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盗賊団の噂

相変わらずいつものような暮らしを送るアフィ。

そんなアフィには覚えていない事がある。

それは幼い日に何者かに両親を殺害された時の記憶。

その日の記憶はいつか思い出すのだろうか。


「ん、んー」


「アフィ、少し肉がついてきたのでは?」


「そう?まあ運動はしてるし平気っしょ」


そんな他愛もない話をしているとメリヌが部下と話しているのを見かける。


話が終わると部下はどこかへ向かっていったようだが。


「おーい」


「あら、アフィじゃない」


「部下と何か話していたようですが、何かあったのですか?」


「その事ね、盗賊団の潜伏先を調べろっていう命令よ」


盗賊団の潜伏先。

それは今に始まった話ではないという。


昔から拠点をまめに移動して、その行方を掴ませない盗賊団がこの近辺にはいる。


その盗賊団は街道を進む商人などを遅い金品を奪っているらしい。

だが気になる話も一つある、主に狙われているのは薬を扱う商人という事。


しかも薬を扱う商人だけは殺されずに拉致されていると言われている。

それ以外の商人は大体が殺されているらしいが、不可解な話である。

なぜ薬を扱う商人だけが拉致されているというのか。


「その盗賊団って昔から活動してるんだっけ」


「ええ、私がこの街に赴任したのは8年前だから、前任者の時代からね」


「そんな昔からなんですか」


「ええ、それで昔に薬師の夫婦が拉致されたんだけど、それについては掴めていないのよ」


拉致されたという薬師の夫婦、それは国家に認められた特別な薬師だったという。

それからの情報は分かっていないが、その夫婦は最新の薬を承認させようとしていた。


そして恐らくそのまま殺害されたとみている。


盗賊団はなぜ薬を狙っているのか。


薬を求めて何を企んでいるのか。


その理由が略奪や殺人の背景なのだろうかとも。


「でもなぜ薬ばかりを狙うんですか?」


「さあ?それについては私も知らないのよ、でも薬が必要な理由があるのかしら」


「薬が必要な理由…病気の人がいるとかかな?」


「だとは思うんだけど、それを許すわけにもいかないのよ」


国としても盗賊団のやっている事を許すわけにはいかないのは当然である。

だがその背景が気になるのも確かだ。


薬を扱う商人を拉致しているとは言うが、生還したという話は聞かない。


つまり拉致された薬商人は使えないと判断されたら殺されている。

薬を必要としているであろう盗賊団とその理由。


拉致されて使えないと判断された時点で殺されている薬商人。

不可解な背景がどうにも気になってしまう。


「盗賊団が狙ってるのは薬、つまり薬が必要な理由がある、だね」


「とはいえ盗賊団を許してしまっては世間どころか諸外国にも顔が立たないのよ」


「それはそうですよね、やっている事は極悪な事ですから」


「ええ、だから今は盗賊団の移動先を予測する調査をしてるのよ」


盗賊団は拠点をまめに移動している。

つまり捕まるわけにはいかないという、それだけの覚悟があるのだろう。


だがやっている事は拉致と略奪と殺人だ。


それを許してしまえば国内にも海外にも顔が立たなくなってしまう。

だからこそ国も教会もずっと盗賊団を追っているのだ。


「その盗賊団が何を考えてるのか、薬に執着するのも病気を治したい相手がいるから…」


「だとしてもこっちとしては国としてのメンツに関わるのよ」


「犯罪者を長く捕まえられずに、それも今でも被害者を出し続けていますからね」


「そう、だから技術が進歩した今の時代だからこそ好機なのよ」


確かに盗賊団はメリヌが言うには30年は活動しているという。

そして今は技術も進歩している。


だからこそ好機なのだと確信し、調査を活発化させているのだ。


「まあいいや、あたしも気になるし話せる範囲でまた何か教えてね」


「話せる範囲でね」


「盗賊団が薬を求める理由、どういう事なんでしょうか」


「長年の悲願、今こそ果たして見せる」


そんな不可解な盗賊団の行動。

薬を求めているのは明らかな手口。


なぜそこまでの事をしているのかは国の調査が暴くと信じたい。

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