第13話 氷の女王
僕は最近日常と化している咲良と東華の奏でる怒号を右から左に聞き流し、本を読みながらくつろいでいた。
「いや、香月……なんで、この状況でくつろげんの?」
翔陽が化け物を見るような目で僕を見てくる。
仕方ないなぁ…こんなトラブルを平然と乗り越えられる人生の教訓を教えてやるか…
「翔陽……人間諦めも肝心だ!」
「あきらめたらそこで試合終了だぞ!?」
全くこれだから運動部は。
なんでいつも根性論でなんとかしようとするんだ…はぁ
「いや、なんで俺が面倒な奴扱いされてんの!?なぁおかしいよな…雪野、篠崎、藍ちゃん!」
「「黎『黎くん』『お兄ちゃん』の方が正しいよ!」」
「ほらな、翔陽」
「納得できない!」
僕達がそんなたわいない話をしていたら厄災はやってきた。
「ここに生徒会書記の香月はいるか?」
「あっやばい死ぬ……」
今勢いよく扉を開けて入ってきたのは…
「今きたのは井伊崎氷香先輩…奴はわが学園の生徒会長であり、また周りへの態度から氷の女王と恐れられ『へぇぇぇ!』」
藤崎お前っ…出番が欲しいからって自分から死にに行くことはないんじゃ…
「そうかそうか氷の女王か~」
「すいません嘘です!許して下さい…ほら貴方も謝りなさい香月!」
いきなり口調変えるな、そして巻き込むな…
「まぁいい。香月を借りるぞ!生徒会の仕事だ。」
そう言うと彼女は僕に向かって歩き出してきた。
それを止める非常識な女!
我等が雪野・アレクサンドラ・咲良!
「先輩今私達はお昼ご飯をイチャイチャしながら食べてるんです!邪魔しないでください!」
先に咲良が仕掛けたぁぁァアー!
正直ただの悪徳クレーマーだがこれは対処しづらい。
後、イチャイチャはしてない。
「咲良さん初めまして…お近づきの記念にこれを…」
「こ…これは…どうやってこれを」
「生徒会主催のイベントの時に…」
「貴方は素晴らしい人です。生徒会の仕事なら仕方ないですよね!」
即落ちですね。買収されました。
何を使ったか分からないがこれは凄い。
大富豪のご令嬢を買収という圧倒的なパワーワード。
そしてこれで僕の死亡が確定…
「それじゃあいくぞ後輩!」
「はぁ…分かりましたよ先輩」
・・・・
そして僕達は生徒会室に入った。
すると、突然おこるガチャッという音。
どうやら先輩が生徒会室の鍵をしめたようだ。
そして先輩は目を潤ませ「やっと二人きりになれた。」といい、魅惑的な瞳で僕を見据え近づいてきた。
女子高生にしては発育が少々進みすぎた体を僕の背にすり寄せ、熱い吐息をこぼしながら彼女はこう言った。
「香月く~んまた、私やらかしちゃったのかなぁァア~!?」
この先輩ある意味面倒くさいんだよなぁ。
井伊崎 氷香 【いいざき ひょうか】
この先輩との関わりは僕が高校1年の時まで遡る。
あるとき僕は学校に忘れ物をしてしまい、東華と別れてひとりで学校まで戻った時があった。
「あぁ筆箱…筆箱…あったぁ!」
その時はすぐに忘れ物を見つけることができ、一安心。
家に向かってラン・アウェイしようとした時、異変は起こった。
誰もいないと思っていた隣の教室から薄気味悪い声が聞こえてきたのだ。
「また、私……た…………かな…ぐすん」
怖いなぁ怖いなぁと思ったが、放置する方が夢に出てきそうで逆に怖い。
僕は瞬時に気配を出来るだけ消して、窓から中を覗いた。すると、熊さんのぬいぐるみに話し掛ける生徒会の井伊崎先輩がいた。
今思えばそこから逃げ出せばよかったのに泣いている人を見過ごせない僕は後の面倒ごとになる先輩に話し掛けてしまったんだよなぁ。
「あの~大丈夫ですか?」
「ふぇ!?ひやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「あの落ち着い『見たのか……』」
「えっと……」
「見たんだな?」
「見たような見てないような……『貴方を殺して私も死ぬゥゥゥゥ!!』」
「冷静沈着な氷の女王の異名は何処に行ったぁぁァアー!?」
まぁこのようなハプニングがあり、今に至る。
ざっくり言うと仕事をしているときはいつも堂々としている彼女は実は凄い小心者なのだ。
仕事は割り切れるから大丈夫らしいがそれ以外は人とのコミュニケーションができない色々悲しい女の子だ。
そしてこの件のせいで愚痴につきあう&友達になる約束を半ば強制的に結ばれてしまった。
しかも生徒会にごり押しで推薦までしやがった…
トランプですらそんなごり押ししないぞ!!!!
で、今日のように時折強引に理由をつけては呼び出してくるようになったと…はぁ
もうほんと勘弁して欲しい。
「ねぇねぇ聞いてよぉー!」
今日もやっぱりトラブルばかり。
人生諦めが肝心だとやはり悟った香月でした。
はぁ……
to be continued !
疲れたぁぁァアー!
あっ…皆さんサッシーの作品をよろしくね!
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評価は少し下にあるよ!
追伸 もうそろそろ神や魔王と最弱の召喚士書きます【多分!】




