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美しい毛並み

カイトが入院している頃、アフィは仕事をこなしつつ変わらぬ生活を送る。

そんな中エロイドと出会い時間を潰していた。

アフィはエロイドに気になっている事をぶつけてみる。

それは亜人という種族の事。


「ねえ、エロイドって亜人なんだよね」


「そうだが、それがどうした」


「その毛並み凄く綺麗だよね」


亜人、それは人間に動物の特徴を持つ種族。


獣の色がもっと濃い種族が獣人と呼ばれ区別されている。


「それは亜人特有だろうな、手入れなどもしている」


「ふーん、それで亜人と獣人って具体的にどう違うの?」


「人間に近い種族が亜人、獣に近い種族が獣人だな」


「なるほど、それでエロイドは亜人なんだ」


そんな話をしているとレーメルがこっちを見つけてやってくる。

どうやら学校での仕事が早くに終わったそうだ。


「おや、アフィ、お前は相変わらず暇そうにしているな」


「あ、先生、暇そうとは失礼だね」


「こいつはアフィの恩師と言っていた人か」


「そういうあんたは亜人の侍か、ふむ、確かに美しい毛並みだ」


エロイドの毛並みについては街でもよく言われている。

ちなみに亜人は獣の姿になる事も出来る。


それにより逃走する際に相手を油断させたりも出来る。


その変化能力は亜人特有のものらしい。


「そういえば亜人は獣に変化出来ると聞いたが」


「出来るな、こんな感じにな」


「本当に狐になっちゃったよ、凄いね」


「獣人にはない能力らしいからな」


「ふむ、これはぜひモフりたいものだな」


獣の毛並みをモフモフするのは癒やし。

レーメルはそんな事を言いつつエロイドを見る。


とはいえエロイドはそういう扱いをされるのは嫌らしい。


ガネクトが見たら卒倒しそうな光景ではある。


「全く、私は人にモフモフさせてやるほどお人好しではないぞ」


「それだけ美しい毛並みならさぞかし癒やされると思うんだがね」


「先生ってそういうのにはうるさいもんね」


「それで私にぐらいはモフらせてくれないのか」


「断る」


エロイドはモフられるのは嫌いなのだろう。

だからこそよけいにモフりたくなるのか。


アフィは平気とはいえ、本人の事も察してなのかあえて言わないでいる。


レーメルはモフモフに弱いのは学校の時から知っているわけだ。


「だが亜人か、人に近い種族という事もあるからな」


「ああ、出産なども基本的には人間と変わらん」


「そうなの?でも身体的には人間と変わらないから納得かも」


「私も亜人については知識は多少なりともあるが、そこまで詳しくもないしな」


「そもそも亜人は身体的な特徴以外は人間と変わらんぞ」


エロイドは人間と亜人の違いは分かっている。

とはいえ亜人は人間に比べ身体能力が高い。


それは動物としての能力だという。


だから走ったりして亜人に人間が勝つのは難しいとも言う。


「でもエロイドを見てても分かるけど、身体能力じゃ勝てそうにないよね」


「そこは種族の違いと割り切るしかなかろう、亜人は獣の特徴も併せ持つからな」


「そうだな、私も学校で亜人の生徒を見たが、身体能力は明らかに違っていた」


「種族というのは結局は適材適所だ、人間はその知識や頭脳で貢献すればいい」


「それが私のような人間に出来る貢献、か」


エロイドの言う事も尤もではある。

種族によって得意な事は異なるのだ。


エルフは魔法や弓に優れ、獣人は力に優れるといったように。

だからこそ苦手を克服するより得意を伸ばせというのが教育における基本だ。


アフィもレーメルもそうした教育を受けて育ったからこそ分かる事でもある。


「さて、私は家に帰ってゴロゴロするか、お前達も遅くまで遊ぶなよ」


「アフィはいい教師に恵まれたな」


「あの人はあれで優秀だからね、出来る人だよ、本当に」


亜人についての知識は多少なりともあるわけで。

人間に近い種族と獣に近い種族。


それは同じようで違う種族でもある。


亜人と獣人を間違えると怒られるのです。

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