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ダンジョンマスターは眠れない  作者: えるだー
第5章 冒険者編
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個人のプライバシーにより映像は

  3人組がダンジョンに侵入する3時間程前


 「王様、オラ達が耕した畑に種を植えたいんだども、カラスに食われそうなんだ。なんとかならんだべか?」

 ノーミンが害鳥対策の相談に来た。ところで王様って僕のこと?

 「カラスかー、スケア・クロウを設置すればいいかな」

 「かあー」

 ワタリ達がギョッとした顔でこちらを見ているけど、キャッチャーとコラボしなければ大丈夫だと思うよ、たぶん・・・

 「コア、新しい畑にスケア・クロウを1体設置で」

 「くぇー」

 「助かるだよ」

 ノーミンはさっそく種まきに出掛けていった。その後ろを護衛のつもりなのか、単に土いじりがしたいのか、やんまー一家がぞろぞろ付いていった。


 畑が本格的に稼動し始めると、農具や収穫物を置く場所が必要になるね。あまり遠いと労力がかかるから、罠部屋に4つ目の通路を拡張して、その先にノーミンの農具小屋を造ろう。

 「コア、罠部屋の通路の無い壁に3マス通路を拡張、さらにその先に3x3マス部屋を拡張して」

 「らじゃ」

 「罠部屋と農具小屋には扉1をそれぞれ設置、保険で通路の中央に罠1-5を設置」

 「らじゃ」

 これで罠部屋に乱入されても、一見してコアルームの方向を判別するのは難しくなったはずだ。忘れずにキャッチャー方面の通路にも扉1を設置しておく。

 

 「主殿、スケルトン部隊の配置はこれで良いか?」

 墳墓のロザリオから部隊配置の確認がきた。

 コアに投影してもらうと、十字路の奥に盾兵が2体、左右の通路端に弓兵が2体ずつ配置されている。

 盾兵で押し止めて、弓で削る形だ。

 予備は中央ホールに盾兵が3体、うち1体がバーンで、ロザリオは玉座の間で、やっぱり親方も一緒だ。

 騎牙猪兵チームは揃って十字路右の待機部屋でくつろいでいる。

 左が薄いけど、戦力が足りなかったら召喚すればいい。ゴブリンの巣穴側にも戦力は必要だからね。

 水牢にはミコトチームとクロコペアがスタンバイしている。何故かベニジャが遊びに来ていて、クロコに乗って騎弓兵のまねごとをしていた。

 騎竜兵か・・ありだね。



 「バウバウ」 「ぴこん」

 そうやっていると、チョビが敵を探知した。すぐにコアが全員に敵接近の警報をだす。

 「人族が3人?別の冒険者かな?」

 「バウバウ」  「ん」

 「二人は同じ匂い、一人は初めてか・・・仲間を増やして再戦にきたみたいだね」

 「主殿、3人ならこちらから打って出るか?・・・いや、それでは撃退にならないか、すまん忘れてくれ」

 「呼び込むと危険なほどの戦力なら、野外のゲリラ戦で削る事もあるかもだけど、基本は侵入してもらってこそのダンジョンだからね」

 「そうだったな、だが、来るのがわかっているのに、相手の出方を待つのはどうもな」

 「大丈夫、すぐに来るよ」

 「冒険者も警戒してるはずだが?」

 「警戒はしてるだろうけど、作戦はイケイケみたいだね。この短時間で戻ってきて、増やした仲間は1人だけってかなり無茶だと思うよ。失った装備を取り戻す気満々で突入してくると思う」

 「なるほど、侵入予想点はやはりライ麦畑か?」

 「ロザリオだったらまた、あそこに入りたい?」

 「御免こうむる」

 「でしょ、だからたぶん次は墳墓に直接だと思う」

 「よし、我らの出番だな」

 「頼んだよ、捕獲優先だけど、皆が危ないようなら倒していいからね。手加減してこちらに被害がでるのは下策だから」

 「了解した」  「キュキュ」



 やがて予想通りに、墳墓の階段を3人の冒険者が降りてきた。先頭の女戦士が増援みたいだ。

 「戦士にレンジャーのコンビにさらにタンク役を増やしたのか。前衛が多すぎないかな?」

 「たぶん、装備がしょぼくなって戦士が盾にならなくなったっすよ」

 「ああ、そうだったね、鎧も盾も良い物だったから、それがないとキツイかも」

 「これは良い盾だぞ」

 「ギャギャ(拝領したトロルの革鎧も素晴しいものです)」

 身包み剥いだから武器・防具は予備に格下げされてるのか。それで盾役に女戦士で、戦士は遊撃、レンジャーが後衛かな。魔術師も盗賊もいないとすると、悪いけど、鴨だね。

 「みくー」

 コア、ネギを飛ばすと意味不明だから。


 3人は階段の左の分岐に入っていった。

 「魔術師かドルイドでもいれば、泉と草花の効果に気がつく可能性があるけど、この3人だと無理かな」

 「ギャギャ(怪我でもしてれば治るからわかるんですけどね)」

 「それでも、ここがセーフティーポイントだと思い込むだろうけどね」

 「それであのキャンプの偽装っすか」

 「無事に後始末までされたキャンプ跡って、安心感を与えるんだよね。先駆者が無事だったからといって自分達も無事に済むとは限らないんだけど、まったく新規の場所を探すよりは、ここでキャンプすると思うよ」

 さらに言えば、癒しの泉と癒しのハーブ畑の効果を知っていれば、ほぼ確実にここに戻ってくるよね。

 「あ、移動しはじめたっす」

 確認だけしてさらに下に降りるみたいだ。これはスケルトン部隊の出番かな・・・


 と思ったら、玄関ホールの探索だけして、癒しの泉に戻っていった。そこまで脳筋じゃなかったか。

 予想通りにキャンプ跡で野営するみたいだ。

 レンジャーが通路をうろうろしてるね、鳴子でも張ってるのかな?

 「けっかい」

 え?呪文で結界を張ったって?なんだろう?

 「王様、きっと警戒の呪文結界だあ」

 ノーミンから情報があがった。

 「ドルイド呪文で同じのがあるの?」

 「んだ、一晩中、敵意を持った生物を見張る結界だ。入るとデカい音が鳴るだよ」

 ああ、そんな呪文があったね。範囲が狭いから野営に使えないから死に呪文だったけど、出入り口が一つの遺跡の中なら使えるね。

 でもダンジョン内で、瞬間発動ならまだしも、継続する結界を張ったらコアにバレバレだよ。分析はできなくても、そこに異物があるのは探知できるから。

 「結界を張ったことで安心して寝てくれるなら、願ったり叶ったりだよ」

 「さすがに一人は起きて見張ってるみたいっすよ」

 「眠りの花畑の真ん中でね」

 「ああ、それでキャンプ跡はあそこにしたっすね」

 「周囲が全部、草花で覆われてると、そこを蹴散らして焚き火はしないものだよ。特に既に焚き火の跡があるなら、なおさらね」

 「悪どいっすね」

 「褒め言葉と受け取っておくよ」

 「もちろん、褒めてるっすよ」

  ニヤリ

 ワタリと二人で悪い笑みを浮かべあった。


 見張りの女戦士が眠り込んだところで、やんまー組を派遣して通路の横にもう一本の抜け道を掘ってもらう。誰かを転送しても良かったけど、DPは節約しないとね。

 隠密組がひっそりと接近して、3人ともぐっすり寝ているのを確認したら、身包み剥いでダンジョンの外に放り出した。

 一応、女戦士の武装解除はアズサとロザリオにまかせた。そんなことは気にしそうもない、女バーバリアンの戦士だったけどね。

 「ギャギャ(ダメですよ、女性は誰でも乙女なんです)」

 「それにしては私の扱いは雑のような気がするがな」

 「「ギュギュ」」

 穴熊婦人会も言いたいことはあるらしい。

 「夫に子供もいる乙女はありえないっす」

 ワタリがさっそく地雷を踏んだ。

 ギュリギュリギュリ

 「ギャーース」

 穴熊婦人会のツイン縦回転をくらってボロ雑巾のようになっていた。

 「学習しないね、ワタリは」

 「ギャギャ(それがワタリさんです)」

 「・・・へるぷっす・・・」

 

 DPの推移

現在値: 2704 DP

拡張:変形7マス部屋 -20

設置:睡眠の花畑 -300

設置:スケアクロウ -150

拡張:通路x1 部屋x1 -35

設置:丈夫な木の扉x3 -15

設置:深くて痛い落とし穴 -25

残り: 2159 DP

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