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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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52.町長の屋敷

 その熱量は凄まじく、たぶんオーガはそれで気づいたのだろう。ギリギリのところで回避して、直撃しなかった。

 本来なら後頭部を打つはずだった火球はオーガの肩を軽く焦がしただけ。


「マジかよ! こいつ素早いな!」

「コータ連発して! こっち見てる!」

「おい! オーガ! お前の相手は僕だ!」

「ユーリ、向こうが動けば距離を取ることに専念しろ」


 みんな口々に言う。ハンターとフィアナは弓を構えていた。オーガは、二頭の獣のどちらを追いかけるべきか迷っている様子。

 その瞬間、オーガの前に穴が現れた。そしてビームが放たれる。


 オーガも素早く反応したさ。目の前の異変から距離を取るべく足を動かした。結果としてビームは回避できたが、急ぎすぎてバランスが崩れた。


「エクスプロージョン!」


 その隙を見逃さずコータが詠唱。オーガの足元で爆発が起こる。しかも連発しているのか、オーガの足がボコボコになっていく。周囲にある庭園の芝や花が吹っ飛んでいく。

 さすがに耐えきれなくなったオーガの巨体が倒れた。


 屋敷の方に。


 高そうな建物の壁面にオーガの体がもたれかかる。屋敷は大きいから全壊はしないけど、壁にヒビが入って窓が割れ破片が降り注ぐ。

 さっきの金持ち、避難できたかなあ。


 オーガはなおも反撃を試みて、屋敷の屋根に手を伸ばして引っ剥がし、破片を投げつけようとする。その手に火球が迫り、炎と風圧で破片をふっ飛ばした。さらに爆発がオーガを襲う。


「その調子だ! どんどんやれ!」

「なあカイ! 爆発魔法って周りに被害が出るから、ちょっと心配なんだけど! あの屋敷吹っ飛ばしてしまいそうで!」

「心配するな! ロジャーを引き取った家だ! 街の中心にある、一番大きい屋敷は町長のもので間違いない!」

「そうか! じゃあ遠慮いらないな!」


 コータが何度も爆発させる。狙いが厳しいのか、全部がオーガに当たらず、屋敷を砕くのも多かった。


 それでもオーガは確実に命を削られていて、起き上がろうともがいたり破片を掴もうとする動きがだんだん弱まっていく。

 やがて完全に動かなくなり、コータも攻撃をやめた。


「よかったー。勝てたー」

「これで、街にも平和が戻るかな」

「まだゴブリンたちはいるけど、街に押し寄せることはないかな」

「よし! これで全部解決だね!」

「おい! お前たち!」

「お?」


 屋敷から、さっき窓から見かけた男が出てきた。やはり使用人が、出ていくべきじゃないと止めていた。


「私の屋敷になんてことを!」

「あー。すまない。怪物を倒すための広い空間が欲しくて」

「ここを町長の屋敷と知ってのことか!?」

「やっぱり町長さんなんだね」

「ロジャーさんの引き取り手ですね」

「なあ町長さん! ロジャーだけどな、俺たちが街から連れ出すことにした」

「なに!? お前たちロジャーの行方を知っているのか!?」

「皆さん!」


 穴の向こうからの香花の呼びかけで、町長との会話は打ち切られた。別にやりたいとも思ってないし。


「バギャウヴァが強いです! なんとかしてください!」

「わかったそっちに行く! みんなも来てくれ!」


 ラフィオがすぐに駆け出して、穴を通り抜ける。ユーリも続いた。


「待て! ロジャーはどこだ!? 連れてこい!」

「今は異世界にいる! 自分で連れ戻せ! あとこの街にはまだ怪物たちがいるから気をつけろよ!」


 実際、庭園の敷地にゴブリンが入ってくるのを見つけた。町長は悲鳴を上げて屋敷の方に戻っていく。さっきは使用人に止められても強引に外に出てたのにね。


 穴の向こうは、水族館の近くの臨海公園。そこで、見るからにバギャウヴァだって感じの怪物が暴れていた。


「うわー!? なにあれ怖い!? あんなのと戦うなんて無理です怖い! 逃げようわたしたちの世界の方が安全だから!」

「リゼ! あいつの真正面まで行ってくれ! 攻撃してくるなら防ぐし、顔にキツイの浴びせてやる!」

「人の話を聴いてください!」


 相変わらず騒がしいリゼは、バギャウヴァの目の前でユーリに振り落とされてしまい悲鳴を上げた。

 魔法少女たちもこちらに気づいた。


「ハンター! とりあえず鱗を一枚剥がしたから! ここを狙ってくれ!」

「レールガンが来てる! あとこいつビーム出してくるから気をつけろよ!」


 バーサーカーが手のひらサイズの鱗を投げて寄こした。別にいらないんだけど。教えてくれるだけで良くてね。

 悠馬の言うとおり、公園の端に電源車が来ていた。すぐに駆け寄る。運転手は。


「五条院さん!? こんな大きな車、運転できるんですか!?」

「できるんだ。充電も完了済だ。すぐに撃てる!」

「わかりました! ……どこを狙えばいいんですか?」

「セイバーの剣の先だね」


 電源車の屋根に乗って、背中のハンターがレールガンを構えるのを見る。バギャウヴァの背中の甲羅にセイバーが這いつくばっていて、剣で一点を指していた。

 よく見るとそこの鱗をが剥がれている。三対ある足の真ん中の右側だ。


 ライナーとバーサーカーでバギャウヴァの体を抑え込み、方向転換できないようにしている。リゼとコータは真正面に立って、放たれたビームの相手をしている。魔法でシールドも出せるのか。あの強力なビームを防ぎ、エネルギーを周囲に拡散させて無力化していた。

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