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エロイドの武勇伝

相変わらず自由に生きているアフィ。

それでも夫や恩師にはある程度心配されている。

とはいえ仕事は誠実にこなしているため、信頼は得ている。

そんな今日はエロイドが子供達に何やら話している場面に遭遇する。


「最近暑いね」


「もう夏ですよ、そりゃ暑いですよね」


「こんな時は解放的になりたいねぇ」


そんな話をしながらアイスを食べていると、広場で子供達の声がする。


何かあったのかと思い見に行ってみる事に。


「あれ、エロイドだ」


「今終わったようですね」


「なんだ、アフィとシエスタか」


「子供達に何を話してたの?」


「いや、大した話ではないぞ」


とはいえそれが気になる様子のアフィ。


エロイドが言うには今までに倒した強い敵を教えて欲しいとの事らしい。

エロイドは武者修行という理由で旅をしているらしく、今はこの街に滞在している。


そして今までにも多くの強い相手を倒してきたという事らしいが。


「あたしもそれ聞きたいな」


「はぁ、アフィは年甲斐もなく子供っぽいな」


「いいではありませんか」


「少しだけだからな」


「やった」


まずは何から話すか考える。

そこで最初に話すのは植物の生い茂る地での戦いだ。


「あれは植物が生い茂る地で倒した巨大なトカゲのような奴だな」


「巨大なトカゲ、そんなものがいたんですね」


「ああ、分厚い肉が斬撃を阻むので口の中に飛び込み内側から斬り裂いた」


「そんな倒し方までしたんだ、凄いね」


「あれはなかなかに強敵だったぞ」


次に話すのは山頂で戦った火の鳥の話。

その火の鳥は何度でも蘇るそうで、今でもたまに挑みに行っているという。


「山で戦った火の鳥は実に強敵だった、飛ぶ相手との戦いはやはり苦しいな」


「火の鳥…また凄いね」


「そいつは高速で突っ込んできたり、炎を身にまとっていたのでとにかく厄介でな」


「そりゃそんな相手はきついですよね」


「それでも私はそいつを地に伏せてやったさ、おかげで飛ぶ相手への経験も得られた」


エロイドはそういった強敵を打ち倒してきたのだ。

本人が言うには強さを求めているという。


そして次は砂漠で戦った巨大な蛇の話。

その蛇は鱗が硬く、刃を通すのに苦労したらしい。


「砂漠の大蛇も実に強かったな、弱点を突かねばあれは斬れなかった」


「大蛇、またいろいろだねぇ」


「だがどんな堅牢な守りにも必ず穴はある、それを見つけるのも戦いだ」


「確かに硬い鎧に刺突剣が有効なのは隙間を突くからと言いますよね」


「そうだ、そうした弱点を探すのも戦いにおける強さに繋がる」


シエスタの言う硬い鎧には刺突剣。

つまり僅かな隙間でもそれが弱点になりうるという事である。


アフィもそんなエロイドの話には感心する。

次は荒野で戦った飛べない鳥の話だ。


「荒野で戦った飛べない鳥はとにかく足が速くてな、挑発して倒してやった」


「飛べない鳥か、ダチョウみたいな鳥かな」


「そいつはとにかく足が速い、だから気を引きこっちに向かわせてザックリだ」


「つまり怒らせるという事ですね、なるほど」


「冷静さを奪うというのは人間でなくとも通じるものだぞ」


そういった今までに戦った相手達。

それはエロイドが強さを求めるからこそ挑める相手なのだろう。


だがエロイドはなぜそんな強さを求めているのか。


「それで強さを求める理由ってなんなの?理由はあるんだよね」


「理由か、昔故郷をある大型の鳥に滅ぼされてな、そいつを追い求めている」


「大型の鳥ですか?」


「そいつは世界中を飛び回っていると聞く、いつかそいつを倒すためだ」


「それで強くなりたいって思ってるんだ」


故郷を滅ぼした大型の鳥。

それは世界中を飛び回るという。


エロイドはそれを倒すために強さを求めている。


だからこそ強い相手の噂を聞いてはそれを倒しているという。


「だがあれから一つ思ってな、世界を移動するより一ヶ所に留まり迎え撃とうと」


「そっか、世界中を飛び回ってるから」


「こっちから待っていた方が可能性はあるからな」


「それは確かに考えとしては正しいですね」


「もし噂でいいから聞いたら教えてくれ」


それについてはアフィも約束する。

エロイドの故郷を滅ぼした大型の鳥、それはどんな相手なのか。


それに遭遇する日は来るのか。


強さを求める理由は確かにある。

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