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天使の左遷

どうも、初めましての方は初めまして。久しぶりの方はお久しぶり天狗です。


相変らずの駄文短文ですが、楽しんでもらえるよう頑張ります。


「……全く、天使使いの荒い神様はやだねー」



この世のどこともいえない空間に、ソレはいた。

透き通るような白い肌、向日葵のように綺麗な金の髪。そして背中には純白の羽、頭上には光輝く天輪を持っている。一見神々しく見えるのだが、その神々しさは、白いジャンパーに黒いシャツ、紺のジーンズという服装のせいで台無しになっていた。


ソレはいわゆる『天使』と呼ばれる存在である。もっとも、彼の正式な階級を覚えている人間はいない。


なぜなら、彼が天使九階級のどれにもに当てはまらない存在だからだ。


熾天使(セラフ)でも

智天使(ケルブ)でも

座天使(ソロネ)でも

主天使(ドミニオン)でも

力天使(ヴァーチャー)でも

能天使(パワー)でも

権天使(プリンシパリティ)でも

大天使(アークエンジェル)でも

天使(エンジェル)でもない。


彼の使命は、輪廻の輪から外れた魂を回収し輪廻に戻す事と、人の魂をもてあそぶ神を罰する事。そのもてあそばれた魂を所謂『あの世』へ送る事もまた彼の使命の一つだ。


故に彼は死を運ぶ者―――『死神』と呼ばれ、畏れられた。

……彼の後任の存在が生まれてからは仕事が回って来なくなり、数日でその役割は完全に無くなってしまったのだが。


そして今は自分を創った女神(ショタコン)からのワガママという名の任務で『幻想郷』と呼ばれる場所に移動している所だ。現在は幻想郷と外界を隔てる結界を通過している途中である。


ショタコン女神がワガママを言うのはよくある事なのだが―――



『HEY!YOU!何か最近幻想郷ってところが出来たみたいじゃんYO?住み心地よさそうだからSA、乗っ取ってこいYO!』



――――と、超物騒な事を何故かラップ調風味で告げられた。

先日からラップにハマっていたようなのでラップ風味な口調なのは予想が出来たし、どうでも良い事だったのだが、『幻想郷』という言葉が頭のネジが全て吹っ飛んだであろうあの女神から聞けるとは思わなかった。


幻想郷―――――――

神や妖怪が住まう理想郷。

そして忘れられ、幻想になったものが集まるとされる場所。


一応名前や噂を聞いたことはあるが、そこへ行くのは今回が初めてだった。

敵対しないのならいくらでも行きたい場所である。ルールさえ守ればどんな存在でも受け入れるらしい。老後はここで暮らしたいと思っていたぐらいで、正直やる気が起きない。


一応神殺しの武器を1つ持っているが、それが絶対に効くとは限らない。それ以前にそれを使う前に死ぬかもしれない。なにせ、今は人間の成人男性より少し強いくらいなのだから。


これはその女神専属の天使に言えることだが、その強さは『知っている人の数』によって決定する。

要は自分を知っている人が多ければ多いほど強くなるわけだ。

が、後任に役職取られた彼の知名度はあっさりと無くなり、今では『人間の成人男性より少し強い』ぐらいの強さに落ち込み、つい最近では同僚の天使から『お前誰だっけ?』と言われる始末だった。……元は30代の男性だったのだが女神に10歳くらいの少年に変えられてしまったせいもあるのだろうが。


そのことを思い出すと少し悲しくなる。自分はこの世界が出来上がる前から尽力してきたのに新参の者に役割を取られたと思ったら、今度は自分を創った神から左遷まがいの任務だ。泣いていいのなら目茶苦茶に泣いてしまいたい。


いや、その前にあの女神を殴りたい。女だとか神だとか、そんなことは知った事か。

何が『HEY!YOU!ちょっと幻想郷に逝ってドンパチしてきてくれYO!』だ。

ふざけんなあのショタコン。しかもラップが地味に上手かったのが腹立たしい。


ストレートに『お前邪魔』と言われた方がまだましだ。別に言われても悲しくなんてない。

優しく頭撫でてくれる同僚に会えなくなっても寂しくない。

たまにお菓子を作ってくれる同僚に会えなくなっても寂しくない。

会うたびケンカ腰で接してくる同僚なんかに会えなくなっても全然寂しくない。

別に悲しくなんてないし、寂しくなんかも、ないのだ。



「……ぐすっ」



思考がネガティブ方面に行って、そのまま本気で泣きそうになった。

だめだ、このままでは完全にネガティブモードになってしまう。



「そうだ、ポジティブシンキーングッ!」



前向きにとらえれば大体の出来事はどうにでもなる!……筈である。

とりあえず、任務は無視だ。誰がそんな死亡フラグを踏むものか。命令を放棄しても死ぬことは無いし、自分のように移動系の能力と、結界をぶち壊すような強力な能力を持った天使はいないので、別の天使が来て暴れるなんてこともないだろう。金は兆のクラスであるので心配ない。まず、創始者に会って身の安全を確保、その次にしっかりとした衣食住を手に入れる。後は平和でストレスの無い日常を過ごすのだ。



(そして可愛いお嫁さん見付けて幸せに暮らしてやるぅ……!)



……一億歳越える老人天使(見た目10代)と結婚してくれる人がいるかどうかが問題だが。



「……あ、やっと着いた……のかな?」



ようやく目の前にあった結界を通過しきり、目的地が目の前に――――



「ぎゃぷん!?」



――――見える前に、目の前に現れた地面にぶつかった。どうやら『幻想郷』という場所の『座標』ではなく、『土地』そのものに『辿り着こう』としたのが悪かったらしい。

土地と言うよりかは地面だが、その前に『辿り着く』―――つまり地面に平行になるように結界内を移動したために、こうなったのだろう。



「~~~~~ッ」



痛みをこらえながら顔を上げる。辺りを見渡すと離れたところに神社の鳥居があることを確認できた。その正反対の位置に江戸時代にありそうなつくりの街があるので、無事に幻想郷に到着できたのだろう。……多分。



「……ちょっと待てよ?」



今更気づいたが、ここの創始者が誰なのかを天使は知らない。ということはだ、計画の初めにある『創始者にあって身の安全の確保』が出来ないということで。



「やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいって!!」



ポジティブに持って行った思考が再びネガティブに陥る。頭を抱えてゴロゴロと悶える様は物凄いシュールだった。



「―――!そうだ!」


ガバッと起き上る。そう、離れてはいるが目に見える範囲で神社と街がある。どちらかへ行けば人に会えるだろうし、そこで情報収集できるかもしれない。





さて、どちらへ行こうか――――――?




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