表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第7章 冥底湖の魔女編
185/478

解くべきか解かざるべきか

 『今回のダンジョンバトルは、モフモフチームの勝利ですわ』


 「姫」のアナウンスがダンジョンに響き渡り、僕らは勝利の喜びに沸いた。

 「よし、勝った」

 「びくとりー」

 「グヒィグヒィ」

 「ピュイピュイ」


 やがて仮想空間の指揮ルームに隔離されていたオババも、うちのダンジョンに帰還した。

 「かあーー、負けた負けた。ワシの負けじゃよ。こんな若造に遅れをとるとは、ワシも耄碌したものじゃて・・」


 『ではオババ様も勝敗については異義ございませんですわね?』

 「まあ、腹の虫が収まったわけじゃないが、ここで駄々捏ねても老害呼ばわりされそうじゃからな。老兵はただ立ち去るのみじゃ」

 「いや、ケロッピ治してから帰ってくださいよ」

 「ちっ、覚えておったか」

 「油断も隙もあったもんじゃねーな、この婆さん」



 「冗談はさておいてじゃ、ここで術を解くのは容易いが、それでいいのかのう?」

 そういうことか・・ハーヴィーが記憶を取り戻したときに、僕らに好意的に接するとは限らないってことだね。

 「他の二人の去就を考えるのなら、こいつはこのままの方が幸せかもしれんがのう・・」


 僕が悩んでいると、探索チーム、防衛チームの皆が次々に送還されてコアルームに戻ってきた。

 誰も欠けてない様で、ひとまずは安心だね。ワタリはすごいボロボロだけど・・

 「ワタリ、そんなボロボロになるまで戦ってくれたんだね」

 「・・敵はすぐ隣にいるっす・・・」

 何故か探索チームのメンバーが顔を背けた。


 「まあいいか、ワタリだし」

 「とほほほ」

 「それでヘラとグドンに質問なんだけど、ハーヴィーが元に戻ったときに、僕らのこと秘密にして欲しいって頼んだら黙っていてくれそうかな?」

 別にダンジョンだってことはバレても構わないんだけど、ヘラとグドンが眷属化したことは秘密にしておきたいとこなんだよね。


 「ああっと、えっと、難しぃいでしゅ」

 「オデ、ムリだと」

 やっぱり冒険者ギルドへの報告義務に忠実なのか・・


 「いえ、しょれはお金でしゅむとおもいましゅが、口が軽いでしゅ、ものしゅごく」

 「たぶん、ジマンするだ」

 ああ、酔っ払ったら、ある事無い事、吹きまくるタイプなんだね。


 「そしたら、二人も彼と一緒に村に戻る?ここから少し離れた森の中で術を解けば、魔女から逃げ切ったことで辻褄は合うと思うけど・・」

 たぶんケロッピは蛙に変身してから、今現在までの記憶はないだろうからね。脳の記憶領域が蛙並みだから。


 ヘラとグドンは互いに顔を見合わせたけど、思いは一つだったみたいだ。


 「ここで暮らしぃたいでしゅ」

 「オデ、ここがイイ」


 「よしよし、それじゃあワシがハーヴィーに引導を渡してやろうかいのう・・ひっひっひっ」

 「誰もオババに口封じなんて頼んでませんよ」

 この人、どれだけハーヴィーを不幸にしたいんだか・・


 「なーに、こやつには1年で1夜しかとれない魔草を台無しにされた恨みがあるからのう・・」

 ハーヴィー、ただ逃げ出したんじゃないのかよ。


 「そうじゃ、確かこやつが摘んだナイトシェイドは3株ぐらいあったはずじゃ。そのうちの1つを譲ってくれるなら、解呪後のフォローをしてやってもいいのじゃぞ」


 『ダンジョンバトルに関わる契約の不履行は、ペナルティーになりましてよ?』

 「そりゃあ、わかっとるよ。契約通りにこの馬鹿ハーフリングは解呪するさ。自分の掛けた術を解呪するのは簡単じゃからのう。その上で、辻褄合せをしてやろうというわけじゃ。それに対して多少の見返りを求めるのは、もう契約の枠外だと思うんじゃがのう」


 『契約の履行に条件を付けるのは、立派な違反ですことよ』

 「そりゃ、勘繰りすぎじゃて。ワシは老婆心で起こり得る悲劇を回避する方法を、後進に教えとるだけじゃよ。老婆だけにな・・ひっひっひっ」


 『オババ様の寒い冗談は放っておいて、もし、貴方がこの申し出に脅迫や誘導を感じたのであれば、委員会に提訴できましてよ』

 「いえ、確かにこの場で解呪されると、身内の立場が不味くなるかも知れないので、それはいいです」

 「ほう、若造にしては素直じゃな」

 「性根が曲がるほど年輪重ねてないですからね」


 新たなバトルが発生しそうになるが、「姫」が割って入ってくれた。

 『とにかく、ダンジョンバトルの終了を宣言いたしますわ。両者ともお疲れ様でした』 

 「おつー」

 「ふんっ、ワシはまだ疲れておらんわ」


 『勝者のモフモフチームには5千DPの返還と同じだけの賞金が送られますが、そこから委員会への借金が引かれますので、実際は8千DPぐらいですわね』

 「けはあぁぁ」

 あ、コアの口からエクトプラズムのようなものが・・・


 『なお、溢れたDPは自動的にダンジョン・クレジット(DC)に変換しておきますので、ご安心を』

 でも現状はコアのキャパは満杯だから、すぐに何かに変換しとかないと、詰むね。


 「ワシは、こんな半分近くも借金しないとバトルできないような若造に負けたとはのう・・」

 いつの間にかオババの周囲にも探索チームの守護者達が復活していた。


 「「カタカタ(申し訳ございません!)」」

 「お前達も己を不甲斐無いと思うなら、精進するんだね」

 「「カタカタ(はっ)」」


 

 その後はいつもの通り、打ち上げの宴会になった。

 オババたちも当然のような顔で飲み食いしていたが、払いは全てこちら持ちだった

 

 「げせぬ」

  

 DPの推移

現在値: 13DP

委託金返還:+5000 うち2000は返済

報奨金:+5000

残り 5000DP (+3013DC)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ