15話 お披露目会 2
俺の魔法を見せた後はルナの番だ。
「ん、次は私の番」
「わぁ~」
パチパチパチパチ。
ちょこんと座って拍手をする俺。
「まずは・・・《攻縛茨棘》・・・」
「あ、俺受けるよ」
受けても大丈夫だろう、多分・・・
「分かった・・・行くよ?《攻縛茨棘》」
すると足元から四本の棘が生えてきた。
刹那の間に四本の棘はそれぞれの手足の前に迫っていた。
背後には岩壁ができている。
棘は手足に巻き付くと岩壁に突き刺さり、がっちり固定された。
拘束能力は当然高いがじわじわとHPも減少している。
確かにいい発想だと思う。
「大丈夫・・・?」
こう聞いているが表情は変わっていないから念の為聞いただけなのだろう。
「あぁ、大丈夫だ」
「・・・なら、もうちょっと・・・《氷固》」
頭だけを残して、腕、胴体、足は氷に覆われた。
凍る直前に、新たな棘が一本生えて、胴体にも巻き付いたのでダメージ量はさらに上がっている。
氷に覆われるため拘束力も格段に跳ね上がる。
凶悪な魔法だなぁ・・・
まぁ・・・
俺は抜け出せるんですけどね。
ふんっ!
俺が筋肉を膨張させるとバキバキッという音を立てて氷が割れ、ブチッという音と共に棘も切れた。
「さすが・・・これを抜け出せるとは思っても筋肉の膨張だけで抜け出せるとは思わなかった・・・」
「スキルに《筋肉強化》とかいうスキルがあるからなぁ・・・」
「次の魔法・・・《心削穿矢》。できればモンスターに試したい・・・」
「ん?そうか。分かった、捕まえてくる。ちょっと待ってろ」
そこには「・・・?」と首を傾げるルナが残っていた。
「たっだいま~」
「おかえり」
捕まえたのは狼型の魔物だ。
尻尾が九つに分かれている。
なんというか狼と九尾の狐の中間みたいな魔物だ。
犬歯を剥き出し、こちらのことを睨めつけていて、まさに敵意アリ!って感じだ。
「・・・モンスターを捕まえるなんて、常識外れ・・・」
「そういうもんか。まぁいい。じゃあこいつにやってみてくれ」
「ん、分かった。《心削穿矢》」
すると影の矢が現れた。
影の矢ってなんだって思うかもしれないが、実際影なのだ。
向こう側が透けて見えるのだが矢の形をして暗い。
前世じゃ考えられないような光景だよなぁ。
そんなことを考えていたら影の矢が飛翔し、俺が手で尻尾を掴んでいる狼の腹部に刺さった。
すると今までバタバタと暴れていた狼が急に大人しくなった。
目からも光が失われている。
「ん・・・これは名前の通り精神、心にダメージを与える魔法・・・少し魔法の構造を変えると記憶を無くすこともできる・・・」
「おぉ、怖ぇ魔法だな。記憶って辺りを考えると《無魔法》の応用か?《無魔法》は洗脳とかができたはずだ」
「当たり・・・この魔法、異常に精神が強いか魔防が高い生物以外には効く・・・
精神系の魔法か・・・
今度創ってみよう。
「最後の魔法・・・《反撃幻》、これは名前のまま反撃の魔法。カエラ軽く私に攻撃しようとしてみて・・・」
「分かった」
言われた通りに右手で軽くジャブをする。
するとルナが魔法を発動したときに纏いだした薄い膜がパンチを繰り出してきた。
「なるほど、攻撃に自動的に反応してくれるんだな、便利だなぁ」
「弱い敵だとこれだけで倒せる・・・楽ちん」
雑魚処理がめんどい時のために似たような魔法を創っとくのもありかな。
「お互い今回創った魔法を見せ合ったことだし街に帰るぞ」
「ん・・・」
こういう平和な日もいいなぁ。
・・・
魔法開発が平和なのかは分からないけど。




