胡蝶の明晰夢
クラッグ・スパイダーからレッドバック・ウィドウに名称を変更しました。
その頃、第二会場では・・
「「乾杯~!」」
和やかに宴会が始まっていた。
「いや~、てっきり忘れ去られていたと思ってたけど、こんなサプライズを用意してくれるなんてね」
「それ、マスターさんに失礼だからね」
「俺は信じていた・・」
「兄さんは、昨日飲み過ぎて、お昼までダウンしてただけでしょ?」
「しかも、また飲みだしてるしな」
「まあ、せっかくの心づくしだ、ありがたく頂こうじゃないか・・」
「ごちになります!」x5
「遠慮せずにじゃんじゃん食べて欲しいだよ、旅に出たらしばらく会えなくなるだ」
六つ子の何気ない会話を聞いて、冷や汗を流しながら、ノーミンはご機嫌取りの料理を振舞っていた。
しかし他のメンバーは、そんな機微を気にもせず、ただ楽しげに飲み食いするのであった。
「キュキュ」
「バウバウ」
「ヒヒン」
ヘラがこちらに来れば、もちろんユニコーンのニコも付いてくる。まあ、六つ子はその存在を知っているから問題はないのだが・・
そして周りでモフモフが、美味しそうに食事をしていることが、彼らにはご褒美なのであった。
「食べながらでいいでしゅから、聞いてくだしゃい。わたしぃのしょだったしゃとは、ここから北に4日ほど行った湿地帯にあるでしゅ。しょこは、めったに人は来ないので、警戒はしゃれると思いましゅが、よくはなしぇばわかってくれるはずでしゅ」
「紹介状は書いてくれるのよね?」
「はいでしゅ、ただ・・・」
「ただ?」
「しゃとには、男の村人がとてもしゅくないのでしゅ・・気に入られると、しょの・・」
その話に、六つ子の男性陣が食いついてきた。
「いやいや、問題ないよ、永住は出来ないが、しばらく逗留するぐらいな?」
「そ、そうだな、歓迎されてるのに無碍に断るのも失礼だし・・」
「病み上がりだが、頑張る・・」
「おい、お前ら・・」
それを冷めた目で見る二人の姉妹・・
「これだから、男って・・」
「だいたい、里に居るのは真正のナーガ族よ、ヘラちゃんはハーフだそうだから人族そっくりだけど・・」
そう言われて我に返る男性陣・・
「もしかして、下半身は蛇形態?」
「しょうでしゅ・・」
「そっかーー、蛇かーー、ちょいと辛いな・・」
「うむ、あきらめよう」
「俺はいけるぜ」
「えっ?」x3
モフラーなのに鱗もいける弟に若干引きながらも、六つ子のリーダーとレンジャー娘が、隠れ里の場所を詳しく尋ねていた。
「そこって黒衣の沼の側じゃない?」
「だいぶ離れてましゅけど、距離的には同じぐらいでしゅね・・」
「その物騒な名前の沼は、有名なのか?」
「正体不明のヤバイ存在が居るって噂だけあるの・・あの沼が、北の山脈とこっちの湖沼水域を隔てていると言われてるわ・・」
「ヘラはその沼の主を知っているかい?」
「良くは知らないでしゅ・・禁忌の地だから近づくなとだけ・・」
「モンスターは何が出るか知ってる?その沼の周辺に」
「えっと・・レッドバック・ウィドウを見かけたら、もう禁忌の領域だしょうでしゅ・・」
「「レッドバック・ウィドウ(背赤後家蜘蛛)か・・」」
「知ってるでしゅか?」
「でかい、速い、毒が強いと3拍子揃ってる、蜘蛛系でも強敵の部類ね・・」
「単体なら討伐報酬も高いし、ある意味美味しい敵なんだが、あいつら遠くで戦っている同族を察知して、どんどん増援に現れる習性がやっかいなんだ・・」
「まあ、目的地じゃない方に居るわけだから、見かけたら逃げればいいのよね?」
「確かにそうだな、出会わないのが正しい道順ってわけだ・・」
「では、これ手紙でしゅ。おばあしゃんのベラ宛てなので、ヘラからだと言ってくだしゃい」
ヘラは木簡を六つ子のリーダーに手渡した。
リーダーはそれを大切そうに胸元に仕舞うと、最後にヘラに尋ねた。
「何か手土産を持っていくとしたら、どんな物が喜ばれるだろうか?」
少し考えたヘラだったが、思いついたのは1つだったようだ・・
「おしゃけが一番でしゅ」
「ああ、ナーガ族だしね・・」
きっとウワバミなんだろうな、と運ぶ酒瓶の量を考えて、ため息をつくリーダーであった・・
さらにその頃、第一会場では・・
「そっち、そっちいった」
「ギュギュ」
「毘沙門、狙え、打てー、ジャー」
「ケロ!」
『あはははは♪』
混沌が支配していたのだった・・
事の起こりは、コアが酔っ払ったので、変換が思うようにできなくなったことだった。
「マスター!お酒が足りません!」
アエンを筆頭に、飲み足りないメンバーが、お酒の追加を希望してきた。
「ギュギュ」
「グヒィグヒィ」
「シャーシャー」
進化によって体格が大きくなり、それに伴って食事量が増えたメンバーからは、料理の追加の希望も出始めた。
「そんなに足りなかった?」
「第二会場に半分持って行ったっすからね」
ワタリに言われて気が付いた。
「こっちの方が人数は多かったね・・」
しかし問題は現状だとコアが適切な変換をしてくれそうにないことだ。
『ふんふんふん♪』
ご機嫌で天井付近を周回しているコアは、まだ大分酔っている感じだった。
「というか、あれ動き回ってさらに酔っているっすね・・」
放っておくと、危険な気がして、コアの捕獲作戦を開始したんだ。
「コアを捕まえて下に降ろしたチームには、ご褒美が出ます」
「「よっしゃあ!」」
そして混沌が始まったのであった。
「ギュギュギュギュ!」x7
穴熊チームが、見事な肩車7連でコアの足元に手を伸ばす・・・
『ほほい♪』
背中側に移動されて、全員がのけぞるように後ろに傾くと・・・崩れ落ちてきた。
「うわっ!まだ残っている料理が下敷きに!」
「ギュギュー」x7
空中で7段梯子を分解すると、各自が回転して綺麗に着地を決めて、惨事を免れた。
「ここは出番だぜ、モンモンチーム、ゴー、ジャ」
「ケロケロ!」x8
ベニジャの号令で8体のスノートードが、上空のコアに向けて舌を発射した。
『ひゃっほー♪』
飛来する8本の舌を、高速演算で最適解を弾き出して、華麗にコアは避けていく・・
「あれさえも避けるんだ」
そこへ何かが宙を裂いて飛んできた。
「そこっす」
ワタリがコアの背後に向けて投げつけたのは、串に刺さったニジマスだった・・
『ほよ?』
まるで自分に食べろといわんばかりに投げつけられたニジマスに、一瞬だけコアが判断に迷った・・
「スイッチっす」
そのニジマスとワタリが入れ替わった。
「ほい、捕まえたっす」
コアのオーブにワタリがぶら下がっていた。だが、コアの浮遊能力は、ワタリが想定しているほどの重量は支えきれなかった・・
『ひゃああああ』
「まじっすかーーーぐべえぇ」
床に墜落したワタリは、それでもコアを抱えたまま離さなかったという・・・
『きゅう@@』
目を回したコアが、無意識に、洞窟の天井に先ほどスキャンしたデータを投影していた。
ハクジャ 変化なし・・
アサマ R5→R6へ
スノーゴブリン・デスブリンガー:雪原ゴブリン 死告人
種族:亜人 召喚ランク6 召喚コスト360
HP39 MP21 攻撃8(+10黒鋼クロスボウ) 防御6(+3硬革鎧)
技能:槍、冷気耐性、隠密、クリティカル、暗器、射撃、弱点看破New
特技:ハイドインコールド、スナイピング
テオドール R5→R6
ツンドラエルフ・ハイレンジャー:凍土樹人 上級レンジャー
種族:亜人 召喚ランク6 召喚コスト360
HP36 MP24 攻撃7(+7エルフ弓) 防御7(+3硬革鎧)
技能:冷気耐性、弓、剣、隠密、追跡、ハリネズミ語Sp、罠探知、警戒New、罠解除New
特技:シャープシュート、ドルイド呪文Lv3
フロストリザードマン R3→R4 護衛の3人ともエリートへ
フロストリザードマン・エリート R4→R5 護衛のエリートはキャプテンへ
ロザリオ 変化なし・・
ワタリ R6→R7
スノーゴブリン・ニンジャアサシン:雪原ゴブリン 暗部中忍
種族:亜人 召喚ランク7 召喚コスト490
HP45 MP31 攻撃10(+10黒鋼クロスボウ) 防御7(+4黒装束)
技能:槍、冷気耐性、隠密、クリティカル、共通語Cs、小剣、演技、偽装、暗器New、弱点看破New
特技:ハイドインコールド、シャドウエッジ、スイッチ
アズサ R5→R6 スノーゴブリン・デスブリンガーへ
ノーミン 変化なし・・
親方 R4→R5へ
ディープエキドナ・アースコーラー:深淵の針土竜 大地を呼び起こす者
種族:魔獣 召喚ランク5 召喚コスト250
HP35 MP15 攻撃10 防御5
技能:掘削、嗅覚、射撃、警戒、現場監督Sp、警報New
特技:アースソナー、シューティングスパイク、
穴熊チーム(3体) R5→R6へ
ジャイアント・ツンドラバジャー:巨大凍土穴熊
種族:魔獣 召喚コスト6 召喚ランク360
HP48 MP18 攻撃18 防御7
技能:爪、掘削、運搬、冷気耐性、罠設置、隠密、双撃New
特技:擬死、縦回転、横回転New
ベニジャ 変化なし・・
スノートード 変化なし・・
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・・・
情報量が多すぎて、把握しきれないんですけど・・・
『むにゃむにゃ・・』




