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神殿騎士の仕事

いつものように仕事をこなしつつ変わらぬ日々を送るアフィ。

そんな中巡回中のメリヌと遭遇する。

国の騎士団は警察の役割もあるのだが、聖騎士団し神殿騎士団は犬猿の仲。

それでも国を守ろうという気持ちだけは共通なのだが。


「仕事も終わったし何か食べに行かない」


「それはいいんですけど、太りますよ」


「運動はしてるんだからいいでしょ」


すると部下を数人連れたメリヌの姿を見つける。


どうやら街の巡回をしているようだが。


「おーい、メリヌー」


「あら、アフィ」


「仕事ですか?」


「ええ、巡回のね」


「神殿騎士団も一応国の組織だもんね」


神殿騎士団は教会に所属する組織、言うならば国の管轄とは別の組織だ。

聖騎士団は王国直属の組織であり、国の威信を背負う組織でもある。


一方の神殿騎士団は国には所属していないが、世界各地にその組織がある。


教会というのも総本山の事であり、その教会から国に派遣されている者達だ。

流などの出身の東の国などは宗派が違うので、派遣される人数も少ないという。


この近辺の国は大体がその教会の宗派の人が多い。


そのため主にこの近辺の国に神殿騎士団や教会の聖職者が多く派遣されているらしい。


なおメルクは教会で働いてこそいるものの信者の一人に過ぎない、この国の民である。


「あたしも一緒に行ってもいい?」


「別に構わないけど、何かあっても責任は取れないわよ?」


「アフィはチンピラ程度に負けたりしませんから」


「アフィさん、強いですからね、下手な騎士より強いと思いますよ」


アフィはこれでも剣術にも長けている。

しかも騎士団の使う剣術とも違うので、独特な強さがある。


カイトの剣やエロイドの剣術などもそうだが、みな独特な剣を使う。


神殿騎士団と聖騎士団の剣はそれぞれの騎士団に伝わる剣術でもある。

隊長クラスになってはじめて教わる剣術もあるそうだ。


「責任っていうのは過去の経験から分かってるよ、だから行く」


「なら好きにしなさい、商業区は終わったから、これから下町に行くわよ」


「下町ですか、あそこは一部ガラの悪い人達もいるんでしたね」


「そうなんですよね、国に不満を持ってる一部の連中が横暴で困ってるんです」


アフィ達も知っているのだが、下町には貧しいと嘘を言って税金を払わない民がいる。

もちろんそれはごく一部で、主に若い連中らしい。


下町の大人達もそんな若者を冷たい目で見ているらしく、関わりたくないと言っていた。


とりあえずメリヌ達と一緒に下町に行く事に。


「やれやれ、早速出たわね」


「騎士様がこんなところになんのご用ですかね」


「ただの巡回です、それとも仕事の邪魔をしますか」


「下町は俺達で守れるって言ってんだ、騎士様の助けなんか必要ねぇんだよ」


「ふーん、それにしても綺麗に整備されてるよね、この下町」


「何が言いたい?」


「別に何をしようとかはいいけどさ、国の庇護は受けるくせに国に文句言うとかないよね」


「んだと!」


「国の仕組みって知ってる?国民の義務とか運営の仕方とか」


「それがなんだよ」


「知らないならいいよ、困るのはその時になれば分かるし」


「このアマ!女だろうと容赦は…」


「弱い犬ほどよく吠えるよね、そういう人ほど自分が正しいって疑わないし」


「アフィ、あなた本当の事でも煽りすぎ、構う必要はないわ、巡回を続けるわよ」


「はーい、あたしも無駄な喧嘩はしたくないしね」


「おい!話は終わって…」


「それでは」


吠える若者達をよそに巡回を続ける。

すると街の大人達に声をかけられる。


「お疲れ様です」


「ええ、若者達は変わらないのね」


「あいつらは反抗するのが正しいとか国は間違ってるとか言うんですよ」


「それは別にいいの、いつか痛い目に遭えば分かると思うし」


「大人達は冷ややかなんだね」


「思い上がりは若さ故です、国もそれは理解していますよ」


「だといいのですが」


「では今後も巡回をお願いしますね」


「はい、お任せを」


そうして巡回を終えて教会に戻る。

そこでメリヌから少し愚痴を聞かされた。


街の巡回は一応聖騎士団と神殿騎士団が交互に行っている。


犬猿の仲とはいえ仕事はお互いに出来る事をしている。


不仲とはいえお互いの仕事には踏み込まないのが流儀なのだ。

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