0話 不幸の訪れと金色の果実
俺、リエル・カエラは元日本人だ。
そう、ラノベにありがちな転生だ!
やっぱりチートもついてるよな!
そんなことを俺も思っていたんだよ。
だが現実はそんな甘くない、俺はただの村人になった。
そんな現実を思い知ってから幾年が経ち、俺は今日15歳の誕生日を迎える。
まあただの村人が強くなるなんて無理だし、せめて楽しく生きようと思っていた。
だけどこの日を境に俺の人生は大きく変わりだすことになる。
「カエラ!若いお前だけでも逃げ延びてくれ!」
自警団の団員が言う。
なぜこんなにも団員が焦っているのかというと
ファンタジーの、ド定番のオークの群れに村が襲われているのだ。
ラノベなんかでは主人公にバッサバッサ倒されていくオークだが村人にとっては恐ろしい魔物。
村人の唯一の便りどころである自警団の団員たちが次々と倒されていく中で村人たち全員が逃げることは不可能。
だから村で若い俺だけでも逃がそうというのだ。
「いや・・・でも・・・」
「でもじゃない!お前が逃げてこの村の血筋を繋げてくれ!」
「わかった!だけど、死なないでくれよ!」
「おう!みんな、カエラのためにも頑張るぞ!」
生き残っている団員たちから「おう!」といった掛け声が聞こえてくる。
だが口であぁやって言っているが最初からたいして数が減っていないオークに勝つというのは俺の目から見ても無理というのはわかっている。
悪い・・・村のみんな・・・
オークから逃げ延びるため俺は走り出す。
ただひたすらに足を動かして・・・
あれからどれほど走っただろうか?
もうオークの姿は見えない。
逃げ切ったのだ!
あの死神たちから。
そろそろ休憩しなくては・・・辺りを探してみると丁度いい洞窟があった。
この洞窟でいいか・・・
もう動けそうにない・・・
俺は深い眠りについた。
知らない天井だ・・・
ここは?
・・・・・・・
そうだ!思い出した。
オークから逃げて・・・
この洞窟を見つけたんだ。
それで眠ってしまったのか。
あの時は疲労感で洞窟の中を確認しなかったから、確認しておかないと・・・
魔物の巣窟とかだったなんてことがあったらたまったもんじゃない
俺は立ち上がると洞窟の奥へと歩き出した。
少し歩いてみると、錆ついた扉があった。
なんでこんなところに、扉が?
慎重に扉を押してみるとギギギと音を立てながらゆっくりと開いていく。
中の部屋にはなんと新鮮な金色の林檎のような果実がたくさんおいてあるではないか。
さっきの扉の感じからして長年この部屋に人が入った形跡はない。
なのに腐っていないとはどういうことだろうか?
そこまで考えたところで
グゥゥウと腹の虫が鳴く。
昨日から何も食べてないからな・・・
洞窟のあたりに食べられるようなものはなかった気がするしこの果実を食べるしかないか・・・
毒がないことを祈ろう
試しに一度かじってみる。
・・・・・
ん!これは!
果実の甘みが口いっぱいに広がる!
しかも瑞々しい!
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へ?