お前には無理だ
ロザリオのお面を作ろう審査会は、後半に差し掛かった。これまでの参加者2名は、惜しくも敗退。次なる挑戦者の健闘が期待されます。
エントリーナンバー3番、ワタリの作品「鉄仮面」
「あー、土面なのに鉄仮面なのはスルーして、造形としては良くできてるね。あちこちに混ぜ込んだ赤錆が、不当な理由で獄に繋がれた囚人の無念さを表現していて鬼気迫るものがあるよ」
「ぴゃー」
「おまんら、許さんぜよ」
「あ、そっち?僕は初代の方が好みだったけど」
審査の結果はxxxで初の全否定だった。
「ば、ばかなっす」
崩れ落ちるワタリを、アシスタントのパイ&ティーが両側から支えて退場させていく。
エントリーナンバー4番、アズサの作品「狐面」
「おっと、まさかのケモ耳だ。モフモフ隊の抜け毛を再利用して耳にモフり要素を出してるのがポイントだね。狐目も少し垂れ気味で、柔らかい表情に仕上がってるよ」
「こん!」
「ほー、獣面か。確かに中途半端にエルフに似た面をつけて違和感を与えるより良いかもしれんな」
期待の審査結果は・・・〇〇〇!でました満点です。
参加者のアズサさんも嬉しそうです。どうやらこれで決まりか!
エントリーナンバー5番、まーぼーと愉快な仲間達の作品「肉球」
「これは・・・土面全体に散りばめられた大小の足跡。まるで顔の上を動物大行進されたような斬新な文様だね。あと目と口元が押しつぶされて塞がってしまって、仮面としての機能がなくなっちゃってるよ」
「ポム」
「そうか、まーぼー達が私の為に作ってくれたのか。あの足型一つ一つが激励の言葉なのだな」
さあ注目の審査結果は・・・x〇〇、おっと〇二つで合格です!
まーぼーを筆頭に、参加した獣達が喜んでいます。穴熊一家の縦回転いただきました。
相談の結果、普段の行動中は狐面を、休憩中は視界を遮られても問題ないので肉球面をつけることになった。ロザリオは睡眠は必要ないみたいだけど、休憩時間に横になっている時がある。するとまーぼーやチョビが寄ってきて、側で寝そべっていることが多くなった。
「良きものを作ってもらい、感謝にたえない」
ロザリオも満足げに2種類の仮面を大切に扱っていた。
「そう言えばロザリオってアンデッドなの?」
得意気に狐面を着けて巡回に回る女騎士を見て、ふと疑問に思った。
「さあなあ、私はいまでも自分をエルフだと思っているが、そうでないことも認識はしている」
というわけでスキャンしてみた。
エターナル・ガーディアン「ロザリオ」:永遠の守護者
種族:インモータル(不死者) 召喚ランク5 眷属化コスト125
HP 30 MP 20 攻撃力 7(ミスリルソード+9) 防御力 7(ミスリルチェイン+7)
技能:剣、弓、盾、受け、回避、不死者属性(低)、刺突半減
特技:ガーディアン・シールド(守護者の盾)
備考:守護者の盾 使用MP4 盾受け+20% 防御力+4 魔法抵抗+10%
不死者属性 恐怖・毒・病気に対する耐性
純粋な盾剣士の正統派だね。どこかで盾も調達しないといけないかな。弓も必要か。数を揃えてコマンド部隊に教えてもらうのも手だね。
話題の種族は不死者だった。インモータルと聞くと、寿命を超越した超人類のような感覚があるけど、位階の低い者も少なくはないそうだ。属性はアンデッドに近いけれど、闇属性に対する親和性と、光属性に対する惰弱性がない。寿命はないけど、破壊や消滅はされる。食事や睡眠は必要ないが、なんらかのエネルギーの補給が必要で、光合成や酸化還元などで補う者もいるとか。
「うむ、光属性が苦手でなくてよかった」
「どうして?」
「エルフは風属性と光属性が得意だからな。私も以前は嗜んでいた」
「そうなんだ、ランクがあがったら使えるようになるかもね」
「うむ、精進しよう」
その時、ワタリがふらふらと通りかかったのでスキャンしてみた。
「うわっと、なんすか?」
スノーゴブリン・アンダーテイカー:雪原ゴブリン 下忍
種族:亜人 召喚ランク4 召喚コスト160
HP 25 MP 11 攻撃力 6(黒曜石のクナイ+3) 防御力 3(革鎧+2)
技能:槍、冷気耐性、隠密、クリティカル、共通語CS、小剣
特技:ハイド・イン・コールド(冷気への同化)
シャドウ・エッヂ(影刃)
備考:影刃 使用MP3 回避率低下15% クリティカルヒット発生率+15%
アンダーテイカーって葬儀屋のことだったはずだけど、この場合は「人の嫌がる仕事をこなす人」って意味なんだろうね。でもなんで忍者に派生したんだろう?普通ならゴブリン・アサシンに進化すると思うんだけど。
あれか、女帝がなんか吹き込んだのか。ゴブリン侍とか従えてたし。
「ワタリはどこを目指すんだろうね」
「もちろん、火影っすよ」
「「それは無理」」
「成せば成るっすよ」
「お前は氷属性だろうが」「よくて水影かな?」
「とほほ」
その時、コアが警報を発した。
「きた」
「え?何が?」
「ほね」
僕とワタリがロザリオを見る。
「いや、私ではないだろう。これは侵入者の警報のはずだ」
「した」
「遺跡の部屋?」
「っと」
「もっと下というと・・・水牢か!ミコトが危ない。コア、増援を召喚して!」
「ん!」
そのころ、水牢にいるミコトは、水底付近に空いていた水路をくぐり抜けて次々に現れるスケルトンの兵士達を、一人で迎え撃っていた。
「ピュイイイイイ」
DPの推移
現在値:270 DP
変換:食事一式 -30
眷属化:ロザリオ -125
スキャン:x2 -2
残り 113 DP
召喚リストその20・21
本文を参照のこと




