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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第3章 オーク編
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豚骨ラーメン

 「ころん」

 「あ、五郎〇が落ちたね」  「ん」

 「ミサト、今いったの五郎〇だから。電撃しないであげて」

 「ピュイ!」

 急に落とし穴が開いて、足を踏み外したらしい。作動した後の罠には味方も影響を受けるからね。

 下は水だから冷たいだけでダメージはないはず。耐寒もついてるしね。

 あれ猪って泳げたっけか?


 玄関ホールに移動した小隊長以下3体のアイスオークは旋風刃の罠を発動させてしまい、重傷を負ったみたいだ。アップル&五郎〇との乱戦でお互いに負傷していたので、小隊長も瀕死に近い。アグー達を送り込んで、止めを刺させた。

 玄関ホールの戦闘音を聞きつけて、後詰の部隊が来ると面倒なので、すぐに皆には十字路に戻ってもらう。死体はコアが吸収して、残った装備だけ、アップル達がかき集めて運んだ。


 中央ホールは、敵の最大戦力が固まっているので押され気味だね。すでに2体のスケルトンファイターが倒されてしまった。ただし、順次、コアに召喚してもらってるので、数は変わらない。

 スケルトンの無限湧き、怖いよね。そろそろ相手の士気も下がってきたはず。アップル達の準備が整い次第、増援を送り込む。



「「オレたちの夢をかえせええブヒ」」

 女エルフ騎士への妄想を打ち砕かれた戦士が、2人同時に骸骨女?騎士??に斬りかかっていった。

 俺は別にエルフ騎士にはこだわらねえが、あれだけは無しだな。

 小隊長は一拍置いて特技を発動してから突っ込む体勢だ。その慎重さがあいつを救った。

 敵の骸骨女騎士が裂帛の気合を放つと、床に仕掛けられた罠が発動して、突撃した2人が転落していった。激突音が聞こえなかったから、かなりの深さの落とし穴だろう。戻れたとしても戦闘が終わったあとだな。

 どこかに罠を作動させた監視役がいるに違いねえ。奥の部屋を見通すと、奇妙なものが見えた。

 「ありゃあ、なんだ?ブヒィ」

 天井から下がった紐に、背中に刺を生やした珍妙な生き物がぶら下がっていた。

 置物かなにかだろうか・・・

 その一瞬の空白の間に、床の穴を飛び越えて骸骨女騎士が小隊長と切り結んでいた。

 こいつ見かけより数段強いぜ。小隊長クラスじゃ歯が立ちそうにない。

 「おい、3人ほど行って助けて・・」

 命令しようとした俺の視線の端で、ホールの4隅で彫像のように固まっていた骸骨戦士が動き出したのが見えた。

 「ちっ、やはり骸骨はお仲間ってことかい、ブヒィ」

 急いで隊形を整える指示を出す。

 「2人ずつで迎え撃て。足元には気をつけろよ、ブヒィ」

 「「了解でブヒィ」」

 俺も戦士一人とコンビを組んで1体の骸骨戦士を迎え撃つ。迎撃にしたのは分散するのを警戒したのと、うかつに踏み出すと落とし穴をくらうかもしれないからだ。ざっと見たとこ、この部屋には罠はなさそうだが、精査したわけじゃねえからな。

 戦士に初撃を譲って、盾で防がれたところを俺が止めを刺した。

 倒すには倒したが、こいつら防御に徹していて戦いづらい。今も戦士の攻撃を盾でいなし、俺の斬撃を回避しようとしやがった。戦士2人だと、手間取るかもな。

 そう思って状況を把握しようとホールを見渡すと、小隊長が切り倒されるのが見えた。

 「2合で小隊長を倒しただと、ブヒィ」

 奴を自由にしたら戦線が一気に崩れる。俺が奴を引き付けるしかねえ。


 「フウ隊長!ブヒ」

 後ろから隊員の警告が聞こえた。

 振り向くと、そこには床に浮かび上がる白い魔法陣があった。

 こいつは、召喚魔法か?

 瞬く間に魔法陣の中央に新たな骸骨戦士が湧き上がった。

 「フウ隊長!こちらもです!ブフウ」

 首尾よく1体の骸骨戦士を倒したチームからも同じ声がする。

 「畜生め、無限湧きかよ、やってらんねええぜ、ブヒィ」

 


 「戦闘の最中に余所見はいかんな、命に関わるぞ」

 ロザリオはそう言いつつ手近のアイスオークを切り倒した。

 相方が倒された戦士は、振り向きざまロザリオに斬りかかるが、それは盾でいなされてしまう。隙を見せた戦士に骸骨戦士が斬りかかり、ダメージを与えた。前後を敵に挟まれて絶望する戦士に、ロザリオは素早く剣を突き入れた。

 「次は誰が私の相手をしてくれるのかな」



 まずいな、これでこっちは6人、向こうは5骨。俺が騎士とやりあっても、戦士じゃ1対1だとジリ貧だ。しかも無限湧きときてやがる。しかたねえ、後ろから呼ぶか。

 そう思って後衛に声を掛けようとしたとき、扉の見張りの2人が十字路に走っていくのが見えた。どうやら後衛の小隊長に先に呼ばれたようだ。

 「あっちもかよ。出口抑えられたら全滅だから文句も言えねえが、しんどいな、ブヒィ」

 今は粘るしかねえ。

 「出汁ガラみたいな騎士さまよー!俺が相手してやるぜ、ブヒィ」


 骸骨女騎士の敵意が俺に向いたのがわかった。

 しかしこの距離で殺気が圧力として認識できるとか、どこの怨霊だよ。

 「お前は確か小ワザのフウとかいう盗人の親分だったな。ケチな稼業も今日で終いだな」

 ああん、こいつ俺に喧嘩売ってんのか?!

 「テメエはバラして犬の餌にしてやるよ、ブヒィ。」

 「できるものならやってみろ、冷やし豚しゃぶ」


 二人は同時に叫んだ。

 「宿れ氷の刃、切り裂くは我らが怨敵!アイス・シャープ!!」

 「いでよ光の盾、護るは騎士の宿命さだめ!ガーディアン・シールド!!」

 「「くらえええ」」

 

   

DPの推移

現在値: 449 DP

召喚:スケルトンファイターx2 -80

吸収:アイスオークx8 +360

吸収:アイスオーク・コマンダー +80

残り 809 DP

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