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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第7章 冥底湖の魔女編
157/478

BJによろしく

 「それは間違いないのか?」

 ロザリオが深刻な声で聞き返した。

 「9分9厘間違いないっす」

 情報を持ってきたワタリは、同じ様に暗い声で返答した。

 「あたいは良くわからないんだけど、それって拙いわけ?ジャジャ」

 能天気なベニジャの質問に、ロザリオは素直に答える。

 「放置しておくと大惨事になるな」


 「しかしマスター様に隠し事をするのは、ジャー」

 こうやって主要メンバーで密談すること自体が、心苦しいハクジャが苦言を呈するが、すぐさまワタリが反論する。

 「もう、そんな悠長な事を言ってられないっすよ」


 「そうだ、この事は主殿には知られてはならない・・・」

 メンバーの視線がロザリオに集まった。


 「DPが既に4800を越えているという事実を!」



 「あ、それもう半分ぐらい使っちゃったから」

 「「なんですとーー」」


 がっくりと地面に膝をついたワタリが無念の呟きをもらす。

 「間にあわなかったっす・・きっとまた無駄使いしたっすね」

 失敬な、ちょっと後先考えずに浪費しただけです。


 「ああ、大頭の例の病気かー、負け続けの博打ばくち下手が、たまに荒稼ぎすると、気が大きくなって散財するみたいな、ジャー」

 「こら!マスター様に向かって失礼であろう。それにあれは、実直な職人が大金を貰って、どうして良いかわからずに、高い道具を買い揃えてしまうようなものだ。決して賭けがねではないジャー」


 ハクジャのフォローも微妙だよね。

 「でも後になって後悔するのはどちらもあってるっす」

 「おっしゃる通りで・・」



 コアがエルフの部隊を吸収した時点で、DPが4800を越えたていた。しばらくは気付かなかったんだけど、レベルアップのスキャンデータで確認がとれた。

 それから僕の記憶も途切れ途切れなんだけど、覚えているのはコアが通販で本棚を5つ注文しようとしたのを止めた事ぐらいだ。


 それで、新しく設置したのは・・


 転送魔方陣 直線距離で50m以内に2つを1セットで配置する。起動鍵は自由に設定可能

       2000DP


 と、コアの趣味のアンティーク家具


 古びた木製の本棚(飾り扉付き) マホガニー材 没落した貴族の旧家にあった本棚。2段目の背板の裏には空間があり、最後の当主の日記が隠されていたという。オークションに出品される前に発見されて、相続人に渡されたが、それを読んだ3日後に彼は自殺したという噂がある。

 注)天板の右隅についた、人ならざる者の手形に見える黒いシミは、どんなに洗浄しても落ちないので、注意が必要。 180 DP


 これアンティークじゃなくて事故物件だよね。こんなのが良いの?

 「いあいあ」


 本棚はさておき、転送魔方陣はコアルームと、ルカの洞窟をつなげる為に設置した。

 将来的に、第4層を造るなら、あそこの下にするつもりだ。現状ではコアルームからの脱出路兼地下からの増援を安く上げようという作戦だ。

 なので決して、勢いで造ってしまって後悔してるわけではない・・・と思う。


 あと、第1層(オークの丘の最初の領域)に仕掛けた罠を、何箇所か「再配置」してみた。場所的に意味が薄れてきた落とし穴などだ。

 「再配置」で設置物を選択すると、再配置場所を聞かれる。それを指定すると、設置物はそこに移動し、元の場所は原状回復される。そしてそれには新たに設置する場合の半分のDPが消費される。

 半額で済むとみるか、半額も掛かるとみるかは微妙だが、無意味になった罠のリサイクルと、他の設置物の為の地ならしと思えばお得なのかも知れない。


 「というわけで、DPは半分ぐらいになりました」

 「まあ、まともな使い道でよかったっす」

 「またキャッチャーが増えたりすると怖いからな」

 なるほど、キャッチャーを他の出口にもつけるという案も・・・

 「「却下で!」」



 その頃、ビスコ村の冒険者ギルド診療所では、六つ子の懸命な看病が天に届いたのか、瀕死の弟が一命を取り留めた。


 「これで熱が下がれば命は助かるでしょう・・」

 「先生、ありがとうございます」x5

 「ただし、回復しても冒険者の様な危険な仕事は無理ですね」

 「えっ?」x5

 治療術師は、患者の胸を指差していった。


 「結局、胸に刺さった鏃は引き抜くことができませんでした。材質が植物由来だったので、ヒールによって、身体に癒着してしまったようです。これを無理に引き剥がすと、命に関わります。また、激しい運動で剥がれても同じです。今後はできるだけ安静に過してください」


 弟の事実上の冒険者廃業を言い渡されて、落ち込む5人であった。

 DPの推移

現在値:4823 DP

設置:転送魔法陣 -2000

設置:アンティーク家具 曰くつきの本棚 -180

再配置:広くて痛い落とし穴 -12

   :踏むと槍衾x4 -40

スキャン:x2 -2

残り 2589 DP

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