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文明と種族

いつものように適度に仕事をこなしつつ自由に過ごすアフィ。

そんな今日も自由に街をうろついていた。

するとオフのアクルスを見つける。

以前から気になっていたエルフについてせっかくだから聞いてみる事に。


「やほー、アクルス」


「む?アフィか」


「オフなんですね、今日は」


オフで私服姿でアイスを食べていたアクルス。


少し話でもしようと隣に座る。


「ねえ、アクルスってエルフなんだよね」


「そうだが、それがどうかしたのか?」


「いえ、エルフという種族はあまり詳しくないのでそれを知りたいと」


「そうだな、では最初に訊くが、どんなイメージを持っている?」


「イメージ…菜食で堅物、閉鎖的…かな?」


まさに一般的なイメージといったところか。

だがアクルスが言うには、それはただの偏見だという。


実際は内向的なタイプと外向的なタイプで対立しているそうな。


「今のエルフは人間との交流に積極的な若者も多いな」


「つまりお年寄りのエルフは掟を守れー、みたいな感じなのか」


「ああ、実際若いエルフは里が嫌になり飛び出す者もある程度いる」


「アクルスもそうなんでしたか」


「まあな、そんなところだ」


つまり頭が化石化したエルフの老人は確実にいるという。

若いエルフ達の一部はそれに嫌気が差し里を飛び出していってしまうらしい。


それに意外と人間社会にも順応しているらしいとの事。


「そういえばエルフは菜食主義っていうのはどうなの?」


「それか、里に暮らすエルフはそんな感じだな」


「では里を出たエルフは動物性の食べ物も口にするんですか?」


「口にするな、私もエルフだが肉は食べるしミルクを使っているこいつを食べているだろう」


「そういえば確かに」


つまりエルフが菜食というのは嘘ではないらしい。

だが人間社会に順応するために動物性の食べ物も食べられるようにはなるという。


実際里を出たエルフには魚や肉を好きになったエルフはいるのだと。


「そもそも種族に限らず人種でもそうだが、外国から見たら偏見しかないぞ」


「うぐっ、それは否定しないけど」


「それに世の中には文明を使いこなすエルフもいる、普通に銃も使えば電話もする」


「そう言われると文明はやっぱり偉大という事ですか」


「そういう事だ、それにエルフは魔法的な技能に優れるから文明とは相性がいいんだ」


アクルスの言うエルフと文明は相性がいいという事。

それはどういう意味なのか。


それについてはアクルスが説明してくれる。


「分かりやすく言うと、魔法で銃の命中精度を上げたりとかな」


「マジ!?そんな事出来るの?」


「ああ、他にも火ぐらいは起こせるしな」


「魔法自体は人間でも使える人はいますけど」


「エルフは人間よりも感受性が高いからな、それが理由だろう」


アクルスが言うのはエルフは人間よりも感受性が高いという事。

つまり霊的な能力に優れるという事である。


人間でも一部の人が信仰している精霊信仰がエルフでは一般的だからとも言うそうだ。


「そう言われると種族の違いって分かるなぁ」


「外から見たら偏見でしかないが、本人達はそれが普通なんだ」


「アクルスも精霊信仰をしているんですか?」


「一応な、私の剣技は魔法というか精霊の力も借りている」


「やっぱりそこはエルフなんだね」


霊的なものへの感受性は人間よりも遥かに優れるという。

そのため精霊などに限らず、幽霊なども普通に見えるのだとか。


そのため事故が起こった現場などに行くとその手のものが見えるそうな。


「私も仕事で事故の現場などに行くのだが、よく怨念のようなものは見ているな」


「それ普通に怖いんだけど」


「霊的なものへの感受性が強いからこそだな」


「やはりそういう現場は怨念などは普通にいるんですか」


「今までの仕事から分かるのは、未練は確実に漂っているという事だな」


未練、事故で不本意ながらも死亡した人達の感情。

アクルスはそれらと向き合ってきたのか。


「さて、私はそろそろ次に行く、また聞きたければオフにでも来い」


「エルフだからこそって事もあるんだね」


「若い人達も大変という事ですか」


そんな近年のエルフの事情。

寿命の長さこそ違うが、根本的には変わらないのだと思った。


やはり偏見はあるという事も。


世界には知らない事がたくさんある。

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