表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第3章 オーク編
76/478

罠があったら食い破る

 「怖っ!」 「ぴぴぃ」

 「おいらもう夜に1人でトイレに行けないっす」

 「それはちゃんと行け」

 「ういっす」


 あいかわらずキャッチャーの仕事はホラーだったね。

 「主殿、決戦を前に味方の士気を下げるのはどうかと思うぞ」

 「キュキュ」

 「え?これ僕のせい?」

 「案山子スケアクロウをプラスしたのは主殿だろう」

 確かに、キャッチャーとスケアクロウが、ここまで相性がいいというか、化学反応を起こすとは思わなかったよ。スケアクロウも単なる自動人形リビングドールじゃなくて、精神攻撃と幻覚をともなったサイコ系の罠だったね。

 「まさか私がオークに同情する日が来ようとわな」

 ロザリオがしみじみ語っていた。


 とにかく、これでライ麦畑の監視者は排除できた。こっちの入り口はコアルームに近いから、余剰戦力が待機されてると不安なんだよね。その意味では案山子は良い仕事をしてくれたよ。

 DPもアイスオーク5体と小隊長1体を吸収できたので305のプラスになった。緊急時の召喚がこれでできるね。

 さて、突入してきた本隊は・・・



  その頃のフウ中隊は


 「玄関ホールに敵影なし、ブヒ」

 「階段との境に鉄格子が上がってます。ただし昇降器具は見当たらず、ブヒ」

 「玄関ホールで魔法戦闘の痕跡あり。旋風刃と思われます、ブヒ」

 次々にもたらされる情報を分析していた。


 「両扉に罠の形跡は?ブヒィ」

 「無いと思われますブヒ」

 「よし、もし在ったら腕立て100回な、ブヒィ」

 「ブヒヒィ」

 さて、地下墓地にしちゃあ、立派すぎる程の造りだが、エルフはこの奥らしいな。鉄格子の昇降装置は、この先にあって、タイミングみて降ろしてからの魔法攻撃か。えぐいことしやがる。

 「お前ら、エルフの魔術師がいたら速攻でつぶせ、いいなブヒィ」

 「了解でブヒィ」

 「よし、開けろ、ブヒィ」


 隊員の2人が扉に取り付き、強く押し開けると、左右に退避する。一拍おいて、今度は左右から2人の隊員が飛び出して、通路を確保していった。

 十字路の左右を戦斧の反射で確かめると、交差点の床を丹念に調べてから報告してきた。

 「この先、十字路には敵影なし、ブヒ。3方向に扉、床に落とし穴の形跡あり、ブヒィ」

 「落とし穴の作動は止められそうか?ブヒィ」

 「これもトリガーが不明です、ブヒ。どこかで監視していて動作させるタイプかと、ブヒ」

 「チッ、やっかいだな。お前ら交差点に立つなよ、ブヒィ」

 「大丈夫ブヒ」



 「まずいね、この連中プロだ」

 「押し込み強盗のっすか」

 「似たようなもんかな。盗賊スキル持ってるみたいだし」

 先遣隊がホイホイかかった罠を的確に見抜いて、避けている。半数は水牢に落とさないとアップル達に負担がかかりすぎる。でも上の階層も、まだ2小隊が包囲しているから増援も出せないし・・・

 「主殿、盗賊にからめ手は効かぬよ。ここは正攻法でいくべきかと」

 「力押しってこと?」

 「そうではなく、中央を囮にしてからの横撃を進言するが」

 なるほど、戦列を縦に伸ばしてそこに奇襲するのか。

 「了解、それで行こう。皆も準備いいね?」

 「ん」 「ギャギャ」 「グヒィ」 「カタカタ」

 「コア、ホールのスケルトンファイターに十字路側の両扉を開かせて」 「ん!」



 右か左か迷っていたら、正面の扉が開きやがったぜ。

 「くるぞ!ブヒィ」

 「了解でブヒィ」

 だが、扉が開いただけで何も起きねえし、何も出てこねえ・・・

 「誘ってやがるのか?ブヒィ」

 目で合図して、隊員の1人を開いた扉の先に送り込んだ。

 「広いホールに骸骨戦士が4体、4隅で待機してます、ブヒィ」

 骸骨戦士だと。墓守か?広いホールならもっといそうなもんだが、エルフと遣り合って数が減ったのか? 「襲ってくる様子はないんだな?ブヒィ」

 「へい、今のとこはブヒ」

 「他に出口は?ブヒィ」

 「正面奥に同じような両扉があるだけですブヒ」

 十中八九、罠だが、その誘いに乗る振りをして食い破るのもありか。

 「後ろの奴に枝道歩哨の奴を呼んでこさせろ、ブヒィ。ついでに外で待機しているウウに状況を伝えておけ、あとは奴が勝手に配置を変えるはずだ、ブヒィ」

 「ハッ、伝令いきますブヒ」


 伝令が4人の歩哨と一緒にもどってきたら、突入だ。

 2人を玄関ホールに後方警戒で残して、十字路の3方に1人ずつは置かねえとな。そこに小隊長を混ぜるか。

 ホールへの突入は、残った全員でやるとして、手前の扉の確保に2人、弾除けに先行させるのは3人でいいか。そこに小隊長を混ぜる。本体が俺様含めて8人。よし殺れるな。

 手早く配置を伝えて、後は十字路警戒の小隊長にまかせた。

 伝令と歩哨が合流したので、突入を開始する。

 「小枝のフウ、参上!」



 「なるほど、小枝こえだ小技こわざを掛けてるのか」

 「ギャギャギャ(小技って)・・・」

 最近、盗賊スキルを鍛え始めたアサマがいじけていた。

 「ギャギョギャ(下っ端よりマシですよ)」

 「ギャギャ(確かに)」

 「なにげにディスられたっす」


 敵は的確な配置で編成を済ませると、5人を後方に残して中央ホールに突入してきた。

 骸骨戦士は警戒するに留めて、中央突破を図るようだ。集団の中から2人が入り口の確保で立ち止まり、3人が速度を上げて、先行する形になった。

 すばやく奥の扉にとりついた3人が、一気に押し開けると、そこには銀色の骸骨騎士が立ち塞がっていた。


 「よく来たな、アイスオーク共。私がエルフの騎士ロザリオだ!」

 それを聞いたフウ隊長以下、中隊全員が一斉に叫んだ。


 「嘘だ!ブヒィ」


 


 DPの推移

現在値: 363 DP

スキャン:x29 -29

変換:丸盾 x8 -40

設置:スケア・クロウ -150

吸収:アイスオークx5 +225

吸収:アイスオーク・コマンダー +80

残り 449 DP

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ