永遠とは
今日も今日とて仕事を片付け自由にしているアフィ。
そんな中漫画を読んでいた中で少し気になるものを見つけた模様。
ついでに少し用事でレーメルも来ていたので、少し聞いてみる事にした。
よくあるテーマではあるようだが。
「ねえ、永遠ってそんな欲しいものなのかな」
「どうしたんだ、急に」
「さっき読んでいた漫画ですね、さては」
まあ答えないのもあれなので、少し各々の考えだけは語ってみる事に。
よく漫画などの創作である永遠について。
「あたしは永遠の命とか欲しくないなぁって思うんだよね」
「とはいえ人は死を恐れるものよ、だから永遠が欲しいって思うんじゃない?」
「でもそれなら不老不死でよくない?」
「問題はその永遠でその対象が老化するかどうか、ですか」
「そう、老化するなら永遠を得ても生き地獄にならない?」
確かにそこは表現の問題なのかもしれない。
とはいえアフィは永遠に関してはもう一つ考えている事がある様子。
それは周りの事のようで。
「もし永遠を手に入れても周りの人がどんどんいなくなるのはあたしはやだなぁ」
「それならいっそ家族全員に永遠でも与えろって事かしら」
「いや、そこまでは言わないよ、流石に」
「ですがその意見は僕は賛同しますね、周りはみんな逝ってしまい孤独になるという事ですね?」
「そう、そんな事になったら孤独に耐えられなくなるし生き地獄じゃない?」
永遠に関しては周囲の人間の問題がついてくる。
自分だけが残され周囲に奇異の目で見られないか、など。
そして自分自身も孤独に耐えられなくなるのではないかという事。
「例えば元から永遠の命の神様とかロボット的な存在なら分からなくはないよ」
「ふむ、確かに限られた生のある存在が永遠を得ても、孤独に押しつぶされると」
「そう、だからあたしは永遠なんかいらないやって思うの」
「まあアフィが永遠の命を得て僕が先に逝ってしまったらと考えると」
「そう、一緒に死にたいとは言わないけど、それが何十年とか流石に嫌だよ」
結局人は永遠を求める生き物。
死ぬのは誰だって怖い、それはレーメルの考え。
メルクも神職ながら転生というものには懐疑的ではある。
「仮に死んだら転生ってしたりするものなの?」
「そうですね、僕はそれには懐疑的ですが、たまに転生者かと思う人には会いますよ」
「やっぱりそういう経験ってあるんだ」
「私としては死が怖くない人なんていないと思うけど、死を選ぶのも人の権利だと思うわよ」
「なるほど、そういう考えもあるのか」
レーメルらしいといえばらしいかもしれない。
死は誰もが怖い一方で、それを選択するのも人の権利なのだと。
だからこそ末期の患者が望むのならそれを尊重すべきとも。
「結局は世の中には生が苦痛っていう人もいるのかな」
「僕は簡単に死ぬなと思いますが、その一方で死なせてあげるべきという考えもありますね」
「旦那様って聖職者なのにそういうところが素直に凄いと思うんだけど」
「なんにしても永遠なんていうのはそいつ次第よ、ただ死ねない苦痛は理解されるべきね」
「死ねない苦痛…なんか難しいな」
レーメルの言う死ねない苦痛。
それは世の中に対する皮肉なのかもしれない。
アフィもメルクもそんなレーメルの考えには素直に驚かされる。
「でもなんとなく分かった気がするかも」
「私からしたら楽にしてあげて欲しい、そういった人も知ってるから」
「先生ってだらしなく見えて実はずいぶんと哲学的な考えを持ってるよね」
「レーメルの死生観は僕としても興味はありますね」
「先生ってだらしない女を演じてるだけで、普通に秀才だよね」
とりあえずこの話は終わりにする事に。
せっかくなのでレーメルに一緒に食事でもどうかと持ちかける。
レーメルもそれに乗ってきた様子。
「お昼にしますけど、レーメル殿もご一緒しますか」
「もちろん、人の金で食う飯は最高に美味しいのよね」
「本当にアフィを教えていた時から変わっていませんね」
「この逞しさだよね」
「では準備しますね、少しお待ちを」
そうしてレーメルも一緒に昼食を取る事に。
永遠というのは死生観の話なのかもしれない。
アフィはそう思っていた。
同時にメルクとレーメルの死生観にも興味を持ったようではある。




