表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第3章 オーク編
74/478

矛と盾

 盾が欲しい。

 防御力の高い前衛が欲しいというわけではなく、文字通り「盾」が欲しい。

 現状ではロザリオ、スケルトンファイター、アップルチームが、盾さえあれば防御力がかなり上がる。

 スケルトンファイターは、召喚時に錆びた剣と錆びた盾を持って出てくるけど、これがまたショボイ。戦闘中に折れたり、割れたりするのだ。研いだり打ち直したりしても、使い物になりそうにない。

 アイスオークの戦士達も、戦斧を両手で握って戦っていたので盾持ちはいなかった。戦利品として手に入ったのは、戦斧(青銅製)17本、戦斧(鉄製)1本、革鎧15着、硬革鎧3着だった。


 次に欲しいのが、騎馬用(正確には騎牙猪用)の馬具一式と騎乗槍ランスだ。

 ランスといっても鬼畜戦士や、ブレードに負け続けのあの方ではない。スノータスカーに騎乗して、突撃を掛けた場合に、今の石槍だと短くて敵に届かないのだ。どうせならタスクチャージとランスチャージが同時に当たるようにしたい。牙猪騎兵の夢のコンボになりそうだしね。

 馬具は、くらあぶみとハミに手綱が必要だ。これらが揃わないと騎手の体重を攻撃に乗せることができないし、騎乗中に自由に戦闘ができない。単に乗って移動するだけなら鞍と手綱で大丈夫なんだけどね。


 最後に弓か石弓。

 ロザリオが長弓を使えるし、スケルトンファイターに持たせてみても面白い。それとコマンドチームに狙撃用の石弓があると、隠密からの奇襲がさらに活躍しそう。

 矢は罠から回収して、分解すればいいから、弓本体をどうにか手に入れたい。石弓は自作は無理っぽいから後回しでいいや。


 「というわけで、戦力拡充の為に武器を作ろうと思います」

 「あぃ」

 まず最初に用意するのは、以前に取り外して卓袱台ちゃぶだいにカスタマイズしようとして忘れていた丸い扉です。

 これは直径90cmの丈夫な木材でできているので、サイズ的にピッタリです。裏面の中央に、猪の牙を2本、20cmほど間隔をあけて打ち込みます。

 半分ぐらい打ち込んで、抜けないのを確認したら、そこにバンテージを巻きつけます。しっかりと5重ぐらい巻きつけたら、解けないように結んで完成です。

 「コア、これ分解してリストに載ったら1個変換してみて」  「ん」


 変換リスト(武器・防具)

 ラウンドシールド(木製) 丈夫な木材で作られた丸盾。センターグリップで左腕も動かしやすいが、打撃を受け流す時に力が入りにくい弱点もある。 防御力:受けに成功すると+7 コスト5


 出来上がったものをロザリオに試してもらった。

「うん、これはいいな。木製なので耐久に難があるが、それ以外は文句はない」

 とお墨付きをもらえた。耐久は欠けたら新しいのを変換すれば良いから問題ないね。

 あと7個変換して、スケルトンファイターとアップルチームに配った。

 「ギャギャ」 「カタカタ」

 どうやら喜んでくれたようだ。


 ランスは、結論から言えばできなかった。

 石槍をロープで縛って、2本繋げてから分解したり、石槍の先に戦斧を縛り付けて分解してみたけど、


 変換リスト(武器・防具)

 ロングスピア(石穂先) 両手用の長槍。木の柄に石器の穂先がついていて、全長が短槍の2倍ある。

  攻撃力+6 コスト10

 グレートアックス(青銅製) 両手用の斧。木の柄に青銅の斧がついていて、全長が戦斧の2倍ある。

  攻撃力+8 コスト15


 になってしまった。ある意味、新しい武器の開発には成功したんだけれど、今は使いそうなメンバーがいない。変換せずにリストのデータだけに留めた。


 馬具は、ソリのハーネスをはずして、牙猪のサイズに調節することで、手綱の代わりにはなった。

背中に狼の毛皮を敷くことで、簡易的な鞍としてまたがる事はできたが、騎乗したまま戦闘は難しいようだ。

 今度、時間があるときにでもウェスタンタイプの鞍の自作に挑戦してみよう。


 弓も簡単には作れなかった。

 木の枝に蔦で弦を張ったものを分解してみたけど、


 変換リスト(楽器)

 木弦 木の枝に蔦を張った原始的な弦楽器。音程は一つしかでないので、リズムを変えて奏でる。


 になってしまった。武器には見えなかったらしい・・・

 「・・」


 結局、盾ぐらいしか補強にならなかったね。やはり、鍛冶や木工をまじめにやらないと武器・防具は難しいみたいだ。はぐれドワーフの鍛冶師とか、どっかにいないかな・・・

 「きた!」

 「え?まさかのドワーフ?」

 「主殿、ボケてる場合ではないだろ、敵襲だ!」

 「しまった、身体測定と武器製作に熱中していて、警戒が疎かになってた」

 「くるぅ」

 「もう目の前なのか。全員、前回と同じ場所に移動して!ケンチームはコアルームの警護で!」

 「「「 了解! 」」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ