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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第10章 ドワーフキャラバン編
353/478

貴女は何も見なかった、いいですね?

  ダンジョンコアルーム(司令部)にて


 『ぞーんくりあー』

 「お、ボス撃破したみたいだね。コア、最北湖を領域化して、皆の状況を確認して。重傷者がいたら治療班を転送しないといけないから」

 『らじゃー』


 簡易要塞や最北湖に、癒しの泉とかをを設置しても、後々無駄になりそうだからね。移動できる治療術師がもう少し必要なかんじかも。

 「キャラバンには癒しの泉が必要になるのではないでしょうか?」

 カジャが 助言をしてくれた。


 「確かに人数が多いから、泉の方が効率は良いだろうけど、重傷を治せないし、毒消しも別に必要になるから。しかも不要になって再配置するにも半分のDPが必要だしね」

 「なるほど、理解いたしました」



 そうこうする内に最北湖の領域化が終了した。

 こちらの損害は、骸骨戦士が16体撃破されたけど、今は戦士長に再召喚されて復帰している。それとドクロリーダーが重傷、大穴熊チームが闇呪文の余波で軽傷ぐらいで済んだようだ。

 なお、ノーミンが、イルカに変身した状態で曲芸水泳をしたので、腰を痛めたのは、また別の話だ。


 「グキッっていっただ・・」


 被害は少なかったけれど、他に問題が持ち上がっていた。

 『主殿、済まない、止めをもっていかれた・・』

 どうやらボーン・サーペントが戦闘途中で逃げ出した結果、偶然に湖岸の補給拠点にいた冒険者に止めを刺されたらしい。

 「止めは別に誰が刺しても構わないんだけれど、いろいろ目撃された?」

 場合によっては情報統制をしないといけなくなるからね・・


 「口止め料もしくは口封じですね?」

 いやいや、そこまで露骨なことはしないよ・・たぶん。

 「ですが、最北湖まで眷属が遠征できることが広まると、各方面から脅威と思われるかと・・」

 そうなんだよね、だから目撃者がいたら、どこの勢力かだけは見極めておかないと心配なんだよ。


 『主殿、遭遇したのは旧知の冒険者だったぞ』

 え?誰?もしかしてハーヴィー?

 『けろっぴ!』


 『あれが、白骨水竜に立ち向かうわけないだろう・・』

 冷静に考えてみればそうだった・・


 『ほら、あれだ、男女4人組でリーダーが小娘の・・』

 まさか虚無の魔法兵団?

 『らんぼるぎーに』

 あれ?それはいなかったような・・


 『いや、構成は似ているが、そちらではない方だ』

 『かもねぎ?』

 ああ、ビビアン達か。なるほどね・・


 「彼女達なら交渉でなんとかなりそうだね。でもなんで最北湖の、しかもうちの第二補給拠点に居たのかな?」

 「確か、留守番のエルフが冒険者と交易をしているとか・・」

 ああ、言ってたね、物資と生肉をトレードしてるって。なるほどそれか・・


 『接点はそれで間違っていないらしいのだが、今は少し理由が違うようだ』

 というと?

 『女バーバリアン以外の3人が、食中毒で倒れたので、助けを求めに来たらしい・・』


 何、食べたの?・・

 『どくきのこ?』

 ああ、秋だしね・・・



 詳しい事情を聞くと、どうやらうちから買って行った食材を食べて当たったらしい。

 「でも、うちの食材って新鮮だよね、変換で出したわけだし・・」

 『ぷんぷん』

 コアは風評被害にお怒りのご様子だ。


 『なんでも珍味だからと蟋蟀を大量に交換したのだとか』

 ああ、穴熊チームのおやつ用に積み込んでおいた、アレね。

 『麦粥と一緒に煮込んだらしい・・』


 ・・・火の通りが甘くて、生煮えだったんじゃないのかな?・・


 『なので、治療術師の要請が来ているのだが、どう答えれば良いのだろうか?』

 「了解、適任者を転送するから第二補給拠点で待機するように伝えて」

 『こちらも了解した』



 「よろしかったのですか?」

 カジャが何かを気にしながら、尋ねてきた。

 「え?冒険者に治療を施すこと?」

 うちの食材が原因の一端らしいから、罪滅ぼしも兼ねてと思ったんだけど・・


 「そうではなく、当初の目的である、『底なし縦穴』の攻略が進んでおりませんが・・」


 あっ!すっかり忘れてた。

 その為に、最北湖まで領域化したんだった。

 「コア、キャラバンの進行予定地点は?」

 『ほいな』

 即座に投影された周辺地図には、湿原を横断中のキャラバンの予想位置が点滅していた。


 「よし、まだ間に合う。交通整理部隊、スタンバイ!」

 『ケロケロ』x12 

 「コア、『底なし縦穴』まで地下水道を領域化できる?」

 『・・できそう』

 

 黒衣の沼の主の反応が怖いけど、今は時間が惜しいからね・・

 「コア、現地まで領域化、繋がったら交通整理部隊を転送!」

 『らじゃー』

 『ケロケロ!』


 投影された周辺地図上では、南下するキャラバンの光点と、北上する領域化した地下水道の緑色のラインが、交わろうとしていた・・・




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