2/2
01.仕組まれたラグナロク
「ーはっ⁉︎」
暖かい何かに包まれながら僕は目を覚ました。周りには、頭に葉? がついた人間が僕を囲んでいた。
「ひっ‼︎」
思わず声を上げる。ここはどこだ? 僕はなぜこんなところにいるんだ。見渡すと緑に包まれた空間。なんとも言い難いふわふわとした感覚に襲われた。
「怖がらないで、私たちは敵じゃない」
一人の女の子が近寄ってくる。見た所同じ年だろうか。
「私は葉緑体A....この細胞の長を務めている者」
「よっ葉緑体⁉︎ 何を言ってるんだ‼︎ 君は人間じゃないのか!」
「自分の頭を触ってみて」
頭をさする。
「⁉︎」
何か異物があるような気がした。そして「それ」が何かを理解するのに時間はかからなかった。
「植物が....生えてる⁉︎」
「そう、あなたは葉緑体になった。....受け入れて」
何が、何がどうなってるんだ。僕の頭では理解できなかった。いや、誰でも理解することはできないだろう。
「長‼︎ 壁が、ハドリアヌスの壁が破られます‼︎」
門番らしき人間、いや葉緑体が叫ぶ。
「ついに来た....ラグナロクの軍勢が」
そして葉緑体Aは言う
ー総員、戦闘準備