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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第2章 女帝編
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これは良い物だ

 ちょっとした酩酊感を感じた直後に、コアルームサイズの部屋の隅に転移していた。

 一緒に転移したコアは、同じ隅の台座の上に乗っている。

 「コア、全体マップを出せる?」 「ん」

 コアがナインスクェアの全域を投影してくれる。


 9つの部屋は僕らの居るコアルームとその両隣が明るく表示されていて、対角線の3部屋が暗く表示されている。中立の3部屋はグレイ表示だ。たぶん、相手のコアは一番遠い場所にあるはずだ。

 「コア、9つの部屋を左上から右へ1からナンバリング」 「ん」

 「部屋も9分割して左上から右へ1からナンバリング」 「ん」

 「僕ら位置は77、相手の位置は33で登録」 「ん」


 「じゃあいくよ、コア、ルーム5を制圧する為にルーム4にアップルチームを標準装備で召喚」

 「ん」

 「コマンドAAを標準装備でルーム8に召喚して防衛」 「ん」

 「コマンドWと新規スノーゴブリンコマンドSを標準装備でルーム4に召喚して防衛」 「ん」

 この時点でアップルがルーム5に侵入したので、中央の部屋の色が明るくなった。敵はまだ来ていないみたいだ。

 「42・52・56・86に罠1-4を設置すると共に、45・55・55・85との境に木の柵を設置」 「・・ん」

 「ギャギャギョギャ(こちらアップル敵を視認)」

 よし、拠点防御が間に合ったね。あとは皆に頑張ってもらおう。

 「アップルチームは55を拠点にして、柵を迂回しようとする敵を主に狙って」

 「ん」 「ギャギャ(了解)」

 「こっちはまだ何もこないっす」

 「少し距離があるからね。ならワタリはアップルの応援に行って。シナノは隠密してルーム4で警戒」

 「ん」 「了解っす」 「ギャ(はい)」

 「AAチームは隠密してルーム8を防衛して」 「ん」 「ギャギャ(了解です)」

 さあ、あちらの戦力はどんなかんじかな。


 「コア、敵の部隊をスキャンしてみて」 「ん」

 ルーム5に侵入してきたゴブリンのスキャンデータが表示された。


 ゴブリン(カスタム):小邪鬼

種族:亜人 ランク1 召喚コスト12(15)

HP7 MP2 攻撃力1(+7鉄の槍) 防御力0(+3硬革鎧)

技能:槍、突撃CS、頑強CS

特技:無し


 ゴブリンリーダー:小邪鬼組頭

種族:亜人 ランク2 召喚コスト32(40)

HP12 MP4 攻撃力2(+7鉄の槍) 防御力1(+3硬革鎧)

技能:槍、部隊指揮

特技:無し


 うん、色々おかしいけど、召喚コストが軽減されてるのが一番やばいかな。これランク高くてもかなり呼べるってことだよね。マリアの能力?ボンさんのかな?装備もしっかりしてるし、羨ましいね。

 「皆に通達。敵の槍は良い物だ、チャンスがあったら奪って使おう」

 「ん!」 「「ギャギャギャ(おまかせあれ)!」」


 敵部隊は6体のゴブリンカスタムと指揮官1体で構成されてるようだ。通路が3m幅あるから2体が並んで突進してくる。

 カチッ 「「ギョギョ」」

 そして仲良く痛い落とし穴に落ちる。

  ドサドサ グサグサグサグサ  「「ギョエーー」」

 カスタムで強化されてるみたいだけど、うちの罠は「凍った槍」部族の戦士達でその威力を証明しているから、ランク3ぐらいないと即死なんだよね。

 2列目の2体は、勢いがついていたので、そのまま落とし穴を飛び越えようとする。

  ドシュドシュ 「「ギョギョーー」」

 待ち構えていたアップル達の槍に刺されて、後ろの穴に落ちていった。

 3列目の2体はさすがに立ち止まり、状況をうかがっている。その後ろにはゴブリンリーダーが居て、何か指示をだした。

 「ギョギョギュ(穴を避けて回り込め)」

 おっかなびっくりで落とし穴を迂回しようとするが、不安定な体勢をアップルが見逃すはずもなく、1体は槍の餌食になった。反対側に抜けた1体は、ぐるっと柵を回り込もうとして、もう片方の罠を作動させてしまう。

 カチッ 「ギョ?」 ドサ  グサグサグサ

 「ギョギョギャ(馬鹿な)」

 指揮下の部隊が一瞬で全滅したのを目の当たりにして、呆然としたリーダーに、一斉にアップルチームの投槍が殺到した。

 「ギャーー」

 1部隊を壊滅させたアップルチームは、その後も周囲を油断無く警戒しながら、敵の武装を拾っていた。


 「ギャギャギュ、ギャギョ(敵部隊全滅、槍7本を鹵獲)」 「ん」

 「出番なかったっす」

 「ご苦労様、ワタリはルーム4に戻って隠密防衛でよろしく。次はたぶんそっちに行くよ」

 「ラジャーっす」

 「あ、ワタリは鉄の槍2本もらって帰って。それとパイは鉄の槍2本をルーム8に届けて」

 「ん」 「ああ、ありがたいっすね」 「ギャギャ(はい)」


 たぶん次はルーム1からルーム4へ、またはルーム9からルーム8へ襲撃してくるよね。もしくは両方同時かな。両端に分けた戦力は統合するには時間がかかりすぎるから、来るなら2方向同時作戦が妥当か。


 「ギャギャギョギャ(こちらアズサ、敵です)」 「ん」

 「こっちも来たっす」

 「了解、うまくやってね」


 ルーム4とルーム8は隠密戦法だ。それぞれの部屋の守備隊は隅に隠れていて、通路から来る敵部隊からはまったく見えない。一見すると手前にポツンと木の柵が立っているだけの空き部屋に見えるはずだ。

 指揮官は彼我の戦力差で、この部屋は放棄したんだと思い、占有を試みるだろうね。そして、

 カチッ 「「ギョギョ」」

 最初に踏み込んだ2体は落とし穴の犠牲になる。

 「ギョギョギャギュ(罠が残っているぞ)」

 指揮官の指示で穴を迂回しようとした2体は、足元を槍ですくわれて、転落する。

  「「ギョギョーー」」

 「ギョギョ(まだ敵がいたのか)」

 指揮官の指示が飛ぶ前に、角から姿を現した2人が、3列目のゴブリンカスタムを串刺しにする。

  「「ギョー」」


 「あとは、後ろのリーダーに槍を投げれば、倒せるはずだよ」 「ん」


 「リーダーの後ろにまだ1体いるっす!」

 「なんだって?敵の部隊は7体じゃないの?」 「・・ん!」

 「ギャギャギャ!(魔法をうってきます!)」 

 しまった、メイジを増援で呼んであったんだ。

 「たぶん、そっちに後続はいないから、通路に踏み込んで接近戦を挑んで!」 「ん!」

 「了解っ、あちちー」

 「ギャギャギュ(ワタリに直撃です)」

 「メイジを最優先で狙って、リーダーは後回しで」 「ん」

 「ギャギャギョ(メイジ排除)」

 「ギャギャ(こちらも)」


 ふーー、どうにか損害を軽微で乗り切ったみたいだ。敵部隊の編成を再確認しなかったのは僕のミスだね。ワタリの尊い犠牲は無駄にはしないよ・・・


 「まだ、生きてるっすよ・・・」



 

DPの推移

初期値:1000 DP

召喚:アップルチーム -270

召喚:コマンドAA -180

召喚:コマンドS&W -180

設置:痛い落とし穴x4 -80

設置:丈夫な木の柵x4 -20

残り 270 DP

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