dream 夢夢夢夢 nightmare
そこはただ真っ白で、どこまでも真っ白で、白以外のなにものでもなくて。
その中に存在する俺は、
黒。
「ッッ!?」
足が竦み上がり、恐怖を流し込まれる。
孤独な、俺のビジョン。
周りに押し潰され、身動きすら出来なくなり、心さえ圧迫される。
そんななかでも、
孤独に怯えなくてはならない。
俺は━━━、
「ッ!?」
ガバッ!!
部屋...?
そこで、俺はやっとさっきのが夢であったのだと気づいた。
「....なんだよあれ。」
鮮明に覚えている、畏怖さえしてしまいそうな、白い空間。
その中で一人、孤独に怯える自分。
悪夢にしては、リアル過ぎたような...。
いや、非現実的な光景だったのに現実的過ぎたと言うのだろうか...。
まるで、何かしらの予言めいていた。もしかしたらノストラダムスとかもこんな感じだったのかも。
ま、それは一先ず置いといて。
勢いよく起き上がり、まず俺の目に映りこんだのは沙紀の顔面だった。これについて思考することが最優先事項だろう。
まず何故ここにいるのか。俺を看病するために泊まっているから、もとい俺の家でお泊り会中により。
次に何故俺の顔の数㍉前方、鼻と鼻が触れ合いそうなのではなく突っ張り合いを始めそうなぐらいの距離しか間を空けずに顔が接近しているのか。
これについての解は持ってません。よって本人に尋ねよう。
「なんでこんな近くに顔寄せてんの?」
「ちゅー。」
「......。」
唐突に幼なじみからキスされたらどうすればいいんでしょう。
「くかー。」
もう寝てるし。
俺も寝るか。
そして、夜は更けていった。