第10話 和みの食卓
1話分飛ばしてました申し訳ございません
しばらくして英莉も料理を取り終わり3人で食事をともにしていた。
「それにしてもレオル君今日の試験はすごく楽しかったですね」
なにを言うかと思えば嫌なことを思い出させること英莉は告げた。
「そ、そうですね」
思い出すだけで受けた傷みがよみがえる感覚を覚えた。
「それはそうとどうして私の剣戟をあれほど確実にどう防いだのですか?」
「あーあれは特技と言うかなんというか」
「歯切れがわるいですね。何かの秘儀とか人には教えられないなにかですか?」
「英莉さん模擬戦の時何か気づきませんでしたか?」
あごに手を当て英莉は今日の模擬戦のことを思い出してた。そして何かに気づいたかのように目を見開いた。
「あなたは攻撃を防ぎましたが攻撃はしてこなかった。したとしても距離をとるために刀をふるっただけでしたね」
「正解です。情けないながら僕は攻めが得意じゃないんです」
えっ!?と驚く英莉無理もない武術を極める学校の試験合格者が攻めが得意でないという時点で驚きだ。
「昔から喧嘩でも何でも僕は反撃もできなければ自分から攻撃もできない。もし自分の攻撃があたって相手が傷つくことを考えちゃうんで父さんに剣をならっても攻撃はいつまでたってもできずじまいだったんです」
聞いていた英莉もポカーンとしてしまっていた。
「でもそれとあの特技になにか関係が」
「ここからが本題です攻撃はできなくても防ぐことはすごくうまいって父さんが言ってくれたんです。だから父さんは自分自身を守るためにあの技を教えてくれたんです」
昔のことを思い出しながら言っていたのかレオルは気づくと笑っていた。
「ですが防ぐのがうまいからといって簡単に習得はできないと思いますが」
そうただこれがうまいと言われただけで技を習得できればくろうはないだが……
「たしかにそうだけどレオルには人並みはずれた反射神経があったんだよ」
話を聞いていたエミリが言った。
「昔はドッチボールでレオル一人だけになったときとか誰も当てられずに時間だけが過ぎた時もあったね」
エミリは腹を抱えながら爆笑しながら言った。
「それはそれで中々すごいですね」
英莉も笑いをこらえながら感心していた。
「あまり思い出したくないのでその話やめてください!博士そのせいで俺それ以来ドットボール誘われなくなったんで」
場が和やかな空間になっていった。
「てなわけで俺は英莉さんとの模擬戦中は集中力全開で防ぐので精一杯でしたからそれに体力の消耗が激しいんです」
「なるほどそれで時間がたつにつれて技の精度が落ちていったんですね」
なぜか英莉はまだがんばって笑いをこらえていた。
「あの~がんばってこらえなくても」
落ち着いたのか英莉は笑顔で
「ですが防ぐことしかできなくても学校で腕を磨いていけばできるようにはなっていきます」
「そうですかねぇ」
少し不安が残るも教官が言うのだから大丈夫なのだろうと思えた。
「がんばってください」
その台詞と一緒にとんできた英莉の笑顔がレオルにはまぶしく感じた。
「では私は失礼しますね。やることがありますのでぜひ楽しんでいってください」
と言って英莉はそこを立ち去った。
「レオルさっき英莉さんにがんばってって言われた時ドキドキしてたでしょ?」
「い、いやそんなことは」
「してたんだ~」
博士はレオルの両肩をつかみ前後ろに揺らした。
「私のときももっとドキドキし~て~」
「してるよ~!あ~やめて~」
そんなわけでにぎやかな食事は終わった。
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