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第1話 「連合艦隊」の始まりから常設化、更には司令長官が海軍三顕職になるまで

「連合艦隊司令長官」というと、それこそ昭和20年以前の昭和時代において、多くの少年が自分が将来、成りたい地位、職業として挙げていたという話が、それこそ令和の今に至るまで伝わる程です。

 それ程、「連合艦隊」という言葉は、令和の現在まで魅力を保っている気が、私はします。


 ですが、そもそも論になりますが、「連合艦隊」は何故に編制されることになったのでしょうか。

 更に言えば、本当に必要不可欠な組織として、昭和の時代に常設される必要があったのでしょうか。


 この辺りについて、私なりに斜めに見ていきたいと考えます。


 さて、何故にこんな歴史エッセイを描こうという気になったのか、というと。

 最新作の「転生者カナリス提督は(以下、略)」を執筆するとなると、それなり以上の下調べを行う必要が、私にはありました。


 そして、下調べの一環として、様々なネット検索を掛けて、ネット情報を集めて、これまでの自らの知識と照合して、その上で必要ならば、書籍資料等にも当たって、という手順を踏んで、執筆活動を行うことになったのですが。


 そんなネット検索を行う中で、木村聡氏の「連合艦隊ー「海軍の象徴」の実像」という書籍があるのが、私の目に入りました。

 そして、その書籍紹介や、それを基にしたネット記事を斜め読みしたことから、改めてこれまでに私なりに、時々抱き続けて来た「連合艦隊」に対する違和感というか、何処か違うという想いをエッセイにしようと考えた次第です。


 尚、念のために申し添えますが、木村聡氏の著作、原本は未だに読めていません。

 実際に買って、手元で読むには気持ち高いですし、かといって図書館で借りて読む間もなく、という状況になっています。

(本当に中公新書で出版されていたら、思い切って買う決断が出来たのに、中公選書で出るとは)


 そんな余談(?)を前置きにして、改めて「連合艦隊」の起こりを考え、見ていきます。


 大雑把に言って、海軍建設から日清戦争直前まで、日本海軍は一線級の軍艦を集めた「常備艦隊」と、それ以外の軍艦を集めて、沿岸警備に当たる「警備艦隊」を編制していました。

 そして、日清戦争が勃発したことから、戦時下に編制する臨時編成の艦隊として、「常備艦隊」と「警備艦隊」を連合して、「連合艦隊」が設置されることになりました。


(尚、細かいことを言えば、「警備艦隊」の名はどうか、ということから、日清戦争直前に「警備艦隊」は「西海艦隊」と改称されています)


 そして、日清・日露戦争という戦時下において、「連合艦隊」は臨時に編制されることになります。

 又、大規模な演習を、海軍が行う際にも、臨時に「連合艦隊」が編制されることにもなりました。

(その為に、日露戦争終結後に東郷平八郎元帥は、「連合艦隊解散の辞」を読み上げています)


 そうした状況が一変するのが、1922年で、当時は竹下勇中将(最終階級、大将)が連合艦隊司令長官でしたが、この後は連合艦隊が常設されることになるのです。


 そして、これ以降の連合艦隊司令長官は、海軍内での地位を高めることになり、海軍三顕職の一つとされることになります。


 尚、連合艦隊司令長官の海軍内外の知名度と人気ですが、それこそ実際には格下にも関わらず、海軍大臣や軍令部総長以上と海軍内外で、昭和の初めから昭和20年まで謳われていた、と私は聞いています。

 何故、こうなったかというと、連合艦隊は、日本海軍の花形の実戦部隊とされていたからです。


 それこそ、米内光政元首相でさえも、連合艦隊司令長官から海軍大臣になるのを渋った程で、海兵同期の高橋三吉大将から、

「海軍大臣になるとは御気の毒」

という言葉を掛けられたという逸話があるとか。

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>「海軍大臣になるとは御気の毒」 気持ちは大いに分かる。(国家の建前として正しいか否かは別義) 沢山いる大臣の内の一人に過ぎず、上に上席の国務大臣(内閣総理大臣ほか)のみならず、重臣と言われる大臣…
 (´⊙ω⊙`)にわか知識な読者でも日露戦争後の東郷平八郎氏が読み上げた「連合艦隊解散の辞」で連合艦隊が常設では無く「非常時に組織される伝家の宝刀」のような存在だと薄々知ってはいましたが『そう言えば対…
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