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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第11章 湖底の棺編
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筋金入りの錬金術師

後でマスター&コアのデータを載せます。

 三日月湖までキャラバンの分派を護衛していった、第一機動部隊が帰還した。

 少し帰りが遅かったので、途中で問題が発生したのかと心配したのだけれど、送り付けた先で歓待を受けて、中々放してもらえなかったらしい。


 「まあ、『不凍湖の竜』も、寂しい宴会では評判が落ちますからな、奮発した事でしょう、ジャジャ」

 ハクジャは笑いながらそう言っていた。


 「ギャギャ(遅くなりました・・)」

 アップルリーダーが恐縮しながら挨拶に来たけど、護衛の役目はちゃんと果たしたんだし、問題ないからね。

 「ギャギャ(ありがとうございます)」


 それで、スノーゴブリンの居住区が出来上がったので、今度から私室はそこで。

 「ギャギャ(了解しました。タスカー達は一緒で良いですか?)」

 いや、長屋には大きさ的に入らなそうだから、地上部分に別に掘ったよ。


 「ギャギャ・・(長屋?ですか・・)」


 完成したばかりのゴブリン長屋に案内したら、隊員の二人も揃って気に入ったらしい。

 早速、アップルは「喧嘩・出入り・敵討ちの助っ人受けます」の張り紙を表に張った浪人、パイとティーは姉妹で馬子という設定を作って、長屋に溶け込んでいた・・

 ゴブリンって、狭いところが好きなようだ・・・


 タスカー達の寝床は、牧場の柵の外側に、山羊・羊小屋の出入り口と同じものを造って、中を掘り抜いた。拡張機能を使っても良かったのだけれど、親方達が張り切っていたので、掘削は任せた。

 すると、かなり広い円形の部屋に仕上げたので、あれは自分達も遊びに行く気で、広めに掘ったに違いないね。

 「キュキュキュ~」

 「ギュギュ~」

 「グヒィグヒィ」


 

 「それで、向こうの様子はどうだった?」

 「ギャギャ(居住地には12人ほどのリザードマンが居て、出迎えてくれました)」

 その12人が、護衛と設備管理を兼ねて同居するらしい。

 その他に、リザードマン側の代表としてリュウジャが、ドワーフの代表としてタングステンが歓迎会に参加していたようだ。

 ドワーフの代表ならボクだろうと、ニッケルが騒ぎ立てたが、メイドに取り押さえられて、反省室に監禁もとい幽閉されていたそうだ・・


 「あ、そうだ、マンガンが復活したこと伝えないと・・」

 「ギャギャ(それなら、もう知っていましたが)」

 故障した脱出艇に閉じ込められていた・・というか閉じこもっていたドワーフのマンガンは、うちの眷属になって、元気に採掘に勤しんでいる。リザードマンの子供達も、いつも付き従っていて、今は、フィッシュボーンと三日月湖を結ぶ地下水路の地下資源を調査している最中だ。

 すでに石英と雲母の鉱脈を発見しているので、この先が楽しみでもある。


 「ギャギャ(マンガン殿の身柄も、脱出艇の処分も、マスターに一任するそうです)」

 そういえば、脱出艇の扱いも決めていなかったね。あれ、どうしようか?・・


 『マスター!いらないならワタシに下さい!分解して再構築出来ないか試してみたいんです!』

 いきなりテンションの高いアエンの念話が割り込んできた。


 「分解するのは良いけど、ちゃんと元に戻せるの?」

 『それは、その・・9割5分ぐらいで・・』

 「95%も成功するなら許可だすよ?」

 『いえ・・元には戻らないかと・・』


 「・・・・・」 『・・・・』 『しーーーん』


 気不味い沈黙が周囲を覆った・・・


 「・・まあ、2台あるから片方は好きにしていいよ・・」

 『本当ですか?!ありがとうございます!!』

 「ただし、分解するなら故障しているマンガンの方にしてね」

 『はい、そっちなら再構築して起動しなくても、故障のせいに出来ますから』

 「壊す気、満々だね・・」


 まあ、外見はただの酒樽だけど、中身は古代帝国の遺産らしいから、アエンの腕があっても難しいんだろうね・・・

 

 って、今、コアがシステム無音を鳴らしていたよね?!

 『れべるあっぷー』

 なぜ、このタイミング?

 『いさんそうぞく?』


 なるほど・・ドワーフのクランを移住させたからかと思ったけれど、それなら既にハクジャ達を受け入れてるから、二重にはカウントされないよね・・

 しかし古代帝国の遺産まで、ダンジョンマスターのレベルに関わってくるのか・・


 「アエン、出来るだけ古代帝国の技術を盗み取ってくれると・・」

 『うふふふ、やっとワタシの物になりましたね・・まずは、その邪魔な外装から剥ぎ取って、真っ裸にしてあげます・・うふふ』


 だめだ、狂気マッド錬金術師アルケミストの本性が現れてるよ・・

 

 『にいさん・・・』



 自分の世界に浸っているアエンは、そっとしておいて、僕らのデータを確認しておこう。


 職業:ダンジョンマスター Lv8→9

 技能:ダンジョン知識、予測、サバイバル、恐怖耐性、工芸、水泳、交渉、苦痛耐性、ダンジョン戦史、地理学(北部湖沼地域)New

 特技:精霊流し、個人酒蔵

 称号:「異端審問官」New

 健康状態:やや不良(慢性の睡眠不足)


 ダンジョンコア「コア」覚醒バージョン Lv8→9

 機能:管理、召喚、スキャン、設置、分解、カスタム、変換、拡張、再配置、転送、遠話、遮断、「 」New

 特機:「浮遊」覚醒バージョン

 


 まず、コアの選択機能から決めておこうかな・・

 『はいなー』

 選べる機能は、「隠蔽」と「隔離」で変更はない。

 「隠蔽」が探知能力を阻害するのに対して、「隔離」が壁の破壊や貫通を阻害するらしい。

 どちらも必要なんだけど、死神と幽霊メイドの件があったから、ここは「隔離」にしておこう・・


 「コア、『隔離』を選択して」

 『ほいなー』


 コアがオーブの上で、くるくると回ると、白い光を放って、姿が変わった。

 あちこちペンキが撥ねた、よれよれのツナギを着て、塗りゴテを手にしていた・・

 「左官屋さん?」

 『あとむー』


 ペンキの方だったらしい・・・



 そして、問題の僕のデータだ・・

 新しい技能の「地理学(北部湖沼地域)」は理解できる。キャラバンを護送する為に、眷属を地上の広範囲に派遣したので、地域限定だけど地理学が覚えられたのだろう。

 もしかしたら、マンガンの採掘も関係しているかも知れない。


 ちなみに、北部湖沼地域とは、北は北方山脈、南はビスコ村周辺を含んでいる、この地域一帯を指している。湖沼地域の北部ではなく、この大陸の北部にある湖沼地域という意味のようだ。

 東は大森林まで、西はナーガ族の隠れ里周辺で区切られている。きっと、探索地域が広がると、地理学の対象地域も広がっていくのだろう。


 地理学で分かる分野は、その地域の大まかな地形、気候、地下資源などである。

 一部をマッピングすれば、地域全体の地形が把握できるのと、おおよその埋蔵資源がわかるので、便利である。

 ただし、これらが分かると、あちこち手を伸ばしたくなるので、諸刃の剣かも知れない・・


 『こんきすたどーる』



 そして一番の問題は、称号だね・・

 「異端審問官」ってあれだよね?魔女狩りを先導した・・

 嫌な予感がするけれど、コアに称号の効果を説明してもらった。


 称号:「異端審問官」

 魔女もしくはその疑いのある者を、3人以上打ち負かした者に与えられる称号。

 効果:異端とされる勢力に対して、若干有利な修正が付与される。また、それらを看破する確率が上がる。ただし、異端者からは、目の敵にされる事が多い。


 

 「嬉しくねーー!」



  



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