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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第7章 冥底湖の魔女編
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無礼講といわれても

 宴会に適当な部屋が1階層になかったので、農具部屋の奥に25マスの大部屋を拡張した。内壁は石造りで床は板張りにして、この後は収穫物の倉庫に利用するつもりでいる。

 テーブルや椅子は使えない眷族も多いから、床に毛皮を敷いて適当に座る形式にした。


 料理はいつものニジマスの串焼き、ヘラジカのステーキ、スタミナ丼がメインで、その他にコオロギのフライやりんごの蜂蜜煮、マッシュドポテトサラダを添えた。

 ドリンクはエールとシードル、それにアップルジュースを用意した。残念ながら蜂蜜酒ミードはまだ仕込んだばかりで今回には間に合わなかった。


 最初のうちはオババ達に遠慮して、静かに飲み食いしていたメンバーだったけど、お酒の酔いが回ってくると、いつもの調子を取り戻し始めたようだ。


 「ロザリーが捨て身の突撃をしかけたっす。オイラはその時にできた死角を利用して敵の背後に回りこんだっすよ」

 「ギャギャ(それでどうしたんですか?)」

 「オデ、必死で守っただ。盾で影を1つ消し飛ばしただども、もう1つに力を吸われて・・」

 「大ピンチじゃないですかー」

 「そこでアタイのカラクリチームの出番てわけさ、ジャー」

 「「ケロケロ」」


 ジャイアント・トード4体は、ベニジャに泣きつかれたので、うちの眷属として転送帰還することになった。ダンジョンバトルの対戦相手の召喚眷属を、再調教してコントロールを奪い、その後で眷属化したのは前例がないそうで、少し揉めた。

 ただ、大蛙達がベニジャにとても懐いていたので、そのまま送還してしまうのは可哀想だったのだ。「姫」にオババとの交渉を仲裁してもらって、事なきを得た。


 その結果、ハーヴィーを解呪したあとで、ナイトシェイドを1株譲ることになった。ハーヴィーへのフォローと大蛙をはぐれとして認めることが、その代償というわけだ。

 残りの2株はハーヴィーに持たせて冒険者ギルドに提出させる。オババはもったいないとゴネたが、ギルドで何に使うつもりかわからない以上、こちらで横取りしてハーヴィーの依頼失敗にするのは気が引けた。


 「ハーヴィーしゃん、元に戻れるでしゅか?」

 ヘラが心配そうに見つめる先では、ケロッピが大蛙達とコオロギの争奪戦を繰り広げていた。

 「たぶん大丈夫じゃないかな。ハーフリングに戻れば蛙のときの記憶はほぼ消えるらしいし」

 それに過ぎた過去をくよくよするような性格でもないみたいだしね。

 「しょれは確かでしゅ」


 ハーヴィーには、ヘラとグドンは魔女に白蛇と子豚に変化されたまま、森で逸れたと思い込んでもらう。

 二人には家族も冒険者仲間もいなかったそうなので、捜索や敵討ちに乗り出す事はないだろう。

 可能性があるとしたら、ハーヴィーが責任を感じて捜索するぐらいだろうけど・・・

 「しょれはないでしゅ」

 「ナイだよ」

 即答だった・・

 ハーヴィーは薄情なことに定評があるらしい・・・



 「ギュギュ」

 「そうか今回は穴熊ファミリーが大活躍だったのだな。私達が攻略する時間を、お前達が稼いでくれていたわけだ」

 ロザリオはシードルの入ったゴブレットを片手に、武勇伝を話すファミリーに囲まれてご満悦みたいだ。ケンはその横で優雅にヘラジカのステーキをパクついていた。

 確かに今回の防衛戦では穴熊ファミリーとケンの活躍がめざましかったよね。格上の守護者を3体も撃破したわけだし、きっとランクもあがったはずだ。宴会が終わったら身体測定しないとね。


 今回、出番の無かったメンバーが、なぜかルカを囲んでワイワイ騒いでいるけど、あれはなんでだろう?

 「知りません、川獺の話なんて知りませんー。夢です、そうあれは夢だったのですー」



 「それで、前半てこずったのは仕方ないとしようじゃないか。ワシもまさか罠だけで時間稼ぎしてくるとは予想してなかったのじゃから。だが、増援にだしたスケルトンファイターはどうしたのじゃ?」

 「カタカタ(3方向の階下でプレートを踏むように命じたのですが、単独でいた為に各個撃破されました)」

 「それが慢心じゃよ」

 「カタ(はっ)」

 「向うは実力差がわかりきっているから、一人になるまで待っていた・・・」


 オババのところは反省会みたいだね。探索の主力として送り込まれた4人の守護者が正座して並んでいる。罰として食事抜きにされてるのかと思ったけど、ちゃんと食べているみたいだ。

 「若造のおごりじゃからのう、全力で飲み食いして元をとるのじゃぞ」

 「おい、婆さん!」

 「おや、こんなところにジブロックが・・」

 「テイクアウトまでするきかよ!」

 「ぎく」

 「・・・コア、その背中に隠した透明の袋は何かな・・」

 「ぴゅーー」


 「うむ、物覚えがよいコアじゃな」

 「婆さんが元凶かい!」

 「ひっひっひっ、だてに師匠とは呼ばれておらんよ」

 「何を教えてるんだよ、迷惑だ」

 「知っとけば後々役にたつことじゃよ、ひっひっひっ」


 「ドジっ子」も「ヤンデレ」も師匠って呼んでたし、オババはダンジョンコアの業界では顔が広いみたいだ。だからといって尊敬できるわけじゃないけどね。

 「敬老精神がない奴じゃのう・・・」


 「カタカタ(それはいいが、3番の肋骨に入り込んでるバッタはなんなんだ?)」

 「カタカタ(あっ、まだ居やがった!)」

 「「気付けよ!」」


 召喚リスト その54

トード・ジャイアント:大蛙

種族:両生類 召喚ランク3 召喚コスト90

HP18 MP3 攻撃6 防御4

技能:跳躍、飲み込み、半水棲

特技:シュート・タン(射舌)


 DPの推移

現在値: 5000 DP (+3013 DC)

特殊召喚:大蛙R3x4 -360

変換(宴会):料理、酒、その他 -275

拡張:25マス部屋x1 廊下1マス -95

設置:床板x25 -125

変換:狼の毛皮x15 -150

残り 3995 DP (+3013 DC)

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