高嶺の花すぎるSSS級お嬢様と付き合うことになった話
大杉一葉。
学校一の美少女で、学校一の金持ち。
そして性格も成績も運動能力も全て良いという、とんでもないスペックの持ち主だ。
長い天然の茶髪はサラサラで美しく、吸い込まれそうなほど澄んでいるブルーの瞳。
平均的な身長で、平均を大きく上回るスタイル。
当然そんな子が人気が無いわけがなく、毎日のように告白されているという噂も聞く。
噂と言えば、欲しい物は何としてでも手に入れるという傲慢な部分があるという話を聞いたことがあるなぁ……
とにかく俺、江田島海もそんな彼女に惚れている一人だ。
もちろん勉強ができるわけでもなく、運動が得意なわけでもなく、特別優れた容姿を持っているわけでもない俺が相手にされるはずもないのは重々承知している。
悲しくなるから彼女のことを考えるのは止めよう。
でも大杉が近くを通ったら、目で追ってしまうんだよな。
「あ、大杉だ」
「相変わらず綺麗な人」
「美人すぎるよな。付き合いたい」
生徒たちが登校する中、廊下を優雅に歩く大杉。
彼女がいるだけで周囲に花が咲いたような錯覚。
大杉には世界を変える能力があるのではないか。
なんてそんなバカげた思考をしてしまうのは、彼女に脳をやられているのが原因じゃないかな。
俺は廊下の端から彼女を眺めるしかない存在だ。
これから俺たちが交わり合うようなことはないだろう。
「あ」
廊下にティッシュが落ちている。
それを拾って、教室のゴミ箱に捨てた。
それから自席に座って、スマホのゲームアプリを開く。
ゲームの内容は海賊船を強化して敵軍艦と戦うというもの。
俺の海賊船はそれなりに強くなっているが、現在徐々に軍艦に囲まれつつある状態。
どうやって蹴散らしてやろうか。
ゲームの進め方を考えている間に、教師がやって来る。
「えー、江田島」
「はい?」
「今日の放課後、職員室に来てくれ。少し頼みがある」
「はぁ」
そう言えば今日は日直か。
まさか教師の頼みがある日に日直とは……運が悪いのか。
そして授業は滞りなく進み、放課後になり、俺は職員室に向かう。
教師は自分の机に座っており、俺が来るなり手招きをしてきた。
「おお、江田島。悪いが、これを化学室に持って行ってほしいんだ。今度の授業で使うんだが、私には時間がなくてな」
「分かりました」
時間がないって、同じ学校の中なんだから持って行くことぐらいできるだろ。
胸の中で文句を言いながら、教師に渡された箱を持って化学室へ向かう。
運動場の方から野球部員たちの掛け声が聞こえてくる。
部活に汗を流し、青春をしているんだ。
青春なんて俺には無関係。
何か部活に入れば良かったかな。
化学室は別棟の一階にあり、場所は一番奥だ。
箱を片手で持ちながら扉の鍵を開けようとするが……すでに開いている。
ガラガラッと扉を開き、中を覗いてみると――そこには何と、大杉一葉がいるではないか。
「えっと……大杉?」
「あ、すみません。教師に頼まれて掃除をしていました」
「そうなんだ」
彼女は箒を手に持ち、確かに掃除をしているようであった。
しかしまさかこんなところに大杉がいるとは……心臓が飛び出そうになったぞ。
俺は緊張した足取りで教卓に箱を置く。
そしてそのまま化学室を出ようとするが、大杉が声をかけてきた。
「あの、江田島くんですよね」
「え、ああ。俺のこと知ってるんだ」
「はい。以前、子供を助けていたでしょ。あれ見てたんです」
「子供を助けた……ああ」
あれは今から一年前。
学校の近くで子供が迷子になっていたので助けてあげたのだが、大杉はそのことを話しているのだろう。
まさか他人に見られているとは思いもよらなかったな。
少し気恥ずかしさを覚えつつ、大杉と会話をする機会などこれからないだろうし、このまま話を続けることにした。
「誰でも子供なら助けてやるだろ?」
「誰でもじゃないです。現にあの時、あなた以外はあの子を無視していたじゃないですか」
「そうだったっけ? よく覚えてないな」
「……江田島くんはどうして化学室にいらっしゃったんですか? 何か運んでいたようですが」
「ああ。教師に頼まれたんだよ。面倒なことを押し付けてくるよな」
クスクス笑う大杉。
天使すぎるその笑顔に、胸がキュンとする。
「いつでも人のために動いているんですね」
「そんなことないさ。偶然、そういう場面を見られているだけだと思う。それに今回は、嫌々だしな」
「嫌々なんですか」
「ああ、嫌々だ」
俺たちは顔を見合わて笑う。
ああ、今日の日直は不幸だと思っていたのに、まさかこんな幸福なことが待っているとは。
大杉の笑顔を眺め、俺は高鳴る心臓の音を聞いていた。
「じゃあそろそろ行くよ」
「はい。またお話ししましょう」
「うん。また」
また。
それは相手からすればなんてことない言葉なのだろうが、俺からすれば奇跡のような一言。
本当にまた会話ができるかどうかは分からないが、彼女への思いを募らせるのには十分だった。
また話ができるといいな。
俺は幸せな気持ちを抱きながら、学校を後にする。
大杉の声、瞳、唇。
彼女を形成するパーツを思い浮かべながら歩く時間は、ゲームよりもずっと楽しく感じられていた。
きっと顔はニヤついているだろう。
彼女のことを思うと、どうしても笑いが込みあげてくる。
そんな時、パシャッという音が聞こえてきた。
まさか俺の変な顔を写真に撮られたのか!?
音の方に目をやると、そそくそと立ち去って行く女性の姿があった。
耳に三日月の形をしたイヤリング。
それを揺らしながら、女性は人ごみの中へと消えて行った。
「ああ、最悪だ……」
なんて恥ずかしい場面を……
まさかネットに上げて笑いものにするんじゃないだろうな。
幸せだったのに、少し陰鬱な気分。
俺はため息をつきながら帰路についた。
その翌日のこと。
いつも通り学校に登校する。
天気は悪くないが雲が少々多い中、教室を目指す。
そしていつも通り、まるでレッドカーペットの上を歩くように、廊下の真ん中を大杉が通る。
周りは観客と化し、彼女が通る道を開けた。
もちろんそれは俺も同じで、廊下の端に移動する。
「あ、江田島くん。おはようございます」
「え……」
可愛らしく、小さく手を振る大杉。
周囲の視線が俺に集まる。
これまでと違い、彼女が男子に声をかけたのだ。
それは大事件ようで、周りは騒然としていた。
「だ、誰だあれ?」
「大杉さんが男子に話しかけてる」
「嘘だろ……そんな羨ましいことしてもらえるやつがいるのかよ」
観客だったはずなのに、突然舞台に上げられ主演をさせられるような気分だ。
緊張のあまり、俺はぎこちなく彼女に手を振り返す。
眩い笑顔を浮かべる彼女に、俺の心臓は撃ち抜かれた。
大杉はそのまま自分の教室へと向かって行くが、周りは俺を睨みつけるばかり。
色んな意味でまだ心臓がバクバクいっている。
幸せなのか不幸なのか……前者と捉えたいところだ。
「大杉さんのお気に入り……とか?」
「どうなんだろう。あの子って自分の欲しいものを何としてでも手に入れるって噂だし、気に入ったらもっと強引になるんじゃない?」
「じゃあ気まぐれで挨拶しただけか」
「解散解散。別に大杉が目にかけてるってわけじゃないみたいだ」
一気に俺への興味が失せたのか、全員が教室へと歩いて行く。
ホッとしつつも、彼女の噂のことを思案する。
大杉はそんな子じゃないだろ。
何としてでも欲しいものを手に入れるだ。
大杉は優しい女の子なんだよ。
まだ仲がいいわけじゃないけど、そのはずだ。
挨拶をしてもらったのはいいが、それ以上彼女と会話をする理由が無い。
可能性が無かったはずなのに、少し話ができただけで可能性を感じ始め、自分のことながら苦笑する。
「あーあ。大杉と仲良くなれないかな」
そんなことを考えながら帰宅していた放課後のこと。
学校の近くにあるコンビニを通りかかり、そこで以前子供を家まで送ってあげたことを思い出す。
「あ」
するとなんてことでしょう。
その子供がまたそこにいるではないか。
泣いているわけではないが困っている様子。
俺はため息を吐き出し、子供に近づいていく。
「また迷子か」
「あ、お兄ちゃん。久しぶり」
「久しぶり。家が分からないんだろ」
「なんで分かるの?」
「だって前と同じだから。もう一年経つけど、まだ家がどこにあるか分からないんだな」
俺が言ったことに頬を膨らませる少年。
おそらくであるが、小学校2年生ぐらいだろう。
なんとも可愛らしい年ごろで、見ているだけで笑みがこぼれる。
「お兄ちゃんは何してるの」
「家に帰る途中なんだ。ってことで一緒に帰るとするか。家は変わってないよな?」
「うん」
「よし。じゃあ出発だ」
少年の家は記憶している。
そんなに離れていない場所なので、この子を送って行くとしよう。
コンビニから裏通りに入り、まっすぐ歩くと電車が走る線路が見える。
その線路を通り抜けてさらにまっすぐ行くと大型スーパーがあって、次の道を左に曲がったところに神社が。
その突き当りにマンションがあり、そこが少年の住まい。
少年はマンションを発見すると、目を輝かせて走り出す。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
「そろそろ道を覚えろよー。いつも迷子の時に助けてやれるわけじゃないんだからな」
「分かってる! 本当にありがとう」
少年は手を振りながらマンションへと入って行った。
俺はクスッと笑い、踵を返す。
「また助けてあげていたんですね」
「うわっ!?」
振り向くとすぐ後ろに大杉がおり、いきなりのことに俺は飛び上げってしまう。
心臓も飛び上がりそうになって、今にも口から飛び出そうだ。
その可愛さも心臓に悪く、俺は何度も深呼吸して彼女に向き合った。
「いたのか」
「いましたよ」
「いつから?」
「ついさっきです。この神社にいたので」
「へー……願い事?」
「そんなところでしょうか」
大杉にも願い事なんてあるんだな。
何でも簡単に手に入りそうなのに、神頼みとは……人間らしくていいじゃないか。
「やっぱり優しいんですね、江田島くん」
「そんなことないって。困っていたから助けただけで」
「それができるだけで優しいんです。子供を助けてあげたご褒美に、飲み物でもどうですか? ご馳走しますよ」
それは願ったり叶ったり。
大杉以外なら断っているところだろうが、彼女と時間を過ごすことができるなら言うことは無い。
俺はその提案を受け入れることにした。
「じゃあ遠慮なく」
「はい。行きましょう」
太陽のような笑顔を見せる大杉。
その威力に俺は目を細め、さらに胸をときめかせる。
コンビニがあった方向へ戻って高架下をくぐるとマンションがあり、その一階に喫茶店があった。
店は古くからあるような店で、木製のカウンター席とテーブル席が二つある。
俺と大杉は一番奥のテーブル席に腰を掛け、コーヒーを注文した。
「なんだかご縁がありますね」
「それ、俺も思ってた。化学室で知り合って、まさか偶然あんな場所で会うなんて……」
「運命……でしょうか」
頬を染めてそんなことを言う大杉に、俺は気絶しそうになる。
可愛いのもあるけど、そんな破壊力があるようなことを言わないでくれ。
本当に死んでしまうぐらい驚いたではないか。
「運命か……そ、それならいいかな」
「ふふ。ですね」
「…………」
妙な沈黙時間が続き、運ばれてきたコーヒーを口にする。
コーヒーにミルクを入れる大杉の顔をよく観察すると……観察しなくても分かっているけど、改めてとんでもない美人だな。
ゲームで言えば最高レアのSを超えた、SSS級美少女ってところか。
こんな子と一緒に喫茶店にいるなんて、どんな奇跡だよ。
俺は大杉がコーヒーを飲む姿に密かに見惚れる。
「あ……いけない」
「どうかしたのか?」
急に焦りだす大杉。
腕時計で時間を確認しているが……何かあったのだろうか。
「今日は家で親が待っているんでした……どうしよう。約束の時間に間に合わないわ」
「大事な約束?」
「ええ……お見合いをさせられるみたいなんです」
ズキンと心臓が痛くなる。
お見合い……まさか高校生の大杉がお見合いだなんて。
金持ちの家じゃ当たり前のことなのだろうか。
胸の奥が曇るのを感じながら、大杉の顔を見る。
彼女の顔もまた曇っており、何か不安を感じているのではないかと思い、話を聞くことにした。
「お見合いって、大杉は望んでないのか?」
「はい。でも両親が決めた相手なので逆らうことはできません」
「そう、なんだ……」
俯く大杉。
彼女は数秒思案した後、顔を上げて潤んだ目でこちらを見つめてくる。
「本当は好きな人とお付き合いをして、結婚したいです。そんな当たり前のことが許されないんでしょうか」
「一般的な家庭ならそれが当たり前で……大杉の家はそうじゃないんだな」
「確かに普通じゃありません。ですが私は普通でいいんです。普通に恋をしたい」
そう言って大杉は俺の手を握る。
俺もその手を握り返し、彼女の瞳を強く見つめた。
「普通に恋をすればいい。それを両親に訴えかければいいんだよ」
「……私に勇気をくれますか? 力を貸してくれますか?」
真剣な大杉の顔に、俺は迷うことなく頷いた。
それから俺と大杉は彼女の家に向かうことに。
彼女の家の使用人という者が車で迎えに来てくれ、その車に乗り込む。
大杉は流れる景色を眺めており、俺は彼女の横顔を見ていた。
彼女が神社にいた理由が分かったような気がする。
きっとお見合いの件で神頼みしていたのだろう。
等身大の大杉が見え、俺は彼女をさらに身近に感じる。
高嶺の花だと思っていたけれど、意外と普通の人たちと同じような悩みを抱く女の子だったんだな。
「到着しました」
「ここが大杉の家……」
車が目的地に到着し、俺は息を飲む。
そこはホテルのような大きさの建物で……家には見えない、しかし大杉の家のようだ。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
玄関の自動ドアを通り抜けると、多くの使用人が彼女に挨拶をする。
彼女は周りに挨拶をしながら、さも当然のように歩いていた。
これが彼女の見慣れて、慣れた風景。
超がつくほどのお嬢様なんだな。
「おかえり、一葉」
「ただいま帰りました、お父様、お母さま」
玄関を抜けた先、高級ホテルのロビーのような場所で待っていた大杉の両親。
父親は高そうなスーツを着こなしており、母親はドレスを着ている。
俺は場違いなところに来てしまったなと冷や汗をかくが……彼女の力にならないと。
「そこの男性は?」
「この人は江田島海くん。その……私がお付き合いをしている方です」
「はい?」
大杉は信じられないことを言い出した。
いつの間に俺たちは恋人同士になったのだろうか……
あ、いや。
そういう作戦か。
彼女が力を貸してくれっていうのは、こういうことだったんだな。
俺は意を決し、前に出て両親に挨拶をする。
「か、一葉さんとお付き合いをさせてもらっている江田島です。僕たちの交際を認めてもらえませんか? お願いします!!」
頭を下げ、両親の返事を待つ。
静かな時間が流れ、うるさいほどの自分の心臓音を聞く。
「江田島くんか……一葉。お見合いの件はどうするんだね?」
「申し訳ありません。私、好きな人と結婚がしたいんです。勝手なのですが、お断りしていただけないでしょうか?」
「……分かった。最優先は一葉の幸せ。お前がそういうならそうしよう」
「私も賛成だわ。好きな人がいるなら、その人と添い遂げた方が幸せだものね」
「お父様……お母さま……ありがとうございます!」
感極まったのか、涙を浮かべて両親に頭を下げる大杉。
ああ、良かった。
話の分かる両親で、本当に良かった。
俺は安堵のため息をつき、彼女たちが笑い合うのを眺める。
無理矢理縁談を進めらたらどうしようもなかったけれど、無事に彼女の問題は解決した。
さほど力になれたわけではないが、ほんの少しでも彼女の力になれたことが誇らしい。
周囲にいる使用人の方々が見守る中、大杉は俺に笑いかけてきた。
そして俺に近づき、耳元で、彼女の息がかかるほどの距離で囁く。
「ありがとうございました、江田島くん。あの、それからあなたが良かったらなのですが……本当にお付き合いをしていただけませんか?」
「え?」
「あなたの優しさに、人を思いやる気持ちに恋をしました。これからもあなたと一緒に人生を歩んで行きたい。嫌じゃなければ……」
「嫌なもんか。俺も君のことが好きだった。これからよろしくお願いします」
大杉は再び目に涙をためて笑う。
俺はこれからこの笑顔を守っていかなければ。
金持ちのお嬢様とお付き合いをするのは大変なことが多いだろうけれど、でも俺はそう心に決めるのであった。
◇◇◇◇◇◇◇
江田島くんは使用人の車で帰っていただいた。
私は彼を見送り、家の中へと入って行く。
「一葉……あれで良かったのか?」
「ええ、ありがとうございます、お父様、お母さま」
「あなたが決めた相手だからいいのだけれど……ねえ?」
「ああ。一葉が決めた相手ならそれでいいだろう」
苦笑する両親とそんな話をしていると、奥から江田島くんの担任が顔を出す。
「先生、ありがとうございました。これ、お礼の品です」
「これはこれは……また協力が必要なら、いつでも仰ってください。それでは」
教師に手土産を渡し、そのまま部屋へと進む。
廊下で私の隣を歩く使用人の女性。
彼女は三日月のイヤリングを揺らしながら、私に写真を手渡してくる。
「お嬢様。こちら新しい写真になります」
「ありがとう。それとあの少年と親にもお礼をお願いします」
「協力してくれたお礼はすでに済ませております」
「仕事が早くて助かるわ」
自分の部屋の扉を開く。
大きな部屋の壁一面には江田島くんの写真が貼られている。
新しく手に入った写真を手にベッドに寝転び、それを眺めた。
「江田島くん……」
高校生になった年、私は江田島くんのことは知った。
彼は周囲に気を使い、優しい性格の人。
気が付けばいつしか恋に落ち、彼を欲するようになった。
「全ては私の計算通り。どうかこれから末永くよろしくお願いします、江田島くん」
欲しいものは何としてでも手に入れる――
学校で囁かれている私の噂は、どうやら子供の頃の私を知る学友が流したもののようだけれど、あいにくそれは紛れもない事実。
ともかく、今回もこうして欲しいものを手に入れた。
愛しく、優しい江田島くんを。
もう決して放さない。
未来永劫、私たちはずっと一緒よ。
◇◇◇◇◇◇◇
大杉の家の車で家まで送ってもらい、俺はベッドの上でボーッと天井を眺めていた。
まさかSSS級お嬢様と付き合うことになるとは……まさか夢を見ているとか?
俺は自分の頬をつねってみるが……痛い。
「夢じゃないんだ……俺、大杉と付き合うことになったんだ!」
嬉しさに拳を突き上げる。
こんなに嬉しいことはない。
全ての運を使い果たしたような感覚があるが、大杉と付き合えたのならこれから先運が無くても大丈夫。
というか大杉がいてくれるだけで幸運のように思える。
「そうだ、ゲームを少しやっておこうか」
スマホでゲームを起動し、軍艦とのバトルを再開する。
すでに取り囲まれ、逃げる場所も無くなっているが、俺はニヤニヤ笑いながらゲームをプレイした。
「逃げ道は無いけど、幸せの道を見つけたんだよなぁ」
これから始まる大杉との日々。
それを考えると笑いが止まらない。
周りに見ている人もいないし、存分に笑っていいだろう。
俺は悶絶するほど幸せな気分で、ゲームを続けるのであった。
おわり
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それでは本当にありがとうございました。




