個人用生体潜水艇
投稿が遅くなりました。申し訳ございません。
夜までにもう少し加筆する予定です。
18時30分頃、加筆修正しました。
第3階層、水霊の洞窟にて
ダンジョンに謎の叫びが響き渡っていた頃、水霊の洞窟には、ベニジャとその護衛の幹部、手飼いの大蛙軍団、さらにはドワーフの杜氏と水精霊のルカが集まっていた。
「そいじゃ、地下水路の通り抜け方のお浚いだぜ、ジャー」
ベニジャが声を掛けると、杜氏が頭を下げた。
「リザードマン達の醸造蔵が気になって仕方が無いんだ、なんとか頼むぜ」
「水臭いこと言うなよ、お互い苦労して蜘蛛から逃げ切った仲だぜ、ジャジャ」
「ここは水霊の洞窟ですから、水の匂いがするのはあたりまえです~」
「「ルカさん、そこはお嬢がボケる所なんで、遠慮してください、ジャー」」
「「ケロケロ」」
「いつも一人で寂しいから、構って欲しいだけなのに・・」
ベニジャの取り巻きに怒られて、いじけるルカであった。
「えへん、まず一番安全確実なのが、そこで岩に、のノ字を書いている精霊に呼びかけて、水中呼吸の呪文を付与してもらう手だ、ジャー」
「なるほどな・・」
「次が、息を止めて、水棲もしくは半水棲の仲間に引っ張ってもらう方法だ、ジャジャ」
「それは少しハードだな・・」
「最後に、モンモンチームかカラクリチームに頼んで、口の中に入れてもらう手がある、ジャー」
「え?それ大丈夫なのか?!」
一匹の大蛙が頬袋を目一杯膨らませて見せた。
「この通り、人一人なら十分入れるし、10分ぐらいなら息も苦しくならない、ジャー」
「い、いや、うっかり飲み込まれたりは・・」
「まあ、その時は、吐き出せるから大丈夫だろうぜ、ジャジャ」
「遠慮させてくれ・・」
「他は、地上を歩いて移動するか、転送してもらうかだけど、どちらも大頭の許しが要るし、時間か、コストがかかるからお勧めしない、ジャー」
「なるほど、だいたい飲み込めた・・」
「・・蛙だけに~」
「「ルカさん!」」
「しょぼーん・・」
「よし、まずは隣の水牢まで、息継ぎの練習でもするか、ジャー」
フロストリザード・ブリーダー:凍結蜥蜴人 飼育師
種族:亜人 召喚ランク6 召喚コスト360
HP38 MP14 攻撃6(+8三つ又矛) 防御6(+3皮鎧改)
技能:半水棲、冷気耐性、弓、槍、両手槍、調教、飼育New
特技:クレセントアロー、アニマルフレンドシップ
「ああ、頼む・・」
マウンテンドワーフ・ブリュー・セミマスター:山岳ドワーフ 準1級醸造師
種族:亜人 召喚ランク6 召喚コスト360
HP48 MP18 攻撃7(+5空き瓶) 防御6(+5ミスリルエプロン)
技能:槌、毒耐性、味覚、嗅覚、発酵、醸造、頑健
特技:スクイーズ(搾汁)、ブリュー(高速醸造)
備考:搾汁 使用MP1 大量の原材料から水分を一気に搾り取る
高速醸造 使用MP2 仕込んだ酒を短時間で醸造する
「それじゃあ、お嬢、我々はフィッシュボーンに先行しますです、ジャー」
フロストリザード・エリートガード:凍結蜥蜴人 上級護衛
種族:亜人 召喚ランク5 召喚コスト250
HP36 MP16 攻撃6(+9黒鋼円月槍) 防御6(+3皮鎧改)
技能:半水棲、冷気耐性、槍、両手槍、受け、警戒New
特技:クレセントスラッシュ、ホイーリングスピア
「ケロケロ」
ポイゾン・スノートード:毒雪大蛙
種族:魔獣 召喚ランク6 召喚コスト360
HP48 MP12 攻撃16 防御9
技能:半水棲、冷気耐性、跳躍、丸呑み、隠密、毒耐性New
特技:シューティングタン、カモフラージュ、パラライズ(麻痺)New
備考:麻痺 使用MP1 舌で絡め獲った相手に状態異常(麻痺弱)を付与する
「ケロケロケロ」
カラクリチーム(R4)は、それぞれスノートード・ジャイアント(R5)にランクアップ。
「また一人ぼっちですか・・」
眷族達を見送ったルカは、寂しそうに呟いた。
「あたしも、眷属化してもらおうかな・・」
参考データ:ルサールカ「ルカ」:清流の精霊
種族:精霊 ランク6 眷属化コスト180
HP30 MP30 攻撃5 防御5
技能:水棲、冷気耐性、精霊属性(中)、詠唱、魅了、高速詠唱New
特技:精霊呪文(水属性Lv7)
備考:追加呪文 コントロールウォーター (Lv7) 周囲100mの水位を術者レベルx10cm上下できる。MPを消費することにより効果を持続できる。1時間/1MP
ゲストで、4ヶ月も滞在している間に、ランクが上昇していたルカであった・・・
地下水路にて
ほとんどの眷属に「いつものこと」とスルーされたマスターの叫び声であったが、中には真剣に捉えた者達もいた。それが水棲チームである。
水中は、思ったよりも音が響き渡る為に、水の中に住む者達は普段から、異音に敏感である。
迂闊にバシャバシャと水音を立てれば、餌は逃げ出してしまうし、天敵に捕獲されることもあるのだ。故に地下水路の水中には、ゆっくりとした水の流れがたてる波の音と、天井から滴る水滴の音ぐらいしか響かない。
そこに念話で叫ばれれば、何かが起きたのかと緊張するのは仕方がないと言えよう・・
フローズンサンダーイール「ミコト」「カティ」「メイ」:氷結稲妻ウナギ
種族:魔獣(魚類) 召喚ランク6 召喚コスト360
HP41 MP19 攻撃6 防御7
技能:水棲、冷気耐性、電撃無効、巻きつき、締め上げ、水中機動New
特技:スパーク、ライトニングアーク
そして地下水路での食物連鎖の頂点にいる、ミコト達が緊張すると、それは他の生物の動揺になって表面化する。
捕食する為の殺気なのか、それとも彼女ら以上の強大な存在が、侵入してきたのか、どちらにしろ、周遊している紅鮭達は、一斉に住処に隠れた。
水牢の水底にある養殖用の漁礁は、避難場所を求める紅鮭で一杯になり、あぶれたものが混乱して、水面でライジングを始めた。
その騒ぎは、すぐに地下水路中に伝播して、途中の息継ぎ用の中継所にいた、クロコ達にも伝わった・・・
アイスストームドレイク「クロコ」「グレコ」「グリコ」:氷嵐亜竜
種族:亜竜 召喚ランク6 召喚コスト360
HP60 MP12 攻撃18 防御12
技能:噛み付き、冷気無効、嗅覚、半水棲、尾、頑健New
特技:ブリザードブレス(氷嵐の吐息)New、アイススケイル
備考:氷嵐の吐息 使用MP3 距離15mの前方噴射型。範囲内の対象に30冷気ダメージ
「シャーシャー」
「うん?どうしたの?シャー」
一緒に居たフロストリザードマンのミドジャが、クロコの緊張に気がついて声を掛けた。
彼らは今日もドワーフの採掘技師マンガンと共に、地下水路の試掘に来ていたのだ。
この地下水路は、オークの丘の地下から三日月湖の地底湖まで繋がっている為に、途中の地層がかなり変化していた。所々に設置された中継地点が、格好の試掘拠点になっているのだ。
フロストリザードマン・チルドレン「ミドジャ」「モモジャ」「マッサオジャ」:凍結蜥蜴人の子供
種族:亜人 召喚ランク1 召喚コスト10
HP4 MP2 攻撃0(+3鶴嘴) 防御1(+1皮の服)
技能:半水棲、冷気耐性 特技:なし
「どうかしたのかな?」
引率のマンガンが声をかけた。
「隊長、クロっちが何かに警戒してます、シャー」
「ああ、きっとさっきの念話だろう。詳しい事が分かれば良いんだが・・」
マンガンも、子供を3人も連れている以上、その安全には気を使っていた。
「だったら、コア様に聞いてみるよ、シャー」
「え?そんな簡単にダンジョンコアに連絡とって良いのかい?」
マンガンの常識では、ダンジョンコアとの会話は、緊急時以外は出来るだけ避けるべきものであった。なぜなら数十体もいる眷族から、一斉に連絡が行けば、ダンジョンコアが対処しきれなくなり、その結果、重要な案件が届かない恐れがあるからである。
「平気よ、コア様は7人までは同時処理できるって言ってたもの、シャシャ」
「そうだよ、気づいたことがあったら、すぐに連絡してって、言われてるんだ、シャー」
「そうなのか・・」
自分もドワーフクランでは、変わり者呼ばわりされていたので、なんとなくこのダンジョンの特殊性を理解したマンガンであった・・
「コア様、さっきのマスター様の叫びは何ですか?シャー」
『もうまんたい』
「はーい・・・問題ないそうです、シャー」
その報告を聞いて、クロコも緊張を解いた。
「ああいう叫び声は良く聞えたりするのかな?」
「うーん、たまーに?シャー」
「マスター様もお疲れなんだって、お母さんは良く言ってるよ、シャシャ」
「たまには大声出して、もやもやを吐き出したくなる事ってあるよね、シャー」
「君達は、しっかりしてるよね・・」
大人びた意見を話す子供達を見て、マンガンは溜め息をついた・・・




