第10話 嫉妬は怖い【後編】
「翔陽、あいつらの狙いは挟み撃ちで、ボールを行き来させて僕達の体力を削ることだ…」
「そうはいってもどうするんだ。俺達には逃げの一手しか…」
「キャッチするんだ。そうすれば僕達が持ってる間は休憩できる!」
「なるほどな分かった!俺に任せろ相棒!」
「頼むぜ、相棒!」
・・・・
僕達は2対18というこのドッヂボールをいまだ逃げ切っていた。
※見方は寝返っている模様
風を切り裂き行き来する、僕らの命を刈り取る形をしたボール。
※そんなものありません。
日頃体育をなぁなぁで済ませる男子達はこの時だけはいつもと違い本気をだしていた。
迫り来るボール・したり顔の担任・女子の濁った視線・屑の心底嬉しそうな笑顔。
主に担任のせいで僕達の集中力はすり減り、当たり前のことを当たり前に答えるという、上のような精神状態まで陥っていた。【担任くたばれ!だから、独身なんだよ…人のこと言えないけど】
そして、ある時を境に戦局は大いに傾いた。
「ふっ…ここは俺がでるしかないな」
ばかな、やつがここで動くなんて…
「おっお前は確か……満点取太朗!?」
「誰だよそのテストの回答欄の名前に書かれてそうなのは!?藤崎だよ!ふ・じ・さ・き!!!!」
今素晴らしいツッコミを披露してくれたのは、藤崎 まひろ
花園曰く、顔はそこそこなんだけど色々残念なやつという評価らしい。
「そんな余裕があるのは今の間だけだ……」
なんか雑魚キャラっぽい台詞を吐くと満点取太朗はおもむろに何故かつけていたリストバンドを落とした。
すると、めり込んだりしないがまぁまぁ重そうな音を立て、地面に落下するリストバンド。
すると、周りから上がる歓声【男子のみ】
「まさか…お前いつもそんなものを」
「ばかな!?お前はその域に至っているというのか……」
「蒼きリストバンドを纏いて嫉妬荒れ狂う戦場に降り立つべし。古き言い伝えは真であったか。」
ずっと思ってたけどうちのクラスって……
いや、やめよう……
「驚いたか!これが俺の真の実力だ!」
うん、驚いた。わざわざ時間を使ってくれてありがとうございます。
「刮目せよ!これが全日本ドッジボール選手権全国大会を観戦した俺の力だぁぁぁぁァアー!」
なんか、分かんないけど藤崎が強キャラ感を醸し出してる。
てか、観戦しただけかよ。
「受け止めれるなら受け止めて見やがれ、これが俺の全力だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァアー!!!!!!!!!!!!!」
うなりを上げて迫りくるボール。
真っ直ぐに僕を狙って放ったようだ。
残り時間はもうない。このボールを避ければ、僕達の勝利は確実だろう。
だが、
「頑張って黎-【くん】!」
ここで逃げたら男じゃないよな!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
普通の動きじゃ間に合わない。
考えるな、感じるんだ。
ボールが切り裂く風の音を、やつが狙う位置を…
「ここだぁぁァアー!」
狙いは的中し僕はボールを受け止めた……
「まだだ!」
と思ったらボールには強い回転がかけられ、僕の腕の中から離れていった。
(あと少しなんだあと少しで勝てるんだ)
今から走っても間に合わない!
僕が悔しさで唇を噛んでいると、
「任せろ、相棒!」
翔陽が走りだしボールを掴んでいた。
「ばかな…あのボールを受け止めるなんて…完敗だよ。この勝負」
藤崎は負けたはずなのに清々しい笑みを浮かべた。
藤崎は僕に向かって手を伸ばしていた。
きっとこの対戦で僕達はわかり合えたはずだ。
僕が藤崎に手を伸ばそうとした瞬間、後ろから二人分の衝撃が襲った。
「やったね黎くん!さすがだよ!」
「黎~!やったね!今日は一日中添い寝してあげよう!」
すると、後ろからは黄色い声援が
「「「さすが翔陽くん!かっこいい!」」」
その様子をみた男子達は思いを一つにした。
【リア充滅べ!慈悲はない!】
to be continued !
ふ…データがさよならバイバイしたときには焦ったぜー作者のサッシーです!
妹が勇者更新いたしました!
神や魔王まだです!
最弱の召喚士パトスがあふれるあまりまとめれてません。
すいませんでしたぁァアー!!(゜-゜*;)オロオロ(;*゜-゜)
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評価はすぐ下にあるよ~
ではでは、サッシーは俺が好きなのは妹だけど妹じゃないを読んできます!




