第2話 初めての異界の夜
初夜(野宿)
レオルが夜景を楽しみ始めて約10分が経過したころ...
「レオル君、いつまで楽しんでいるつもりー?」
博士のちょっと怒ったような声がとんできた。
「あっごめんなさい博士。」
レオルは高ぶった気持ちを落ち着かせ、反省した。
「まぁしょうがないよねー、人間始めてみるものには目を惹かれるし」
はしゃぐ子供を見るかのような顔の博士はあたりをキョロキョロと見渡しはじめた。
「うーん、何処だろうなー」
「博士、何をしているのですか?」
「んー…」
あちらこちらを見て、漁って、掘り返して、探っている。
「何か探しているのなら手伝いましょうか?」
「んー……」
「あの、博士?」
「あ、あった。」
どうやらお目当てのものが見つかったようだ。
「あったって、いったい何があったんです?」
「レオル、人間が時間を知るためには何を使う?」
質問に質問で返され、若干困惑したレオルであったが、どうやら答えにたどり着いたらしく
「そりゃあもちろん時計でしょう」
と当然であるとばかりに答えた。
「正解! あそこを見て」
彼女はそういいながら指差した。そこには大きな時計台があった。
「幸いなことに、この世界の時計は私達いた世界のものと同じようだね」
円の中に長針と短針、秒針があり、12つに区切られている標準的なものがあった。
「異世界といっても時間の測り方は同じってわけですか。」
ほっとしたレオルだったが次の瞬間、あたりに赤く長方形の看板が出てきた。
それは空間投影型ディスプレイというものだがそれを彼らが知る由も無く。
「博士、これはいったい何ですかね?」
「おー、凄いね!これ欲しいなぁ」
「何かのイベントですかね?」
「イベント? だったら楽しみだね!」
などと暢気に見ていたのだが、そこには《閉館時間》とかかれてあった。
「博士、閉館時間って書いてますよ?」
「あれ、私達ここにいたらまずかな…?」
博士の声と同時にレオルは時計を見ると時計は23時になっていた。
「いつの間にもうこんな時間なんだ」
「警備がくるとめんどくさそうだからどこかに隠れて野宿しようか」
博士の意見にレオルも賛成し2人は高台を下りて、木がたくさんあり隠れるにはもってこいの所に行った。
博士の言ったとおり警備員があたりを巡回し始めた。
しかし、よく見ると人間ではなく警備ロボットが警備をしていた。
「この世界って結構技術が発展しているのですね」
レオルが感心していると横からゴーグルをした博士が
「ふーん。でもあのロボット結構ぽんこつかもね。私が作ったほうが100倍すごいのができるよ!」
なにやら自慢げに言う博士だった。
「しかし博士、野宿と言ってもテントを張るんでしょう?音で気付かれませんか?」
「心配しなくても私に任せておいて!」
博士がバックからそこそこ大きく四角い物体を出した。
そしてそれを置き、ボタンを押した途端、一瞬で音も立てずに2人分のテントができた。
「すごいこんなのいつ作ったの?」
博士がテントに手をあてながら
「これは発明が行き詰った時に気晴らしで作ったんだよ。まさか使う日が来るとは思わなかったけどね」
「気晴らしで作れる物なんですね……」
中を覗くと意外にも広く、荷物と共に2人も中に入った。
博士が何処からともなく出した双眼鏡で遠くの時計をのぞいてた。
「もう0時かー。じゃあ今日は遅いから寝よっか」
レオルも買い物の疲れがあり今すぐ寝たいところだった。
「そうですね。俺も疲れましたし、おやすみなさい」
「おやすみ」
すでに博士は寝転がっていたので邪魔にならないように横になった。
が、次の瞬間博士が抱き枕を抱えるかのように抱きついてきた。
「ちょっとなにすんですか!?」
「だって普段離れて寝てるし、こんな機会めったにないからさぁ」
「いやだからっと言っても!やめてくだしあ…」
はなれようと動くが博士の腕はまったく動かなかった。
気にせず寝ようとするも博士のその豊満な胸があたって、それが柔らかくて心地よくて、気になってしまい全く眠れない。
どうやっても離れないので、おおきな双丘が形を変えて何処とはいわないが刺激してくる。
どうにかして離れようと画策すること十数分。離れる気配を全く見せない。
さらに数十分後、博士が寝たことを確認したレオルは抱きつきから逃れようとするも博士の胸がこすれその度に
「んっ…」だの「あっ…」だのとエロい声をだす博士に対し悶々としてしまい、結局力がはいらず抜け出すことが出来なかった。
その夜は諦め寝ようとするが博士の寝言が色々な意味ですごすぎて(全部レオルとの関係)まったく寝付けず朝を迎えたのであった。
感想とかあればお願いします。