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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第4章 リザードマン編
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大変ご立腹のご様子です

 「コア、敵が途切れたら逆茂木の中に罠1-7を2つ並べて設置」 「ん」

 「敵に見られないように、死体を吸収」 「ん」

 正面からの弓隊を囮に、暗殺しまくって、6体の侵攻部隊を倒した。後続が切れたタイミングを見計らって、罠の設置と死体の吸収を済ませておく。

 「6体を倒して、こちらの被害は全くないとは、さすがでございますな、ジャー」

 族長が褒めてくれたけど、被害がでると赤字だから、ウチの戦いはいつもこんな感じです。


 「次は矢避けの盾でもかざして強行突破かな?」

 少し時間が空いたので、向こうも策を練ってるはずだ。

 「いえ、たぶん円月槍を使った対空防御かと、ジャー」

 「へー、そんなのあるんだ」

 「幹部クラスだと使えるようですな、ジャ」

 「なら、並べて前に出して、後ろから兵隊さんが柵を壊そうとするのかな」

 「そう思われます、ジャー」

 「なら弓隊は、現状維持で。隠密隊は無駄弾は打たないで、防御が切れたら打ち込んで」

 「了解した、各自、残弾に注意せよ」 「了解っす、残りMPであと6体ってとこっす」

 こちらが待ち構えているところに、再度突入してきた。


 「今度はまとまって6体か。どこに撃っても当たるぞ、撃てーー」

 ロザリオ隊の射撃と、息の合ってきた「下弦の弓月」の弓兵の射撃が降り注ぐ。

 「させるか、風車陣、ジャジャー」

 先頭の2人が幹部クラスらしく、円月槍を頭上で回転させて、矢を防いでいる。範囲外に飛んだ何本かが後続の兵隊に刺さるが、ダメージは少ない。

 そのまま前進して柵に取り付こうとした瞬間、幹部2人が落とし穴に落ちた。

 カチッ カパッ  「「ジャーーー」」 ドサッ チクッ  「「毒ジャー」」

 「今だ、狙え、撃てーー」

 「そこっす」  「ギャギャ(ここね!)」

 落とし穴に落ちた幹部2人を助けようとした兵隊4体は、降り注ぐ矢の中で死角から致命傷を受けて沈んでいった。

 穴に落ちて毒針を受けた幹部2人は、弱った身体に鞭打って、這い出ようととしたが、矢の牽制でそれも出来ず、やがて力尽きた。


 「これで12体か、あとどれくらい来そうかな」

 「本拠地の守りに15は残すとして、多くて18ぐらいかと、ジャー」

 それならどうにかなりそうかなと、考えているとコアから警報が響いた。

 「くる!」


 地底湖に繋がる階段を駆け下りて、それは姿を現した。

 黒い刃を振りかざし、禍々しい鎧に身を包み、八艘飛びに逆茂木を飛び越えてロザリオの前に降り立った。

 「ゴブシロード、推参」


 「ゴブシロウ?!」  「ごぶー」

 「鬼じゃ、鬼が来よったです、ジャー」

 「うわ、最悪っす」

 「キュキュ?」

 親方達は知らないか、見かけたのも進化するまえだもんね。今のゴブシロウは種族でオーガーになっているので、体格も迫力も、以前の2倍はある。

 右手の太刀と呪われた鎧はそのままだけど、もう1本、逆腰に剣を携えているね。こっちは洋刀っぽいけど、どうせガチャ謹製の魔法剣かなにかだろうね。侍のゴブシロウにわざわざ持たせてるぐらいなんだから。


 「ほう、歯ごたえのありそうなのが来たようだな、主殿、抜刀の許可を」

 ロザリオがやる気満々で声をかけてくるけど、困ったね。

 「いや、ちょっと待って、なんでゴブシロウがここに居るの?」


 「その名は幼名にござる。元服後の名はゴブシロード、主君は「女帝マリア」いざ尋常に勝負!」


 「その勝負受けた。我が名はロザリオ、北風の守護者として仕えし者なり。我が剣は主の敵を切り裂き、我が盾は主を守るためにある!」


 「「トヤアアアア」」


 2つの刃が交差する直前、地底湖に警告音が響いた


 「警告します、その交戦はダンジョンバトル規則第9条3項において禁止されています。故意に違反した場合には罰則の対象になりますのでご注意ください・・・繰り返します、その交戦は・・・」


 「なんと?!」  「どういうことだ?!」

 「やっぱりね、ゴブシロウ、あ、今はゴブシロードだっけ? がまだマリアの眷属ならあと1年は僕らとは戦えないからさ」

 

 以前にマリアと僕はワタリの主権をめぐってダンジョンバトルを行い、僕らが勝利した。勝敗に関わらず、一度ダンジョンバトルをしたダンジョン同士では戦闘自体が1年間禁止されるんだ。

 なんでもダンジョンバトルで弱めたところで通常戦力で制圧する裏技を禁止する為に作られたルールらしいけど、今回はこれに抵触している。


 「マリアがゴブシロードを手放すわけないし、おかしいと思ったんだよね。なんでこんなとこで用心棒侍の真似事してるの?」

 刀を収めたゴブシロードに聞いてみた。

 「武者修行にござる」

 なんとも彼らしい答えが返ってきた。

 「もちろんマリアに許可をもらってだよね」

 「以前の戦いの敗因は拙者の慢心でござった。汚名を雪ぐ為に主に許しを願っての修行旅でござる」

 「そうか、ご愁傷様です」

 「どういう意味でござるか?」

 その答えが地底湖に木霊した


 「ちょっとゴブシロード、なにやってるのよ。委員会から警告が来たじゃない!」

 「め、面木御座いません」

 その場で土下座するゴブシロード

 「で、どっちが先に仕掛けたの?」

 「拙者にございます」

 「ちっ」

 舌打ちしたよ、こっちが先打ちだったら絶対あとで違約金とか言い出してたね。

 「とにかく飛鳥人に手を出したらダメよ、罰金高いんだからね」

 「御意」

 「あと一度戻ってらっしゃい、次のカモのあてができたから」

 「御意。お手を煩わせて申し訳ござりませぬ」

 「それはもういいから、急いで戻るのよ。あんたはウチの主力なんだからね」

 「御意!」

 

 「弥生から飛鳥に格上げ?されてるね」

 「罰金なかったらやっても良いってことすかねえ」

 「主殿もカモにされそうになったのか・・・」

 「ねぎー」

 DPの推移

現在値: 1832 DP

スキャン:x1 -1

設置:馬止め柵x12 -120

召喚:スケルトンファイター・アーチャーカスタムx4 -240

変換:特殊短弓x9 -135

変換:短弓用矢(10)x9 -135

設置:毒針の落とし穴x2 -150

吸収:フロスト・リザードマンx6 +270

吸収:フロスト・リザードマンx4 +180

吸収:フロスト・リザードマン・エリートx2 +160

残り 1661 DP

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