17話 イメージと違う・・・
豪華な装飾が施された扉が開き・・・
身長190cmはあろうかという巨体に服の上からでもわかる引き締まった肉体。
想像とまるで違う皇帝の姿に俺たちが呆気に取られていると皇帝は口を開いた。
「よぉ!お前ら二人が、あのダンジョンを制覇したんだろ?」
「え・・・?さ、さようでございます」
「・・・私たちが制覇しました」
皇帝、それも賢帝って話題なぐらいだからもっと年寄りの落ち着いた雰囲気の人かと思っていたが・・・
「そう畏まるな。無礼講でいい」
「いえ、そういうわけには・・・」
「大丈夫だ。それにお前あんまそういう言葉遣い慣れてないだろ?」
口調がおかしくて誰?って思うかもしれないから教えておくが上から、皇帝、俺、ルナだ。
「分かりました。いや、分かった」
「ん・・・分かった」
「それでいい。いやぁ皇帝っつー立場上家臣に同じこと言っても『その様な言葉遣いは・・・』の一点張りだからな」
「当たり前だろ」
「そうかぁ?まぁいい。ガウェイン、この二人がダンジョンを制覇したってのは紛れもない事実なんだよな?」
「間違いございません」
「そうか。ガウェインが言うなら間違い無いんだろうな。それよりガウェイン今この部屋に家臣はいないんだしお前もその堅苦しい喋り方止めろよ」
「ははっ、皇帝陛下サマに言われちゃ逆らえないな」
なんか、仲がいいなこの二人。
「二人、仲いいな」
「ん?実はな、ダク、皇帝と俺は昔同じ学園に通ってたんだ。冒険者パーティーも良く組んでクエストを受けたりもしたなぁ」
「おいおい、皇帝が冒険者なんかしていいのか?」
「こっそり城を抜け出してやってたんだ、一回執事にバレて怒られたこともあったな。懲りずに続けてたけど・・・」
大丈夫かよ、この皇帝・・・
まぁルナから聞いた話だと行政にも力を入れていて、暴政が目立つ貴族の爵位剥奪とか、税の引き下げとか、孤児院の設立とか色々してるみたいだから大丈夫だろう。
・・・
多分。
「さてカエラ。お前クエストでダンジョン制覇したんだろう?報酬をやらねぇとな」
「ん?そうだったな。10000000000タールだっけか」
「おうよ。白金貨10000枚だ。」
「そんなに払って大丈夫なのか?他にすることあるんじゃないのか?」
「大丈夫だい。これぐらいじゃ国庫はビクともしねぇよ。もちろん他にもすることはあるが国内にあるダンジョンが未制覇ってのはかなりの損害だぞ。他国に軍が弱いと思われることだってある。帝都の近くにあるならなおさらだ」
そういうもんか。
政なんてしたことなんかないからわからないが。
「ほら。この中に白金貨10000枚ぴったり入ってる」
そう言って皇帝は小袋を投げてきた。
こん中に?
あぁ魔法袋か。
異世界の定番だよな。
「魔法袋ごと貰っていいのか?」
「当たり前だろ。逆にどうやって持って帰るんだよ」
「それもそうだな」
「それともう一つ報酬だ。」
「まだあるのか?」
「《翔龍勲章》だ。これを胸元に付けてるだけで、この国では男爵と同じぐらいの権力を持てる。付けといて損はないぞ」
爵位としては上から
王族・大公・公爵・侯爵・辺境伯・伯爵・子爵・男爵・準男爵・騎士伯 だ。
騎士伯は一代限りだ。
どちらかというと名誉って感じだな。
「そんなもの俺なんかに上げていいのかよ」
「大丈夫だ。そんな沢山の人に授与してねぇしな。それとルナにも同じものをだ」
「ん・・・ありがたき」
「それとカエラなんか欲しいものあるか?できるものはやるぞ」
「そうだな・・・じゃあ俺に国の厄介ごとを押し付けないってことを誓ってくれ」
「それだけでいいのか。分かった。友好国にもお前のこと伝えておく」
俺はのんびり旅をしたいんだ。
「じゃ!二人ともたまには会いに来いよ。」
「おうよ」
「ん・・・」
気さくな皇帝だったな。
嫌いじゃない、あの性格。




