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葉と言う名のディストピア
「今日の生け花はこれぐらいにしておくかな」
生け花は美しい、特に葉が美しい。葉に刻まれた葉脈はまさにラビリンス。出口がないそれは僕の心を引きつけるには十分だった。
「葉太郎君、もう部室閉めるよ!」
「はーい、 ....ん?」
机から手を離すと生け花の葉に手が当たっていた。そしてその葉はひらひらと舞い僕の太ももをかすった。そしてそれは制服をも切り裂き頸動脈を一刀両断した。真紅に濡れる葉。それは僕の太ももの悲惨さを物語っていたー。
「うわ⁉︎ うわわわわわわわわわわ‼︎‼︎」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
意識が薄れゆくなかで真紅に染まった葉は僕の心に出口のない
ーラビリンスを刻み込んだー