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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第7章 冥底湖の魔女編
181/478

嘘からでた真っ赤な嘘

投稿が遅くなって申し訳ありません。

2日になったら意味がなくなるとこでした。

 モフモフ陣営 探索再開から09:12


 「気をつけろ!敵は我々の影に潜んでいるぞ!」

 ロザリオが仲間に警告を叫んだ。それと同時に、探索チームの足元から、半透明の黒い影のような人型が立ち上がった。


 「触られると筋力を吸い取られるぞ、受けずに、回避しろ!」

 シャドウには実体がない。半透明な影の様な姿は、普通の剣で切っても傷つかないし、盾や鎧で防ぐこともできない。倒すには、攻撃呪文を叩き込むか、魔力を帯びた武器で攻撃するしかなかった。

 

 立ち上がったシャドウの数は6体。4体が前衛のロザリオとグドンを牽制し、残りの2体が、間をすり抜けて、後衛に襲い掛かって来た。

 「いかせるか!風よ見えざる刃となりて、敵を切り裂け、ウィンド・カッター!(風刃)」

 ロザリオは横をすり抜けて行ったシャドウに向かって攻撃魔法を放った。

 それは直撃したシャドウを両断して消滅させることに成功したが、ロザリオ本人は他のシャドウに大きな隙を見せることになる。


 グドンも咄嗟に後衛に襲い掛かろうとするシャドウに戦斧で斬りつけたが、まったく手応えが無い。それでも反射的に追撃のシールドバッシュを放った。

 「オデがタテだ!」

 すると黒鋼の盾をぶつけられたシャドウが、霧のように消滅した。

 「タテなら効くだ?」

 「その盾はマジックアイテムっす。ガンガン盾で殴るっすよ」

 

 だが、背中を向けたグドンに他のシャドウの魔の手が伸びる。

 ピトピト

 グドンの着る硬革鎧を、まるで無いかのように透過して、シャドウの手が背中に触れた。

 その瞬間、怖ろしいほどの寒気と脱力感が襲ってきて、グドンの動きが鈍くなった。

 「グオオ」


 ロザリオも2体に襲われて、片方から接触攻撃を受けてしまう。

 「くっ、私としたことが・・」

 

 「こいつはやっかいっすね」

 元々、回避主体のワタリは、うまくシャドウの攻撃をかわしているが、盾受けがメインのグドンやロザリオは苦戦を免れない。2体に接近されたらロザリオも呪文を打つ機会を得るのは難しい。


 そしてシャドウの怖ろしい点は、それだけではない。接触攻撃により筋力を全て吸収されてしまった犠牲者は、シャドウになってしまうのだ。そして自分を殺したシャドウに操られるままに、味方に襲い掛かってくることになる。


 「このままだと危険だで、グドンは敵の守護者に突っ込むだ!ワタリはその隙に上手くやるだ」

 「オデ、ツッコム」

 「了解っす」


 だが、敵の死霊使いが、それを黙って見てはいなかった。探索チームがシャドウの奇襲に混乱していた間に、唱え終わった呪文をこのタイミングで解き放ってきた。

 「くくく、アニメイト・デッド!(死者の軍勢)」


 その力ある言葉によって、先に倒した骸骨戦士の残骸が、仮初めの命を吹き込まれて復活した。

 4体のスケルトン・グラップラー(骸骨格闘家)として・・・


 「ああ、弓矢は回収してたっすね」


 武器が無いから苦肉の選択だったようだ・・・



  エイプリルフール


 「ギャギャギャ(DPの残りは10だそうですので、私たちの出番がある可能性はなくなりました)」

 「「ブーーブーー」」


 「ギャギャ(というわけで、ルカさんが提供してくれた、この素敵マジックアイテムを使って、憂さ晴らしをしたいと思います)」

 「「オオオーー」」

 「ギャギャ(ではルカさんどうぞ)」


 「はーい、皆さんお元気ですか?人妻人生相談のルカでーす」

 「ギャギャ(ルカさんは相談する方ですので、お間違いなく)」

 「さてお立会い、ここに取り出したる1枚の毛皮。これが魔道具『この川獺かわうそ本当?』ですー」

 「ギャギャ(すっごい怪しいんですけど)」

 「この毛皮を被ってウソを話すと、それが本当になるかもしれないんですよー」

 「「オオオオーーー」」


 「ギャギャ(どこかで聞いたことがある気がしますが、大丈夫なんでしょうか?)」

 「疑い深い子は使わなくてもいいんですよ?」

 「ギャギャ(・・いえ、使わせてください)」

 「素直でよろしい」

 そして次々と川獺の毛皮を被って、諦めかけた未来図を祈りをこめて叫ぶのであった。


 「ギャギャ(次の進化先がくのいちに成った)」

 「ギャギャギャ(騎牙猪兵にブラウンチームとチャーリーチームが増設される)」

 「「ギャギャ(もっと出番が増える)」」

 「「キュキュ(親方のランクを抜く)」」

 「「ギュギュ(横回転も習得できた)」」

 「バウ(毛並みと毛つやが一晩でみちがえるように綺麗に)」

 「お嬢が大蛙以外も構ってくれるようになった、ジャー」

 「我らにもモフモフ休暇が与えられた」

 「ピュイ(次の敵は水中戦が主体で)」

 「シャー(蛙に騎乗動物の地位を奪われることはない・・)」


 「みなさん、割と切実なんですねーー」

 のほほんと眺めていたルカの頭に、ひらひらと飛んできたラムダが止まった。

 「あら、ラムダさんも使いますか?川獺」

 するとラムダが1枚の納品書を渡してくれた。

 「なんです、これ?」


 『納品書:川獺800(かわうそ・はちまるまる) この毛皮を被ってしゃべったことはほとんどがウソになるマジックアイテム。類似品の「この川獺本当?」と間違えやすいので注意』


 「・・・見なかったことにしますねー、でわでわー」

 


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