表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/65

腰痛のパン屋

いつものように仕事に励むアフィ。

今日も街の人からの頼まれ事をこなす日々を送る。

メルクが仕事などは管理しているので、無理はさせてもらえない様子。

そんな今日はいつもお世話になっているパン屋が腰痛になったそうで。


「旦那様~、今日のお仕事何かあるでしょ?」


「ええ、いつもお世話になっているパン屋に湿布薬を届けてください」


いつもお世話になっているパン屋、それは王都にある小さなパン屋だ。


そこの主人が腰を痛めたようで、湿布薬を作って欲しいと奥さんから頼まれていた。


「あそこの旦那様も結構な歳だよね、湿布薬でいいんだね?」


「はい、出来れば1ダースぐらい欲しいと」


「1ダースかぁ、そんなに作れるだけの材料あったかな」


「そんな難しいものでもないですよね?材料は全部近所で確保出来ますから」


「仕方ないね、少し採りに行ってくるよ、お昼すぎには帰るから」


「分かりました、ではお弁当を持っていってください」


「あたしは子供じゃないよ、でも美味しいから持っていくけど」


「それと医術学校から軟膏薬を納品して欲しいというのもありますからね」


「はーい、それじゃ先に湿布薬の材料採りに行ってくるから、いってきまーす」


街の外に材料を採りに行きそれを使って薬や食べ物などを作る。

それが街の人からの主な頼まれ事だ。


また炭鉱夫から爆薬などを頼まれる事もある。

材料はストックしていても気づいたら足りなくなっていたりもするのが悩みらしい。


ちなみにアフィは剣術も達人のレベルなので、一人でも弱い魔物程度なら負けない。

とはいえ保険はかけておくタイプではある。


「お、エロイドだ、いいところに、少し手伝ってよ」


「アフィか、また護衛をしろというのか?お前なら護衛などいらんだろうに」


「保険は必要でしょ?」


「やれやれ、それできちんと金は払ってくれるのだな?」


「うん、いつも通り銀貨10枚でいいよね」


「承知した、では行くぞ」


「先に行くなー!」


そうして近所の森に行く。

そこで湿布薬に必要な薬草や水を確保する事に。


「それにしても錬金術とは面白いな」


「エロイドはそういうの興味ある?」


「そうだな、私も優れた刀が欲しいからな、それに必要な金属を作れたりするか?」


「出来なくはないよ」


「とはいえ鍛冶屋のエルメナが休日しか下りてこないからな、頼んではいるんだが」


「エルメナは気難しいからねぇ、でも評判はいいよね」


「ああ、だからこそ頼みたいんだが」


「とりあえず根気よく、かな」


「だな、説得はしてみせるさ」


そんな話をしつつ薬草と水を確保する。

その足で街へ戻り湿布薬を作る事に。


エロイドに約束通り銀貨10枚を渡し一旦別れる。

そのまま工房兼自宅へと戻る前に公園で渡された弁当を食べて腹ごしらえをしておく。


「今日はフィッシュサンドか、とりあえず食べちゃおうかな」


「おや、アフィさんじゃないですか」


「ありゃ、カイトだ」


「相変わらず旦那様のお弁当なんですね」


「まあね、遠出しないのに渡されるからさ、一応きちんと食べるけど」


「それにしてもカイトは相変わらずみたいだね」


「ええ、さっきも大型の獣を倒してきました」


「ふーん、無理はしないでね、薬とか必要なら作ってあげるから」


「気持ちだけ受け取っておきますよ、それでは」


「悪い人じゃないんだけど、評判は悪いよね、性格が悪いからなんだろうけど」


そんな事を考えつつ弁当のフィッシュサンドを平らげる。

そのまま家に戻りすぐに湿布薬を作り始める。


必要な材料を釜に投入して作業開始。

少しして湿布薬が完成する。


「よっし、出来た!」


「ではそれをパン屋の主人に渡してきてくださいね」


「はーい、それじゃ行ってくるね」


その足でパン屋に向かう。

いつも世話になっている店で、主人とも昔からの仲である。


「お邪魔しまーす、頼まれてた湿布薬持ってきましたよー」


「あら、アフィちゃん、もう出来たのね」


「はい、これです」


「ありがとう、これで旦那も少しはよくなるわ」


「ここのパンはうちの定番だからね、元気でいて欲しいもん」


「ありがとうね、それじゃこれは報酬、ジャムサンドとお金を少しね」


「どもっす、それじゃ旦那様が元気になったらまた買いに来るね」


「ええ、ご贔屓にね」


そうして家に帰る事に。

まだ日はあるので、酒場に出向いてみる。


「マスター、何か依頼とか来てる?」


「アフィか、旦那が仕事を管理してるのにいいのか?」


「危険じゃなければ大丈夫でしょ」


「ならこいつはどうだ?」


「クリスタルの納品、銀貨40枚か、ならすぐに渡すよ、これでいい?」


「ほう、仕事が早くて助かるぜ、ほら、報酬の銀貨40枚だ」


「どもっす、臨時収入ゲットだぜ」


「そういや近々俺の弟もここに戻ってくるんだ、そっちも出来そうなら受けてやってくれ」


「分かった、その時はよろしくね」


そのまま家に戻り次の仕事に取り掛かる。

医術学校からの軟膏薬の依頼だ。


こういう仕事の日々が今はとても楽しいのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ