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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第1章 サバイバル編
33/478

幻の食材

 結局、戦勝パーティーは焼肉三昧になりそうだった。

 あのあと、吸収か分解すればリストに載ると聞いて、いろいろ試してはみたんだけど。


 変換リスト:食材

果実:リンゴ 1kg 5DP、毒リンゴ 1kg 10DP

海鮮:小ガニ 100匹 5DP、とこぶし 1kg 10DP、うつぼ 10匹 15DP

昆虫・蟲:ミミズ 1kg 10DP,コオロギ 10kg 15DP、


 ダンジョン内で手に入るものは、ここまでが限界だったんだ。

 毒リンゴが食材扱いだったり、蝗よりコオロギの方が高級食材だったり、世の中は不条理でできているみたいです。ああ、うつぼは美味しいらしいね。タイドプールの底にいたので引きずり出して絞めて吸収してもらった。これ以上はダンジョンの外に採集・狩猟に行かないと無理かな。


 仕方ないのでリストの中から、皆のリクエストをコアに聴いてもらうことにしたんだ。

 「キュキュ」 「ん」

 「ギュギュ」 「ほー」

 「バウバウ」 「ん」

 「グヒィグヒィ」 「ん~」

 「ギャギャ」 「うぇ?」

 「あ、おいらは普通の肉でいいっす」 「ん」


 で、リクエストの中身がこれ。

 親方達「ミミズ」 しばらく食べてないからだそうだ。まあ土竜は好きそうだよね。 10DP

 穴熊一家「リンゴ」 食べたことないけど、良い匂いがしたからか。 1kgだと足りないかな 

 3kgで15DP

 ケンチーム「猪肉」 安定の肉食だね。灰色狼も4頭になったから量も必要かな。 20DP

 五郎〇チーム「じゃが芋以外の何か」 あ~、ずっとじゃが芋だったからさすがに飽きたのか。だけど猪って獣肉は食べないよね?リンゴは3頭が満足するほど出せないし、どうしよう。

 「ん?」 

 なるほど、調理して他の食材を混ぜれば風味も変わって食べてくれるかもね。だとすると、

 じゃが芋 10kgで10DP、松の実 500gで5DPかな。あと軍曹だとこの量は茹でられないから、鍋が欲しいんだけど・・・


 「コア、正面通路の中央に罠2-2を設置して」 「ん?」

 「大丈夫、それ後じゃが芋10kgを変換して罠のとこに置いて」 「ん?~~ん」

 踏むと発動する罠は、ある程度の重さがかかるとそれが生物でなくても発動してしまうのが、族長との戦いでわかっている。だからじゃが芋の入った麻袋でも反応してくれる。

 カチッ ヒュー グワーーン

 通路の高さがないから、出現した金盥かねだらいは落下速度もなく、じゃが芋の上に落ちた。

 「よし、コア、このたらいを分解して」 「おお」

 罠で出現した矢や槍は、時間がたつと消滅してしまうけれど、その前に分解すれば「変換」リストに載るはず。

 「コア、リストに載ってたら金盥を変換して」 「ん」

 鍋にしては大きいけど、10kgのじゃが芋を一辺に茹でるにはこれぐらいないとね。

 この量の皮剥きは1人だと無理なので、アズサ達に黒曜石のナイフを渡して手伝ってもらった。包丁みたいに鬼殺しの角刃がないので、芽をくり貫くのに苦戦していたけど、なぜかワタリは器用にこなしていた。

 「隠れた才能だね、ワタリ」

 「下拵したごしらえは得意っすよ」

 部屋の隅にしゃがみこんで、じゃが芋の皮を剥く姿がとても様になっていて、なぜか目頭が熱くなった。

 「似合いすぎてる」 「ん」


 皮剥きはプロに任せて、盥鍋にお湯を沸かそう。大きた五徳のように土を盛り固めて、湧き水を入れた

盥鍋を傾かないようにバランスとりながら置いたら、下に薪(木の柵の残骸)をくべて火を起こします。

湧き水には、少し海水を混ぜてほんのり塩味に茹だるように。お湯が沸騰するまでにアップル達のリクエストも用意しておきましょう。食材は・・・

 「え? まさかのコオロギ?」

 コアがびっくりしたわけだ。

 なんでもスノーゴブリンは雑食で、昆虫食も普通にしているらしい。まあ肉が狩れなかったときの代用食なんだろうけど、その中でコオロギは夏の一時期しか取れない幻の食材なんだとか。確かに寒い地方だと希少かもね。

 コオロギは獣脂で炒めればいいかな。150kgの猪肉には使い切れないほどのラードが混じってるからね。じゃが芋を少しもらって、極薄に切って一緒に炒めよう。パラッと塩を振ったらいけそうな気がしてきたよ。

 さて鍋のお湯が沸いたようだから、どんどんじゃが芋を茹でます。茹だるまでの時間を使って、焼肉用の大トカゲの肉を切り分けておこう。15DPで50kgと、猪肉に比べると割高だけど、ちょっと食べてみたかったんだよね。ワニは以外に美味しいっていうから、大トカゲもいけるんじゃないかなと。


 さて、茹で上がったじゃが芋は、すりつぶすんだけど、入れ物がないね。仕方ない、盥をもう一つ変換してもらって、それに移して軍曹で叩く、叩く、叩く。で、残り湯で松の実もさっと湯掻いて、混ぜ合わせて、出来上がり。


 最初の盥鍋は、中のお湯を捨てたら、そのまま火にかけて鉄板の変わりにします。獣脂をひいて焦げ付かないように注意しながら、トカゲ肉を焼いていきます。

 焼き加減は初めてなので正直わかりません。生焼けが怖いから良く火を通して、硬かったら次から調整すればいいよね。これも軽く塩で味付けして・・・完成!


 「薄塩味のマッシュポテト松の実和え」     「グヒィ」

 「コオロギのラード炒めポテトチップ添え」   「ギャギャ」

 「大トカゲのステーキ通は塩で」        「おいらケチャップ派っす」

 「ミミズとリンゴと猪肉は素材そのままの味を」 「キュ」「ギュ」「バウ」


 「いただきます!」 「ん!」



 トカゲのステーキは鶏肉に似たあっさりとした味で美味しかった。アップル達にも勧めたら、代わりにコオロギをくれた。こわごわ口にしてみたら、炒めた海老みたいで、案外悪くなかった。五郎〇達もマッシュポテトは気に入ってくれたらしい。でもそれつくるの大変だから・・・・

 「あっ」「ん!」

 コアと二人で叫んでいた。

 「コア、吸収!」「ん!」

 3頭でむさぼるように食べていたから、残り少なくなったマッシュポテトを一掴み床に置く。

 すぐに吸い込まれるように消えていった。そして・・・


 変換リスト:料理

じゃが芋料理:マッシュポテト 10kg 10Dp、ナッツ入りマッシュポテト 10kg 15DP


 リストが増えていた。




 




DPの推移

現在値:146 DP

変換:ミミズ -10

変換:リンゴx3 -15

変換:猪肉 -20

変換:じゃが芋 -10

変換:松の実 -5

設置罠:踏むと金盥 -10

変換:金盥x2 -10

変換:コオロギ -15

変換:トカゲ肉 -15

残り 36 DP

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