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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第7章 冥底湖の魔女編
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バトルチームをつくろう

 『それではビルドバトルに使用するDPを決めてください。オババ様から希望を・・・と言いたいところですが、コアのマスターさんから聞いた方が早そうですわね』

 「ちょいまち、種目は小僧が決めたんじゃから、順序としてはワシが先じゃろ」

 オババの抗議に「姫」は困ったようにこちらに話しを振って来た。


 『いま、残高ありまして?』

 失敬な、そうそう素寒貧なわけないじゃないですか。

 『ちなみに、ビルドバトルの平均的なポイントは5千DPです・・・』

 「「げふう」」

 僕はコアと一緒に悶絶した。


 「なんじゃ、でかい口を叩いてた割には蓄えもないのかい。これじゃあやる前から勝負は決まったようなものじゃのう、ひっひっひっ」

 「だけど、5千も賭けたら賞金としてもらえるDPが溢れちゃいますよね」

 バトル中に消費したとしても、とてもじゃないけど収容しきれない。


 『それは大丈夫です。ダンジョンバトルで手にしたDPが最大容量を越えた場合には、ダンジョンクレジット(DC)として保管されます。DCは手数料を払ってDPに変換することもできますし、委員会への返済やバトルに委託する為のDPとして等価で利用もできましてよ』

 おお、そんな便利な機能が。ぜひ、ダンジョンバトル以外でも対応してください。


 『それが出来たらダンジョンコアの最大容量の意味が無くなってしまうでしょうに。あくまで大量のDPが瞬時にやり取りされるバトルにのみ用意された救済処置だと思ってくださいまし』

 なるほど、納得しました。


 「貧乏人にお情けで、あわせてやってもよいのじゃが、探索眷属の召喚と防衛用のダンジョンの構築で5千を切ると、ちとしょぼ過ぎじゃろう」

 確かに半々に割り振ったと仮定して、3千だと召喚に千五百しか使えない。6人パーティーなら5LVが限界になるね。


 「いいですよ、後から文句をいわれても困りますからね。5千で受けましょう」

 『大丈夫ですか?』

 「はい、ですから足りない分は借金でお願いします!」

 「ういっしゅ!」

 

 「こんなに堂々と借金を申し込む奴を始めて見たぞい。この小僧、大物なのか馬鹿なのか」



 『それでは、ルールの最終確認をいたしますわ。種目はビルドバトル、委託DPは5千、開始から30分間のビルドタイムが両者に与えられます。30分後から相手の防衛用仮想ダンジョンに、自軍の探索眷属パーティーを送り込めますの。送り込める眷族は一度に6体までです。増援は、さらに30分毎に一度ずつ可能ですわ』


 「探索眷属の出現場所はこちらで選べるんですか?」


 『いえ、出現場所は決められたセーフティールームに固定ですわ。この部屋には罠や障害物の設置、および全ての戦闘行為が禁止されますの。仮想ダンジョンの作成にあたっては、必ずセーフティールームからダミーコアルームへのルートを確立してくださいませ。攻略不可能なダンジョンだった場合には、自動的に敗北になりましてよ』


 「それ以外の勝敗の条件を聞いておこうかね」


 『基本は、より早く相手のダミーコアルームを占有した方の勝利ですわ。互いに委託DPを使い果たしても攻略が困難だったときは引き分けですわね』

 決着のつけ方はモンスター・ウォーズと同じだね。相手のダミーコアルームから敵勢力を排除して自分の眷属を維持できれば占有となって勝ちと。今回は僕らは完全に盤面の外からの指示になるから、直接攻撃は心配しなくていいわけだ。


 『それでは、これより、私こと「姫」がジャッジメントを司る・・』

 「浅き深きものども」

    『と』

 「モフモフは明日の糧」

 『・・の、ダンジョンバトルを開催いたしますわ』



 ・・・『その名称、どうにかなりませんかしら?』

 「「なりません」」



  オババ陣営 敵侵入まで、あと29:59


 「さてさて、ダンジョンバトルも久しぶりじゃが、どうするかのう。相談する相手がいないのは、迅速な決定ができるが、思考が偏って思わぬ落とし穴に嵌る危険があるわけじゃが・・」

 その独り言も、誰が答えを返すわけでもなかった。


 「致し方なしじゃ、まずは探索メンバーを決めて、それからダンジョンにポイントを振るかの。探索じゃからローグとクレリックの高LVをメインにして、盾と便利魔法使いで良いか・・人数を増やすと、質が下がるから、最初は4人で様子見じゃな。3番、7番、12番、18番あたりでよかろうて」

 そう呟くと、仮想の待機ルームに4体の骸骨守護者が召喚された。


 「3番がリーダー、7番がサブリーダーじゃ。もしものときは番号が早い順に指揮権を受け継ぐようにの」

 「「カタカタ(了解しました)」」


 「3番がクレリック11Lv、7番がナイト9Lv、12番がローグ8Lv、18番がメイジ7Lvじゃから・・全部で3150DPかい。ちと重いが、3番は外せんし、仕方ないかのう。まあ防衛ダンジョンは節約型にすれば問題ないじゃろうて」

 「カタカタ(我々だけでクリアしてみせます)」

 「うむ、信頼しておるからの」

 「カタ(はっ!)」x4



 モフモフ陣営 敵侵入まで、あと28:35


 「主殿、もちろん先鋒は私だろうな」

 「そこはオイラも譲れないっすね」

 「祖父さんの居場所はアタイが守るぜ、ジャー」

 「オデ、オデもがんばる」

 「ケロケロ」

 いやケロッピには出番ないからね。


 ウチの作戦会議は収拾がつかない有様だ。皆、やる気があるのはいいけど、向こうの主力が待ち構えていたら瞬殺されるよ?わかってるのかな・・・

 前回のバトルは自陣を拡大していけたから、コアの戦闘補正も罠の援護もあったけど、今回は、まったくの敵地で探索だからね。生半可な難易度じゃないと思う。


 「主殿、それでも突破しなければ勝利はないのだろう?」

 「無理難題は、いつものことっすよ」

 「ダンジョンバトルかー、夢だったんだぜ、ジャジャ」

 「オデ、ハーヴィー助ける」


 どうやら腹を括っていないのは僕のほうだったみたいだ。皆の目は、すでに断固たる決意に彩られていた。


 「モフモフの名を冠して負けるわけにはいかぬのだよ」

 「終わった後のエールが美味いっす」

 「冥底湖の魔女じゃないなら、どんとこいだぜ、ジャー」

 「オデ、オデ、何したらいい?」


 かなり不安な決意だったけれども・・・

 「どんまい」




 DPの推移

現在値: 3013 DP

委託:-3000

残り 13 DP


 委託DPの推移

オババ陣営 -3150 残り 1850 DP

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