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氷銀の竜

エルメナに刀を打ってもらうために氷竜を探しに来たアフィ達。

今の季節は冬で雪山なので当然冷える。

そんな雪山に住むという氷竜、その鱗を手に入れるのが目的だ。

その氷竜には出会えるのか。


「うぅ~、流石に冷えるなぁ」


「だがアフィの道具のおかげで幾分かはマシだ」


「そうね、流石は錬金術ってところかしら」


寒いには寒いものの、アフィの探索用の道具で寒さは軽減出来ている。


尤もヘインは涼しそうな顔をしているが。


「それでその氷竜はどこに出るんだ」


「噂では中腹辺りらしいわよ」


「なんで知ってるの?」


「冒険者なんかの伝で聞いてるだけよ」


そんな話をしつつ雪山を探索する。

アフィはそのついでに錬金術に必要な素材なんかも集めていた。


そうしてしばらく歩いていると熊の足跡を見つける。

流石に遭遇したら危険なので、警戒はしておく事にした。


それからしばらく歩き中腹に到達する。


噂の氷竜は姿を見せるのか。


「うーん、それっぽい気配はしないけどなぁ」


「時間帯があるとかだろうか」


「残念だけど、それは間違いみたいよ」


ヘインが気づくその気配。


そしてその氷竜が姿を見せる。


空から舞い降りるその巨躯。

それは紛れもないこの雪山の氷竜だ。


「こいつか、恨みはないけどやるよ」


「うむ、我が剣の道標としてやろう」


「油断してると凍らされるから気をつけなさい、行くわよ!」


氷竜がその咆哮を上げる。

アフィ達も臨戦態勢になり、勝負が始まる。


「そいやっ!まだまだ!」


「させるか!散れ!」


「やっぱり竜ってだけあって鱗は堅いのね、火に弱いのは鉄則だし」


「ヘインものんびりしてないで!」


「見てる暇があるなら手伝え!」


そしてヘインも剣を抜く。

騎士団すら買うというその剣術が冴える。


「はっ!そこ!燃え上がれ!」


「効いてる、やっぱり火に弱いのは定番か」


「だがこいつの守りの堅さはなんだ?鱗が硬いだけとも思えん」


「ふむ、これはどうやら氷の特性ね、硬い氷は鉄をもへし折る、そういうものよ」


「なら?」


「氷は熱に弱い、何か持ってるでしょ」


「まあねぇ、ならそいつでも使いますか」


アフィが道具袋から爆弾を取り出す。

それは高熱と炎の力を凝縮した炎の爆弾。


周囲の雪程度なら一瞬で水にしてそのまま蒸発させる威力のものだ。


ちなみに道具袋は錬金術で作った魔法の道具でズタ袋ではない。

物を大量に収納可能な空間装置である。


「そんじゃ、ぶん投げてやりますか!こいつも、持ってけ!」


氷竜を高熱の炎が襲う。

だがこれが氷竜の逆鱗に触れてしまったようで、氷竜は咆哮を上げる。


それと同時に凄まじい猛吹雪がアフィ達を襲う。

吹雪を起こせてしまうような、そんな竜なのだ。


「うひぃ~!?」


「こいつは堪えるな…」


「寒さぐらいは平気なつもりだったんだけど、流石にってところかしらね」


ヘインも冷静ではあるが、効いてはいるのが分かる。

だがこの程度で怯まないのがアフィでありヘインだ。


「ならもっと熱いの、ぶん投げる!魔球シンカーだよ!」


「続くぞ!」


「ええ!攻撃は効いてるから、一気に落としに行くわよ!」


氷竜も熱による攻撃は確実に効いている。

あとは一気に落としにかかるべく攻撃に全力を込める。


「一気に、斬り裂け!」


「断ち切るッ!」


「これで決めてあげるわ、生死を分かつは剣持つ宿命、奈落で悟れ!獄氷!」


ヘインが言葉と共に剣を振ると無数の氷の刃が氷竜を突き刺す。

ヘインは氷の剣技を得意とし、氷の暗黒剣は相手の守りを無力化して攻撃が通るのだ。


そんなヘインの暗黒剣に貫かれた氷竜は大きな咆哮と共にその場に倒れ込む。


起き上がる前に鱗を回収してしまう事に。


「これがその氷竜の鱗か」


「確かに強い力を感じるね、これならいい刀になると思うよ」


「ドラゴンはこの程度じゃ死なない、回復する前にここを離れるわよ」


そうして鱗を回収して街へと帰還する。

エロイドは刀を打ってもらう前にアフィに玉鋼と金属を依頼する。


報酬を確認してアフィは玉鋼と金属を作りに家に戻る。

幸い明日もエルメナは街にいるので、それまでに間に合わせる。


氷の刀、それはどんな業物になるのだろうか。

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