異常稀少。
お前とは俺がお前と認識するから存在するわけで、詰まるところいないも同然。
人は必ずと言っても過言では無いほどの確率で人生で一度は挫折を味わうと思う。しかし、それが己の人生にさしての支障をきたさないと理解した途端脳の片隅に追いやり牢獄の中に閉じ込め厳重に鍵を掛ける。そうして自己の失態を無かった事にしてなんの意味があるのかと僕は問いたい。確かに外聞を捨てるのには多大なる勇気がいるだろう。いやここでは勇気ではなく覚悟か。しかしながらそれを見極められた者にこそ情を持って付き合う価値があると思う。上っ面を見て何が分かる。嘘八百を持って真の己を覆うのならば、誠九百を持って真の己を晒けだせ。傷を負い痣を腫らして、しかしながらそれを自ら隠し無傷を装うほど愚かな事は無い。そのはずなのに、なかなかどうして今はそれを平然と熟す愚人がパンデミックしている。これも時代のせいなどと安易に片付けてしまっていいのだろうか。
以上、現代社会に対する俺主観的論述でした。
暇だからなのか無駄に頭が冴え、現在午前3時にて上記のような脳細胞を絶賛フル稼働させた一人ディベート大会をしていたのだが、何故だか先程から視界の端で何物かがピンクやら黄色やら俺の目に何か因縁でもあるかのかと思いたくなるような色ばかりをチョイスして発光しているので一時独論論争大会は中断としよう。誰だこのような時分に人の趣味を破壊工作しようなどと企てる不届き者は。そう苛立ちながら、まさに後ろ髪を引かれる思いでベッドから這い出していると二度目のカラフル発光を始めたので仕方なくさっきよりかは気持ち早めで動く事にし、その結果三度目の発光を月光に晒す事はなかった。
受信BOX 2
先程の発光はメールの着信を主である俺に伝えようとしての行為だったのかと遅ればせながら理解し妙な好感を持った。そんな俺のセンチメンタルな内情など知る訳もない携帯が無機質なゴシック体で2をやたらと見せ付けてくるのは俺の錯覚だろうか。そんな強気にされたら断れないとセールスマンが聞いたら泣いて喜びそうな台詞を心中で呟きながらセンターキーを押すとそこには約11時間ほど前に別れた幼なじみの名前があった。そこはかとない違和感を持ちながらも内容を見てみたら、その違和感が数倍にも膨れ上がり俺の心臓を膨張させた。
今から会える?
From 妹
彼の右手は俺からの右手であって、彼にしては左手だからこの世に公平性を求めるのはいささか理不尽だろう。