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シエラベッサ・リリエ / ☆特別号☆勇者と姫の世界をかけた壮絶ラブストーリー



古いレンガ造りの家が立ち並ぶ。屋根は赤く、どこぞのヨーロッパを彷彿とさせた。いいセンスである。

通りに並ぶ出店。さんさんと照りつける太陽に負けない人々の喧騒。うるさい。

活気溢れるとか、そういう問題じゃない。うるさい。


うんざりと吐いたため息すら、かき消される。おおごとだ。




「やっとついたわね」



ふう、と悩ましげなため息を吐くヤヤ。

緩慢な動作で髪の毛を払ったかと思うと、人生に疲れたOLのごとく、自分で肩を揉んでいる。




「帰ってきてしまった…」



何故か、憂鬱そうに呟くシード。

ここには洗練された美女がたくさんいるはず。女好きなら喜ぶところである。あと、食材もたくさんあるから、鍋好きなら喜ぶところである。




「ユズリハとここに来れた。それだけで俺は嬉しいし、ユズリハは生きている。やっとユズリハが俺のものになる、やっと。勇者としての…」



なんかブツブツうるせえし、ちょっと何言ってるかわかんないので、こいつは無視。




「我らが神よ、ここまで無事に返してくれたことに感謝する…!」



信仰深い僧侶が、震えている。

ちょっと気持ち悪い。どんだけ、私たちとの旅が嫌だったんだろう。けれども、私は貴様よりもっと嫌だったに違いない。




「…おい、もっと防犯に気をつけろよ、ぬるま湯かここは!」



女盗賊は、王都の防犯意識の低さに苛立ちを隠せない様子。手が疼く、とか中二っぽいことを真面目な顔で言う。世界は平和である。いいことである。



何を隠そう!

私たちは、ようやく王都についたのだ!

万歳三唱である。諸手を上げるどころか、諸手など吹き飛ぶレベルで歓喜。

これで、旅が終わるね!

ようやく奴から解放されるね!

そうとなれば、私のテンションもうなぎのぼりである。


多少の失礼も許せる。

だから、どさくさに紛れてケツを触ってきたシードも殴るだけで許してやる。



「死ね害虫」


「がはっ!」



「……本当にバカなのね」


「…実家の前でよくセクハラできたな、てめえはよ」


「…軽蔑する」


「ああ、ユズリハ、ユズリハ、ユズリハ……」



「ちょ、ちょっと、心が折れそうになって、つい触ってしまった。すまない、ユズリハ」


「いっぺん死ねば許す」


「……え?」


「許すって聞こえたけど、気のせい?」


「…明日は嵐か」


「ユズリハ、ユズリハ、ユズリハ…」



「ほんで、てめえはうるせえ!!」


不快虫を殴ろうとすると、素早い動きで手首を掴まれた。

由々しき事態である。触られた!変態だ!あ、今更だった。

すぐに、取り返そうと腕を引っ張ったが、奴の力がやばい。なにがやばいって、骨が軋むレベルでびくともしない。

こんなところで勇者の鱗片を見せつけられるなんて。腹立たしいにもほどがある。



「は、離せ変態!」


「ゆずりは…」


「うわあああ!!」



なんとかかんとか変態を引き離し、ヤヤの背後に逃げ込む。

よしよしとヤヤが慰めるように頭を撫でてくれた。おお、神よ。今まで私は、君のことを勘違いしていたのかもしれない。



「てめえまじできもいよ!」


私は悲鳴のように叫んだ。


けれど、アンリは、何故か、満面の笑みで笑っている。

何がおかしい。

笑顔が腹立たしい。シードの女子供を骨抜きにするうざい笑みの10の5乗倍ほどはうざい。





「もうすぐ君が手に入ると思うと、いつもの憎まれ口もより可愛く思えるよ」






「……」



………


……は?



勇者パーティの時が止まった。



なんと。

嘆かわしいことに我らが勇者は病気のようだ。



「……」


ヤヤが押し黙る。


「……え?」


ジュディは思わず出たみたいな、小さな戸惑いの声を落とした。


「……」


ロンが真顔だ。

あ、何時ものことか。


「……ふへっ」


おい、シードが苦笑いするってよっぽどだぞ!勇者!!



「楽しみだね。早く王様に会いに行こうよ!」


うきうきといった様子で、アンリが城を指差す。



「…え、待って。今なんて言った?」


呼び止めるヤヤが、震える声を隠し切れていない。



「早く王様に会いに行こう!」


「ちげえよ!その前だよ!ユズリハがなんだって!?」



ジュディが苛立ったように声を荒げた。

やめろ。奴の発言を蒸し返すな。

心に傷を受けるのは誰だと思っているのか。私である。


おいクソ王子。我関せずみてぇな顔で鍋取り出してんじゃねえよボケ!



「ユズリハ!そう!」



私たちの空気など読まないアンリは、その美貌をぱあっと輝かせた。それを見た通行人が失神している。誰が尻拭いをすると思っている。気軽に笑ってんじゃねえぞ。というか、もう笑うな。うぜえから。





「もうすぐで!最難関☆6ユズリハルート攻略なんだ!ずっと見てたあのスチルが!ようやく!」





……なんだと?


私は耳を疑った。




「姫様抜きでの魔王討伐は難しかったけど、攻略本もファンブックもドラマCDも全部買って、何時間もやりこんだ甲斐があったよ!やっとユズリハを手に入れれるんだ!」




ああ。


———そうか。



異国語をしゃべった、ついに頭がやられた、最後のネジもふっとんだ、どこだ拾え、ああ勇者おいたわしや、などと背後で勇者パーティが喚く。

ロンにいたっては、神よなぜこのようなものをお作りになられたのです、せめて、せめてもうすこしまともな…っ!などと真顔で十字架を握りしめている。



けど。

いつもなら私が殴っておわりだけど。


けど。


どうして。そうだ。


じわりと汗が滲む。




—————ここに、ない言葉なんだ。



ぜんぶ、そうだったのか。

こいつも。




震える唇を開いた。


そして。







「ユズちゃあん!」




「ごふっ!!」




ちっこい物体が飛んできた。



「…な、なにやつ……」


地面に倒れこんだ私は、ようよう口にする。


「やだうっかり突き飛ばしちゃった!起きてユズちゃん!」


この聞き覚えのある声に、私は再び気を失いたい気持ちになった。

王都にきてまで、どうしてこの危険人物がいるのか。

けど、なんか、それ以上にやばい奴がいた。



「曲者おおおおおお!ここに来てまでええええ!!」



鬼のようなものがいた。勇者であった鱗片が跡形もない。わたしはすぐさま見なかったことにした。ジュディの役割が、暴れる勇者を取り押さえることになっている気がする。

すっごい怖い勇者の叫び声をBGMにできる優秀な頭脳を持つ私は、自らの肩を叩くそいつに視線を向けた。



きゅるん、と小動物を連想させる瞳が私を見る。小ぶりな鼻、薄ピンクの小さな唇。透き通るような白い肌。真っ黒ストレートの髪の毛は、尻に届くほど長い。



「シエラベッサ…」



「ユズちゃんに会えてうれしい!」



魔王様専属メイド、シエラベッサ・リリエ。

私の傍に座り込んで、嬉しそうに両手を頬に当てて笑うシエラ。

やつの袖についた大量のフリルが、やつが動くたびに私の顔に当たる。おい。気をつけろ。

相変わらず、黒と白を基調とした服装を身につけている。いわゆるゴスロリ服が目に痛い。フリルに埋もれないでかい乳が、嫌がらせのように主張している。けしからんメイドである。死ね。わけろ。

彼女は魔王城でたった1人、唯一のメイドさんである。魔王様にしか従事していなかったが、あの広くてバカばかりの魔王城の雑用を事実一人でこなしていたその能力は、バカにできない。バカだけど。





「なぜ貴様がここにいる」



体を起こしながら問うと、シエラはきょとんと首を傾げた。

手を口に当てる拍子に、また袖のフリルが私に当たる。おい。気をつけろ。



「あっれー?言ってなかったっけ?あたし、人間の王都で洋服屋さんしてるのよ!」


「は?え、おま、バカなの?」


「だって、あたしハーフだから!全然溶け込んでるから!」


にこにこ笑っているシエラ。そういう問題だっただろうか。人間と魔族の確執というのは、それはもう根深いもので、今日に至るまでそれはもう激戦が繰り広げられているわけで、そうでなければ魔王様が勇者にやられるなんてことはなかったはずで。まあ、魔王様が倒されたということ以外はどうでもいい。ああ、魔王様。




「ま、またなの…?」



ヤヤの目が死んでいる。すまん。また面倒ごとを持ってきてしまった。ここに来てまで。

そのとき、聞こえてはならない声がきこえた。



「ぬう!?ユズリハじゃないの!」



あ。


これは。


素早く危険を察知した私は、手のひらを返した。



「へえ!シエラすごーい!」



手を叩いて褒めそやす。

シエラはすぐさま調子に乗った。ちょろい。



「でしょ!?今、王都で一番大きいのよ!あたしの商業センス、まじやばたん!」


「えー!まじやばたんだお!」


「あたしまじやばたんだお!」


「てゆーか!シエラのその服可愛いんですけど!もしかして!」


「やだー!ばれた!?ばれた!?」




「ベルガモット様を無視するななの!!」



背後から首を締められた。

とんでもないロリである。

凶暴な幼女に需要はない。将来もない。

帰れ!


腕から逃れて怒りの形相で振り向くと、相変わらずのロリがない胸を張っている。

シエラが芝居がかった動作で、ぽん、と手を叩く。



「おっと!忘れてた!ベルちゃんも遊びにきてんだよね!」


「ベルガモット様は、シエラの服を買いにきたの!ま、まさかユズリハもなの!?」


「ちげえよ。なにそのライバル見つけたみたいな目」


「遠慮しなくていいのに!あたし、まじやり手だから!ユズリハの分は私がつくってあげるよ!」


「ずるいの!贔屓なの!ベルガモット様もオートクチュールがいいの!!」


「よくそんな難しい単語知ってたなベルガモット」


「さっき教えてあげたんだよ!だから、偉いのはあたしなんだよ!」


「む!バラすななの!約束が違うの!」



2人は、やいやいと言い合いをしてお互いの髪を引っつかんで暴れる。

バカばかりである。

私は冷めた目で、ため息を吐いた。



「エリウスが探してたぞ。ロリは早く帰れ」



私がそう言った途端に、今までやかましく騒いでいたベルガモットはしょんぼりと肩を落とした。



「…だって、あいつ、天井掃除しないんだもん」



待て。何の話だ。

というか、掃除はこのゴスロリ女の仕事のはずだが、ここにいるということはこいつはほっぽり出してきて、その代わりにあのエリウスにやらせたのか。このロリども、できる。



「ええ!サイテー!!」



シエラが悲鳴を上げる。お前の仕事だぞわかってんのか。バカ共の考えていることはよくわからない。私には、何も読み取れないが、シエラは思慮深い顔で叫んだ。



「どうして!?魔王様の部屋のお掃除はきっちりやってよ!!」




「なんだと!!」



いきなり反応を示した私に、二人がびくりと体を揺らす。

魔王様の部屋の掃除だと!

ちゃんとやらんか!!!天井のみならず天井の裏から床下まで、残らず!!

お前もなにあんなやつに任せたんだボケメイド!!



「あの虫め、今度はどんな目に合わせればよいのだ!!」



「今度はって、な、なにやったの…?」

「知らないの。とんでもない目に合ったのは間違いないの」






* * *






「ふう。やっと大人しくなったわね」



手をはたきながら、ヤヤが失神している勇者を見下ろした。先ほどまで取り押さえるのに費やした苦労が、その動作からにじみ出ている。



「今日こいつ、テンション高かったな」


「……今日に限らずうるさいが」



座り込んで息を整えるジュディアンナ。

勇者アンリにとっておきの一撃を食らわせて気を失わせた、僧侶のはずのロンが、悪態を尽きながら首を鳴らした。こいつはもう神に仕えていい身ではない。


そんな中、今回も特に手柄のないシードが、誰に言うでもなくぼそりと呟いた。




「やっぱり、アンリ、うちの妹と結婚しないのかなあ」




普段微塵も気とめられない存在であるシードだが、この時ばかりはパーティの視線を独り占めした。

視線を独り占めしたばかりか、盗賊には体さえも拘束された。襟元を掴まれ、足元をばたつかせるも、女盗賊のゴリラのような腕力はびくともしない。



「結婚って、なんの話だよ、えぇ?」


「ジュディ、こ、怖いよ。陛下が、勇者に第一王女ルーシアを結婚相手に勧めてるって。……まさか知らなかったの?」


「おい、口の聞き方に気をつけろ」


「ご、ごめん。ご存知なかったですか」


「知るかよ!てめえ何処で知ったんだよ!!」


「ひ! ど、どこでって、みんな言ってるじゃないか!」


「はあ?」


そこで、ジュディはようやくシードから手を離した。厳密に言えば、手を離す拍子に胸元をどついた。よろめいたシードはごほごほとむせるが、それを気にするものは勇者パーティにはいない。

このパーティで1番不憫な男、それがシードという王子である。





「これを見ろ」



どこからか新聞を入手してきたロン。ヤヤとジュディが取り囲む。


パサリと広げられたそれには、


“☆特別号☆ 勇者と姫の世界をかけた壮絶ラブストーリー 〜魔王によって別離した2人〜 一度は引き裂かれた2人、そして今宵再び”


と、でかでかと書かれている。

混乱を極めたパーティは、さらに読み進める。

そこには、捏造の権化と言っても過言ではない、イケメン勇者アンリと傾国の王女ルーシアのめくるめく美しき悲恋が描かれていた。



なんだと。



勇者パーティは、さらに錯乱した。






何事だ、とヤヤは呟いた。

アンリは、顔はともかくこんな甲斐性のあるイケメンではない。最も彼ら二人に、いつそんな時間があったというのだろう。


アンリは勇者として見出されてから、3日で王都を出発したはずだ。3日でこのような壮大な愛を育めるならば、皆5日後には子供ができているに違いない。

そもそも、アンリは、旅立つ時に王より、姫とその護衛を連れて行けと言われたが断っている。それはこの話では、君を危ないところへは連れて行けない…っ!きらり、という風に表記されているが、当初発刊された新聞には、俺にはみな足手まといだとかなんとか言ったとあったはずだ。ドン引きしたのを覚えている。俺は一人で旅に出るどやりである。さみしい男である。そして、さみしい男は、足手まといな踊り子と足手まといな女盗賊と足手まといな僧侶と足手まといな魔族という、足手まといな他人を四人も仲間にするという暴挙にでたのだ。このメンツを見れば、さみしさ故にもう誰でもよかったに違いないとヤヤは思っている。


話がそれたが、この新聞の中で、とりあえず、アンリとルーシアは恋人であり、魔王退治のため引き裂かれ、ルーシアはただ恋人の無事を祈り泣き暮らし、アンリは大切な姫を守るために血の滲むような努力をして魔王との決闘に臨み、激しいバトル後、二人はようやく結ばれるという。なるほど。

下に小さく、フィクションですと書いてあるが、何分小さすぎる。陰謀が透けて見える。

街のものは皆、この話を鵜呑みにして、きゃっと頬を染めている。

ヤヤは何とも形容しがたい感情にとらわれ、半目で新聞を破り捨てた。


ジュディが涙ぐんでいる。ルーシア様…などと、町娘の様相で呟く彼女を見て、この女まじでどうしょうもねえなとヤヤは思った。

勇者パーティにおいて、最も純粋なのは何気にこいつである。女盗賊のくせに。いや、違った。女盗賊が最も純粋なくらい、他のメンバーが黒いのだ。


ロンが鼻で笑って、嫌な感じで口角を上げる。もっとも、この僧侶のいい感じの笑みなど、ヤヤは見たことないが。



「こんなの信じたのかバカめ」



そして、とても嫌なことを言った。そして、シードの肩をどつく。

こいつが僧侶であることが不思議でならない。

ああ、もう。シードはそういうところ繊細なのに、とヤヤは王子に目を向ける。



「ううん、文が届いたんだ」



シードは、けろりとして王家の蜜蝋がされたレターを見せてきた。

ヤヤは思わず乳首を抓った。



「ぎゃーっ!!」


「何故これを一番最初にみせなかったのかしら?」



城の前でこんなことをするつもりなかったのに、とヤヤは少し反省する。最近、踊り子としての品位を森の中に落っことしてきた気がしてならない。



「てめえ、おちょくってんのか!」



先ほどまで涙ぐんでいたくせに、手のひらを返したジュディは、先ほどヤヤが破り捨てた新聞をこれでもかと踏みつける。したたかな女だ。



「……」



ロンは無言で、ヤヤとは逆の乳首を抓った。



「ぎゃーっ!!」



王子にこんなことして不敬罪とかになるのだろうか。まあいいか、鍋だし。

ヤヤは気を取り直して、手紙を広げる。他のメンバーにも聞こえるように声に出して読んだ。




『我が第三王子 シード

勇者との旅はどうか。魔王を滅したと聞く。よくやりました。褒めます。

ここでひとつ、お知らせがあるのです。勇者が帰還した暁には、何でも褒美を取らせるつもりである。だから、それにプラスして、うちの第一王女ルーシアを嫁にとらそうかと。深い考えとかないんだけど、勇者と王女とか、なんかいい感じだと思って。すっごいロマンチックだよね。ルーシアは気だても良く器量よしで、勇者を慕っている。…はず。

いい考えでしょう。私もそう思った。だから、もう民に言っちゃったんだけど、いいよね。勇者も王様にしてあげるって言ったら、きっとおっけーしてくれるはず。してくれなかったら、……そのときはそのときだよね。頼んでみようかな。勇者はそういうの、大丈夫な人かな?』



ヤヤは読みながら、自らの声が小さくなっていくのを自覚した。

そういうの大丈夫かな?の、そういうのって、なんだろう。

王様にしてあげたら結婚してくれそうな人かってことか。

それとも、頼みを聞いてくれそうな人かってことか。

それとも、了承もないのに民にいきなり言っちゃったの怒らない人かってことか。


むしろ、この国の方こそ大丈夫か。

ヤヤは漠然とした不安を抱いた。


ともかく、言わせてもらうと、ちっとも大丈夫なんかじゃない。

アンリは、ユズリハしか目にない。王女と結婚させられるなんて国を滅ぼしかねない。ユズリハのこととなると、より一層クズになるのがうちの勇者である。




「これ、アンリに知られちゃだめなんじゃないの?」


「間違いなく王暗殺されるぞ」


「……最悪、国がひとつなくなるだろうな」


「ええ!そんな!!」



この国にそこまで愛情はないけど。

ヤヤは、頭を抱えているバカ王子を見てやるせない気持ちになった。

今まで勇者と旅をしてきて、本当にルーシア様と結婚しても大丈夫な人材だと思ったのならば、こいつにはもう本当に鍋としての価値しかない。

ユズリハ以外見えてない挙句、人としていろいろ欠如しまくっているのに。

ルーシア様みたいな、か弱い王女なんかが結婚できるわけない。心労で死ぬ。

それを考えたら、ユズリハは意外と丈夫なのかもしれない。いや、むしろお前しか結婚できない。

ヤヤは、次からは、アンリを応援してもいいかもという気分になってきた。








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