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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第2章 女帝編
43/478

まさか奴は!知っているのかライ・・

 「ただいま。大漁大漁」 「ぁい?」

 意気揚々と湖から戻った僕らを出迎えたコアだったけど、橇の荷台に横たわってシビシビしているワタリを見て首を傾げていた。

 「あ、大丈夫。湖で変種の電気ウナギを釣り上げてね、感電して痺れたから載せて戻ってきただけだから」   「ん」

 釣ってきた虹鱒はサンプルとして1匹吸収してもらい、残りは塩焼きだね。問題は運んできた電気ウナギだけど、このままダンジョンの中で倒して吸収するのが一番なんだけど・・・

 「ピュイピュイ」

 弱々しく鳴く姿を見るとね。

 「ね」 「わかったよ、コアのしたいようにして」

 「うん♪」

 ウナギの身体を包み込むように白い魔方陣が浮かび上がり、円筒形の光りが取り囲んだ。

 光りが収まると、そこに新たな眷属が誕生していた。

 「ピュイピュイ!」


 フロスト・エレクトリック・イール:凍気電気ウナギ

種族:魔獣(魚類) 召喚ランク3 召喚コスト90 眷属化コスト45

HP20 MP10 攻撃力3 防御力4

技能:水泳、耐寒、耐電、

特技:スパーク(放電)

備考:放電 使用MP3 接触した相手に電撃9ダメージ 麻痺効果有


 うん、攻撃が特技に依存しているけど、麻痺効果が美味しいね。属性も氷と電撃の2種類持ってるし、十分戦力になりそうだ。

 「じゃあミコトは淵を居住区にしてね」  「ん!」 「ピュイ!」



 釣り竿は1本を残して、あとはナイフで削って串にしてみた。コアルームで焚き火をして、塩をまぶして串に刺した虹鱒を遠火で焼く。

 ケン達用に無塩のも用意しておくね。え?五郎〇達も食べたい?魚は食べるんだ。ちょっと待ってね。

 「コア、皆も食べたいみたいだから、この無塩で焼きあがった奴を吸収・変換して」 「ん」


 変換リスト:料理(淡水魚)

虹鱒の炉辺焼き(無塩) 100匹 15DP


 焼きたての虹鱒が大漁に出現した。塩焼きが焼きあがるのが待てないメンバーは無塩に塩を振りかけて食べ始めている。チョビやアグーも美味しそうに頬張っている。ダンジョンの中に香ばしい匂いが漂っていった。



 その頃の「凍った槍」の居住区では・・・


 とうとう族長は戻ってこなかった。やはり遠征は無謀だったのだろうか。

 残った戦士達だけでは、この居住区を外敵から護るどころか、日々の獲物を手に入れることさえ難しい。

今ある備蓄が無くなれば、あとは餓えて身体の弱いものから死んで行くことになるだろう。

 だがオークやリザードマンに奴隷として働かされるよりは、その方がマシなのだろうか・・・


 「ギャギャギャ(長老、怪しい2人組がおしかけてきやした)」

 「ギャギュ?(2人だけか?)」

 「ギェギュ、ギャギャ(へい、しかも片方は女で)」

 「ギャ(今いく)」


 居住区の入り口に行くと、そこには報告通りに、人間の女と、それを護るように側に立つ戦士がいた。

 「なんだね、お前さん方は」

 「ふん、やっと話のできるのが来たわね、あんたがここのボス?」

 「代理じゃが、まあ今はそういえるかのう」

 「ふーん、そっちもゴタゴタしてるみたいね。まあ、あたしの用件さえ済めばそっちの都合は頓着しないわ」

 「で、その用件とは?」

 「ここにあたしの下僕が逃げ込んだでしょう。返して」

 「下僕?ここにはスノーゴブリンしかおらんぞ?」

 「そのスノーゴブリンのゴブクロウよ」

 ゴブクロウがなんだかわからんが、どうやら例の流れ者を追ってきたらしいの。さてどうするか。

 「隠すと身の為にならないわよ」

 「ほー、たった2人で来たのに威勢のいいことじゃて」

 「ふん、見たとこ位階が上がっているのは、あんただけみたいじゃない」

 「なぜ、そう言い切れる?」

 確かにもうこの居住地には戦士長もおらんし、進化しているのはワシだけじゃが、それは見ただけではわからんはずなんじゃが。

 「あたしは「ゴブリン使い」よ、ゴブリン図鑑はコンプ目前なんだから、そんなの一目瞭然よ」


 なんと、この女、異名持ちか。するとダンジョンマスターなのか?だがなぜこんな場所で護衛1人でうろついておる?

 「なるほど、なるほど、お主はダンジョンマスターとやらなのじゃな。そして逃げ出した眷族を仕置きの為に追っておると」

 「そうよ、だから大人しくゴブクロウを引き渡しなさい」

 「流れ者といえど同族を売り渡すのにタダというわけにはいかんのう」

 「あんたも相当の狸ね。同族といいつつ売ること前提じゃない」

 「ほっほっほっ、だてに歳はとっておらんよ」

 ここはできるだけ高く値をつけて、食料とでも交換できれば御の字じゃて。


 「年寄りの戯言につきあっていられないわ。ゴブシロウ、やっちゃって」

 「御意」

 後ろに控えていた護衛が、背中から奇妙な形をした剣を引き抜くと構えおった。

 「馬鹿な、この人数を相手にして無傷で済むと思っておるのか!」

 この護衛の戦士は、見に纏う闘気からみてもかなりの凄腕じゃろう。しかし女の方は隙が多い。四方から

女を攻めれば護衛の動きも制限できるはず。それがわからんのか?


 「囲んで後衛を狙おうとか考えてるなら無駄よ。あたしが護衛を1人しか連れていないのは、それで十分だから」


 「侍マスター御武士郎、推して参る!」


 一瞬にしてその場にいた戦士達3人が切り倒されおった。ワシの目には護衛の動きも剣捌きも、追う事ができなかったのじゃ。格の違い、そうとしか言いようが無い。族長でさえ手も足もでんかったろう。

 「ワシらの負けじゃ、女子供の命だけは助けてやっておくれ」


 「安心しろ、峰打ちでござる」

 「あんたも降伏するなら眷属化してあげるわよ。スノーゴブリン・シャーマンはいなかったしね」

 「なんと、部族全員、助けてくださるのか?」

 「みたとこ戦力足りないみたいだし、他に蹂躙されるよりマシでしょ?」

 「ありがたい、これほどの力を持つ方に庇護していただけるなら否応もありませぬじゃ」

 「じゃ、交渉成立ね。眷属化はおいおいやるとして、話は最初に戻るんだけど」

 「あーー、実はじゃな、あの流れ者はもうこの部族にはおらんのじゃよ・・・」

 「なんですって!」

 「じゃが行き先のあてはあるので、まあ中で茶でも飲みながらお話してしんぜよう」

 「まあいいわ、ゴブシロウ、そこに転がっている連中に喝いれておこしときなさい」

 「御意」



召喚リストその18

 本文参照のこと


DPの推移

現在値:472 DP

眷属化:凍気電気ウナギ -45

変換:虹鱒の炉辺焼き -15

残り 412 DP

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