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1 婚約破棄しました。

また、婚約破棄ものを書いてしまった。

次は、違う物を書こうと思う。





「アラン様、お金のない貴方との結婚は考えられないの。婚約を破棄させてくださいませ。」

緊張で、痛いほど握りしめた手が震える。


「イレーヌ、僕を愛してるって言ったのは、ウソだったのか? ずっと一緒に居たいって言ったじゃないか!」

アランは、信じられないことを聞いたという顔をしている。

驚いた顔をしても、アランは美しい。銀にちかい金色の髪に少年ぽさを残した美しいかんばせ、琥珀の瞳は、戸惑った光を浮かべている。


「あのときの気持ちは本当よ。でも、没落する貴方と結婚する訳にはいかないじゃない。ドレスも首飾りも買えないわ。それにね、トレーニ伯爵のご子息が私と結婚して欲しいと、おっしゃるの。」


(だって、お金がないアランと結婚する訳にはいかないじゃない。)


 アランとイレーヌは、幼い頃に家同士が決めた婚約者だった。

このまま何事もなければ、来春に結婚式を挙げる予定だった。

が、アランの父、オーガス子爵が友人にだまされ、多額の負債を負ったのだ。


「イレーヌ、女ったらしのフィリップか? それででいいのか?」

「ええ、トレーニ伯爵は、お金持ちだわ。フィリップ様も素敵な方よ。貴方との婚約破棄の賠償金も支払ってくださるって。」


「金の切れ目が縁の切れ目というのか! 君がそんな女とは思わなかった。女ったらしのフィリップが、君に似合いだな! 死ぬまで、君のことは許さない。」

アランは、今まで見たことのない憎しみのこもった目で、イレーヌをにらみつけた。


「ええ、貴方に許してもらおうとは思ってないわ。どうぞ、死ぬまで憎んでちょうだい。」と、にっこりと笑った。


笑ったのが、気に障ったのか、

「君って、女は!!!」

激高したアランが、頬を打った。


「女に手をあげるって、最低だわ! 私の前に二度と現れないでちょうだい。」







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