

胡散臭い女

盗賊団についての情報も集めているアフィ。

とはいえそう簡単に行くわけもなく、なかなかに難航している。

国の関係者の親しい人でも流石に今回ばかりは話してくれない。

すると何やら物陰から手招きをする人を見つける。


「んー、やっぱりお手上げだねぇ」


「お姉さん、こっちこっち」


「ん?いかにも怪しげな…警戒だけはしておくべきかな」


手招きをしていたのは身長が160もなさそうな女の子。


一応警戒しつつ、そっちへと行ってみる。


「なに、キミ、あたしは忙しいんだけど」


「お姉さん、盗賊団の事を嗅ぎ回ってるよね」


「なんでそれを…」


「情報が欲しいんだよね」


「胡散臭い…あなた、何者なのかな」


明らかに小学生ぐらいにしか見えないその女。

とはいえ何か知っているようなので、話を続ける事に。


名前も一応聞いておく。


「名前を聞いてもいい?」


「名前ねぇ、ヘイロン、そういう名前さ」


「うん、それでそのヘイロンが本当に知ってるの」


「知ってるとも、初回料金として半額でいいよ」


「まあお金は少しぐらいならあるし…でも内容次第かな」


初回料金として半額でいいと言われる、どうやら情報屋のようだ。

今の時代にそんなオールドチックな商売をしている人がいる事にも驚く。


だがその目は泳ぐ事もなく、こっちを見ている。


「なら聞かせて」


「はいよ、盗賊団が根城を移動しながらなのはそっちも知ってるよね」


「うん、知ってる」


「今の盗賊団の根城は、ここから南東にある廃墟だ」


「本当なんでしょうね」


ヘイロンの目は嘘を言っているようにも思えない。

嘘を言っているのならもっとバレないかどうか探るように見てくるはずだ。


そのまま続きを聞く事に。


「本当だとも、そして騎士団が動くのは一週間後、お嬢さんが動くならその前がいい」


「一週間後…それが本当ならあたしにも猶予はあるかな」


「ただし予定は前倒しになる可能性もある、あくまでも今の予定ってっていうだけの話さ」


「分かった、覚えておく」


「あと盗賊団の目的についても聞きたくないかな、もちろんそっちは別料金でね」


盗賊団の目的についても知っている様子。

国でも掴めていないその話、一応聞いておく事にする。


ただし代金は上がるらしい。


「うん、教えて、気になってたから」


「オーケー、盗賊団の目的はある女の子を救うためだ」


「女の子を救う?」


「その女の子は眠りについたまま歳も取らずにいるという、それを救おうとしているのさ」


「それじゃあ薬に関係する人達を拉致したりしてたのって…」


盗賊団は眠り続ける女の子を救おうとしている。

その話にアフィは驚きを隠せない。


そしてヘイロンは盗賊団の正体についても語ってくれる。


「盗賊団は今から40年前ぐらいにその女の子を助けた元騎士団なのさ」


「嘘…騎士団がなんで盗賊なんかやってるの」


「国に助けを懇願したが、当時の技術では手も足も出なかった、あとは分かるね」


「騎士団を辞めて助ける方法を探していた…だね」


「そう、そして国に知られないように拉致した人達はその場で殺していたのさ」


つまりその女の子を助けるために騎士達は自ら盗賊に堕ちた。

そして薬に関係する人達を拉致して助けられないかと言っていた。


殺していた理由は国に自分達の事を知られないため、だという。


「以上だよ、半額でいいとはいえ少し高いよ」


「これで足りる?お釣りは結構だから」


「ほう、これは上客だね、ならこれからも贔屓にしてくれるなら安くするよ」


「キミ、それより子供が何してるのさ」


「失礼だね、これでも私は大人、23歳だよ」


ヘイロンが23歳と知って驚くアフィ。

だが成長の止まった人というのは見るので、なんとなく納得する。


アフィはヘイロンにこれからもお世話になる事を告げる。


「これからも何かあったらお世話にならせてもらおうかな」


「オーケー、契約成立だね、それじゃ何かあったらここに来てくれ、ではサラダバー」


「…行っちゃった、でも本当なら…こっちも準備しなきゃ」


そうしてアフィは準備に動く。

一方でその話をカイトが聞いていた様子。


アフィと流とカイト、それぞれが動き出す。


盗賊団をその過去から解放するために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ