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11話

7話のウェンディが詠唱の説明の際に使用する魔法を変更しました。


ライト→ウィンド(光属性→風属性)

「知らない天井だ」


この言葉をこんな短い期間で使うとは思わなかった。目を覚ますと自分のベットとは違うベットで寝ていた。


「目が覚められましたか」


そう声をかけてきたのはルナリアだった。彼女はベットの横の椅子に腰かけていた。


「ここは?」


「ここは医務室です。ラク様はあの後気を失ってしまったので私がここに運びました」


「そっか、ありがと」


「いえ、それより体調はどうですか?二日も眠っていたのですよ。とても心配しました」


ルナリアは心配そうに俺を見つめてきた。


俺は二日も眠っていたことに驚いた。そんなにあれが体に堪えたのだろうか。


体を起こし軽く腕を回したり手を握ったり開いたりをしてみるそして、体のどこも痛くなく気分も悪くはない。二日も眠っていたにしては体のどこにも異常はなくいつもと同じだ。


「いや、全く異常はないよ」


ぐぅ~


「・・・おなか以外は」


「ふふ、それでは食事を用意しましょう。こちらに運びましょうか?」


「いや、体に異常はないし食堂で食べるよ」


俺はベットから降り軽く伸びをした。


「じゃ、行こっか」


「はい」


そして、空腹を満たすために食堂へと歩いていった。


本当にどこにも異常はないようで普通に歩くことができた。


あんなに痛いことをしたのにどこも異常はないだなぁ。


俺がそう思いながら歩いていると食堂に着いた。


ガチャ


「おはようございます」


食堂に入ると王様以外のみんなが集まっていた。


「ラク様!大丈夫なんですか」


リリシアが椅子から立ち上がり気遣わしげに聞いてきた。


「ああ、全く問題なし」


ぐっと親指を立てて見せる。


「よかった。ラク様が倒れられたと聞いてとても心配しました」


「体のどこにも異常はないし大丈夫、大丈夫」


「え?」


「?」


リリシアがなぜか不思議そうな顔をしたので俺は首を傾げた。


「・・・あの、ラク様鏡をご覧になりましたか?」


「いや・・・」


「ラク様、こちらを」


ルナリアが手鏡を渡してきたのでそれを受け取り見てみる。


うん、いつも通りのフツメンだな。


「ん?」


だが、何か違和感があった。


「髪が白くなってる」


そこに映っていたのは髪の毛が白く変色した俺だった。


何でと考えたがすぐに思い当たった。


適正属性を増やすときの激痛だ。痛みは一種のストレスだとテレビで見たことがある。そして、ストレスにより髪が白くなったのだろう。


「・・・確かにすっげー痛かったけどこの年で白髪って」


「とてもお似合いですよ」


「確かに、似合っているぞ」


「・・・中二病」


「ぐはっ!」


西園寺の遠慮のない言葉の刃が俺の心をえぐってきた。


俺も思ったよ中二臭いと。でも、他人からそう言われるとかなりくる。


「・・・えっとそれでその髪は」


西園寺の中二発言で俺が肩を落としているとリリシアが遠慮がちに聞いてきた。


「ああ、痛みによるストレスでこうなったんじゃないかなっと」


「痛みですか?」


「リリシア様、まずは朝食をとってはいかかでしょう」


リリシアの問いに答えようとしたらルナリアが止めた。確かに腹がかなり空いている。


「そうですね。ラク様もお座りください」


リリシアは座り直し食事を再開した。


――――――


「ごちそうさま」


朝食に出されたパンを三回、スープを二回お替りした俺は満足した。


「それでは、説明していただきましょう」


先に食事を終えたリリシアが食後の紅茶を飲みつつ待っていた。


「ああ、実は・・・」


俺はリリシアに何をしたのかを話した。すると、リリシアは目を大きく見開き驚いた表情をした。


「ウェンディを呼んできてください。それと、適正水晶を」


リリシアは先生を呼んでくるようにメイドに言った。適正水晶は多分あの適正属性を知るための水晶のことだろう。


「どうしました、姫様?」


少しして先生が来た。そして、リリシアは先ほど俺が説明したことを先生にした。


説明を聞いた先生は先ほどのリリシアと同じように目を見開き驚いていた。


「ありえません!適正属性を増やすなど!」


「それを知るために適正水晶を持ってこさせたのです。ラク様お願いします」


メイドが適正水晶を机の上に置いた。そして、リリシアが俺に水晶に触れるようにお願いしてきた。なので俺は水晶に手を置いた。


パキッ


ん?


手を置いた瞬間水晶から不穏な音が聞こえた。


パキッパキッパキッ、パリーン!


その音は徐々に大きくなりついに水晶が割れた。


「「な!」」


「「おお」」


「ラク様!」


水晶が割れたことに驚いたのがリリシアと先生、何がよかったのか感嘆の声をあげたのが西園寺と九条そして、素早い動作で俺の傍に来ると手を取り怪我がないかを確認するルナリア。


「お怪我はありませんか!」


「あ、ああ、大丈夫」


いきなり手を取られびっくりした。俺の言葉を聞き安心したようでルナリアはほっと息を吐いた。


「これはどういうことですかウェンディ?」


「・・・適正水晶が割れるなど聞いたことありません」


先生は少し考える素振りをした後俺のほうを向いてきた。


「アカハ様、すいませんがあなたが本当に適性を得ているのか確認するために魔法を実際に使用してほしいのですが」


「いいよ~」


先生の申し出はありがたい。死ぬ思いで適性を手に入れたのだ早く魔法を使ってみたい。


「それでは魔法が使える場所は訓練場ですか。この時間ですとまだ騎士たちは訓練をしていないはず・・・」


「ああ、訓練の時間までもう少し時間がある」


九条がなぜそのことを知っているのだろう。


「お前が寝ている間に私は騎士の訓練に参加していたのだ」


「ちなみに私はウェンディのところで魔法の研究をしてる」


顔に出ていたのだろう俺の疑問に九条が答えてくれた。さらに、西園寺もついでとばかりに答えた。


「なるほど」


「では、行きましょうか」


「私もついて行く」


「私も」


九条と西園寺も来るようだ。


俺たちは立ち上がり訓練場にまで移動する。


「俺も行く!」


あ、いたのねイケメン君

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