いつまでも先生
流の騒動から少し、アフィも少し落ち着いたのか仕事に精を出す。
そんな中でも時間を見つけてはきちんと休んでいる。
やはり自由に生きているのがアフィなのだ。
そういう今日は恩師と遭遇したようで。
「ん、んー…やっぱり何もないのが一番平和だよねぇ」
「ですね、騒がしいのもいいですが、いつもの日々が一番です」
「最近は涼しくなってきたし、季節も変わっていくね」
すると見覚えのある顔がこっちに歩いてくる。
それは恩師のレーメル先生だったようで。
「久しぶりね」
「先生、今日はオフなの?」
「まあね、それで外で飲もうかと思って」
「変わりませんね」
「アフィも変わってないようで安心するわよ」
ちなみに飲むと言ってもお酒は飲めないので、ジュースだったり。
レーメルはお酒に弱いので、少し飲んだだけで潰れてしまう。
なのでジュースを飲みつつ酒の肴をいただくのだ。
「最近は忙しそうだったわね」
「あー、確かに忙しくはあったね」
「こっちは夏休みでずっとゴロゴロよ、やっぱり休みは最高ね」
「レーメルは変わりませんね」
「そりゃそうよ、ゴロゴロして暮らすために働いてるんだから」
オフの日は干物状態のレーメルらしい考えではある。
家ではラフな格好でジュース片手にネット三昧だ。
ネットはまだ発展途中の技術なのにすでに使いこなしている凄さを感じる。
「そういえばレーメル先生ってパソコン買える程度にはお給料もらってるの?」
「ああ、あれは奮発しただけよ、実際はそんな高給取りでもないわよ」
「本当に休みの日と仕事の時は別人になりますね」
「オンオフの使い分けってやつよね」
「あたしこの人に教わったんだよねぇ、教え方が上手いのかあたしが凄いのか」
アフィの今があるのもそんなレーメルがいたから。
それには感謝しているものの、レーメルの生活を知っているとやはり凄いと思う。
教師としてはもちろん、人としての自堕落っぷりにも。
「誰だって出来るなら楽して生きていきたいものよ」
「そりゃそうなんだけどね」
「だから他人の金で食う飯は美味いのよ、飲み会は飯を食べるために参加してるし」
「お酒は飲めませんからね、レーメルは」
「そうそう、だから飲み会=食事会、それが私の考えよ」
レーメルは普段は断るものの、食事が食べられる場合には積極的に参加する。
逆に飲む方がメインの場合はキッパリ断る徹底さだ。
他人の金で食う飯は美味い、だからこそ食事がメインではない場合は断るという。
「でも飲み会で食事ばかり頼むと嫌がられない?」
「レストランで食事を食べて何が悪いのよ、寧ろ飲み物ばかり頼む方が失礼よ」
「一応食事処ではありますけど」
「飲み会でお酒が飲みたいだけの人なんか知らないわよ、私は食べたいの」
「飲み会の主催者から嫌われそうな発言だなぁ」
確かにアフィの言う事も尤もではある。
とはいえレーメルは食事がしたいので、そんな空気はガン無視で料理を頼む。
元々結構食べる方なので、料理の量も多いらしい。
「レストランで料理を頼んで何が悪いのかしら、本当に意味が分からないわよ」
「それは単に飲み会で料理ばかり頼むからなんじゃ」
「お酒なんてウェイどもが勝手に騒ぎたいだけの口実よ、私はお腹が減るの」
「どこまでもゴーイングマイウェイを貫いてますね、本当に」
「外食って美味しいじゃない、だから私は料理が食べたいのよ」
まさにレーメル節と言うべきか。
お酒が飲めないからこその姿勢なのだろう。
料理を頼むのはレストランなんだから当たり前だという考えである。
「お酒が飲めない人間を誘うならそれぐらい許容しなさいよ、ったく」
「飲めない人も大変なんだね」
「料理を頼むと嫌われるとか意味が分からないわよ、馬鹿なの?」
「飲み会っていう名目だからでは?」
「お腹が空いたら食べたくなるのは当然よね」
そんなレーメルの愚痴をしばらく聞かされたアフィ。
それから少ししてレーメルは家に帰っていった。
レーメル節全開だったのを聞いて、アフィも安心していた様子だった。
レストランは食事をするところです。




