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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第9章 氷炎の魔女編
289/478

パンツァー・フォー

投稿が大変遅くなりました。申し訳ございませんでした。

  マリア侵攻部隊(残機6+2/補給2945)


 「ボン、ピグミー・ゴブリンを冷気耐性カスタムで10体召喚して!」

 『ピグミーって・・あれか、ランク0で戦闘力なんてほぼ無いも同然だけど良いのか?マスター』

 「お留守番だからいいのよ、つべこべ言わずにさっさと召喚しなさいよね!」

 『了解した・・』


 アリアの周囲に10個の召喚魔法陣が出現し、その中から次々と超小型のゴブリンが姿を現してきた。

 体長30cmにも満たない、ミニチュアサイズのゴブリンである。

 「「キャワキャワ」」

 「いいこと、二人一組になって部屋に隠れるの。見つからないのがアンタ達の役目だからね」

 「「キャワ!」」

 さっそく2体が、氷の柱の影に潜り込んで息を潜めた。


 『なるほど・・隠密で外敵から身を守る暮らしをしているピグミー・ゴブリンなら、敵も簡単には排除できないか・・』

 「さあ、どんどん支配領域を広げていくわよ!」

 「「キャワキャワ!!」」


 さらに追加で現在支配下にある他の2つの大部屋にもピグミー・ゴブリン・カスタム(R0SC/7)を2体ずつ配置しておいた。廊下は隠れる場所がないから放置だ。


 「どうせこの先の廊下にも、嫌がらせがしてあるんでしょうね・・」

 『してない理由がないな・・』

 「MPが枯渇したり、回数制限とかあったりしないのかしら?」

 『ダンジョンコアの特殊機能だからな・・たぶん、ない・・』

 「それ、ずっこくない?」

 『マスターも途中で「我家マイホーム」の機能が停止したら困るだろ?・・』

 「それもそうね」


 『で、どう対処する気なんだ?』

 「もちろん、数の暴力で押し切るわ。ボン、ゴブリン・グレネード(榴弾兵)を冷気耐性カスタムで6体召喚して」

 『了解した、マスター・・本気モードだな・・』

 「そろそろケリつけないとね!」

 「「キャワ!」」




  フリージア防衛部隊(残機4/補給???)


 『敵侵攻部隊が、北側の扉を開けてL字通路に出ました』

 「サハギン・ウォーロックが鏡像Bで待ち伏せしてる方ね・・」

 『敵の前衛らしき3体が強行に突入、ウォーロックがアイスストームで迎撃しました・・・しかし、効果ありません!』

 「さすがに対処が早いわね・・ウォーロックのアイスシールドが剥がれないうちに撤退させなさい!」

 『了解です、ウォーロックに撤退を指示・・・駄目です!敵前衛、ウォーロックに取り付くと自爆しました!』

 「まさかゴブリン・グレネード! それでウォーロックは?・・」

 『バイタル反応ロスト・・敵味方ともに消滅しました・・』

 「ここにきて最悪の戦法をとってきたわね・・マリア・・」


 以前にダンジョンバトルで対戦したときも、こちらの防壁や塹壕を破壊する為だけに、平気で眷属を使い潰してきた。いくら仮想空間の擬似召喚とはいえ、良心の呵責はないのだろうか・・・


 『敵侵攻部隊、大部屋に侵入してきました!』

 「トーチカのスナイパーに、ゴブリン・グレネードを優先して排除するように指示を!」

 『了解です』



  マリア侵攻部隊(残機9+16留守番/補給2487)


 廊下のサハギン・ウォーロックを排除して、次の大部屋への扉を開けたとたん、ゴブリン・グレネードが射殺された。

 「扉閉めて!」

 「ギャギャ」

 「中に射手が居るのね、それも凄腕の・・」

 「ギャ」


 ちらっと見えた様子だと、氷柱は全部溶かされていて、氷原の中央に氷のイグルーが建っていた。たぶんあの中に射手が潜んでいるのだろう・・

 分厚い氷のドーム型住居は、ゴブシロードでも破壊するのに時間がかかりそうだ。中から射撃をしてくるということは、アロースリットが各方向に開いているのだろうけど・・


 「2体じゃ突破は無理ね、ボン、グレネードを5体追加で」

 『了解した・・これで補給ポイントは半分を切った・・』

 「余裕ね、このまま一気に攻略よ!」


 扉をゴブシロードが蹴り開けると、7体のゴブリン・グレネードが、一斉に部屋の中に走り込んだ・・

 しかし、すぐに止まってしまった。

 そこへクロスボウが打ち込まれ、2体が成す術も無く射殺されてしまった。


 「どういうこと!」

 「どうやら、氷原と見せかけて、鋭利な氷の破片を埋め込んであるようじゃな。ランクの低いゴブリンには、ちとキツイじゃろうな」

 扉の影から様子を覗っていたスノーゴブリン・シャーマンが呟いた。

 「冷気耐性があるのに?」

 「材質は氷でも、攻撃属性は物理じゃろうて・・」


 その間にも、そろりそろりとしか身動きのできないグレネードが鴨撃ちの鴨のように殺されていく・・


 「ゴブシロード!パンツァー・グレナディア(装甲擲弾兵)!」

 「御意!」

 将門の具足レプリカに護られたゴブシロードは、氷の槍原を苦もなく走ると、手近のゴブリン・グレネードを抱え上げ、そして・・・投げた。

 

 「ギャギャーー」

 狙い通りにトーチカと化したイグルーに着弾すると、そのまま爆発する。


 チュドムッ


 爆発の威力は、アロースリットを通り抜けて、イグルーの中にも伝播した。


 「ギャギャー」 チュドムッ  「ギャギャー」 チュドムッ


 残った全てのグレネードを叩き付けたところで、イグルーの様子を覗う・・

 「ボン、この部屋、支配できる?」

 『・・まだだ・・中のスナイパーはまだ息がある』

 「ゴブ雪ザエモン、攻撃呪文は?」

 「単体攻撃しかできん、あの中には通らんじゃろう」

 「しょうがないわね・・ボン、ゴブリン・グレネード2体追加で」

 『おい、無駄な殺生は・・』

 「じゃあ、どうするのよ?範囲攻撃できる術者系はランク5以上は必要なのよ?」

 『いや、この先に必要になるかもしれないだろ・・』


 「ふん、まあいいわ、この後でDPが足りなくなるような事態にならないことを祈ってなさいよ」

 『感謝する・・それで召喚はソーサラーでいいのか?』

 「火が使えるやつね・・どうせならファイアーウォールが出せるタイプにして」

 『了解した・・ゴブリン・ソーサラーLv7を召喚・・』


 廊下に出現した、ソーサラーが、ファイアーボールを打ち込んで、止めを刺した・・


 「のう、最初からこうすれば被害は少なくて済んだ気がするんじゃが・・」

 「馬鹿ね、スナイパーが悠長に術者の詠唱を待ってるわけないでしょ。グレネードの爆発で意識が朦朧としてるから出来たのよ」

 「なるほどのう・・」


 「支配領域化が済んだら、ピグミー2体置いて、次いくわよ」

 「御意」

 


 『あらあら、インターバルまで、残り5分ですよ、うふふ』




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